ふっ と想うこと

山・雪・風・人、徒然なるままに--

3月に観た映画

2023-03-31 15:37:55 | 映画
ユニセフも共同制作に参加。
イタリアの田舎の美しい自然の中に囲まれた小さな本屋さん。
そこには色々な人達が、それぞれの思いで通ってきて、それを静かに受け入れる老主人
移民の子どもを中心にして色々な人達の、直接は交わらない、でも、“本、本屋”を介して交わる、ありふれた日常のいとなみ。
自然の、淡々と、繰り返す美しい四季の移り変わりの中で人々は変わっていく、そんなことを静かに描いた素敵な映画
東日本大震災から10年以上、未だに多くの人達の心に傷が。そして、コロナ禍で自ら命を断つ人達が増えている日本。その“自ら命を断つ”のではなく“生きていくこと”の大事さを表そうとして作られた映画。その趣旨に賛同した俳優さんたちが出演した、オール宮城県ロケ。
苦しんでいる人達に“頑張れ”という事ほど酷いことは無い。でも、生きていくことの素晴らしさを知る、教える事により、自ら命を断つことを防ぐ、その事を描いた静かな映画。
“人は死に向かって生きている”
昨年のプラン75を観ての衝撃に匹敵するくらい、衝撃を受け、考えさせられる映画。
現在の日本では介護者による要介護者の殺人が増えています。
認知症になり、誰か解らないそんな状況になっても自らの命を絶つことを許されない現代。そしてその負担は介護をする家族に。
苦しむ家族のために、または認知症になった本人の尊厳のために殺人を犯す介護士の“正義”と、いかなる理由によっても他人の生命を奪う事を奪う許さない検事の“正義”のぶつかり合い。そして親子の“絆”が親子の“拘束”となる現実。
他人の命を奪うことを認めていない法制度の守護者たる検事が次第にその限界を知り、複雑な心境に。
介護士の松山ケンイチさんと検事の長澤まさみさんの息が詰まる迫真のやり取り。
実家の母親が今、施設に入っているので家庭内での介護、ということはありませんです。しかし、これからは団塊の世代の人達が増える介護の問題、特に都市部では手の施しようがない無いと。自分は年齢的にはその後となりますが、非常に厳しい問題。
なぜ、今の日本は、子供、働いている人達、そして老人達が生活に苦労する国になってしまったのだろうか。
そんなことを考えさせられる、重い映画。

岐阜県飛騨市の古川、神岡でのロケ。時代は1980年代。
片親、ハンディ、その他の色々な家庭、子供の複雑な関係の中で、多感な子供のちょっとした心の揺れを描いた、懐かしい映画。半世紀前の東京で小学校時代を過ごした自分にとっては、これ、あった!というものばかり。子供たちは自分達ではどうしようもない親の影響の中で、イタズラ、という行為で自らを表現、そして仲間と。“あの子とは付き合っちゃだめ”と親に言われながら、子供の世界では親の目の届かない所でしっかりと繋がっていました。
そして、しがらみにまみれた親の正義とは違う、純粋無垢な子供の正義。
そんな懐かしい世界。
それを、今は廃線となった神岡鉄道、昔の国鉄神岡線を、動態保存されているディーゼルカーを走らせて描いています。
その廃線のトンネルは、子供から大人への人生のようなものとして。
今は、廃線の上をトロッコで走る“マンテンレール、ガッタンゴー”として訪れる線路を使って。
全国的に大々的に上映される映画ではないですが、まさに昭和世代へのオマージュのような、おとぎ話のような素敵な映画








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