ふっ と想うこと

山・雪・風・人、徒然なるままに--

9月に観た映画

2021-09-30 11:15:40 | 映画
緊急事態宣言のために映画館も夜9時まで、そのためにレイトショーが中止に。レイトショーの方がお客さんも少なく、感染の可能性は低いと思いますが。でも、ただでさえ観客の数を減らしていて経営的に厳しい映画館、人も少ないレイトショーは中止せざるを得ないのでしょうね。
自宅と会社の間にある映画館で。
”生きること=鯨を採ること“
そんな、インドネシアのとある漁村のドキュメンタリー映画。ほぼ手漕ぎの船で鯨、マンタに立ち向かう人達、そのためには命もかけて。ドローンを使った美しい海と小舟からの生々しい厳しさを見事に。カメラマンが乗っている小舟が鯨に乗り上げる、その迫力。これほどのものが撮影できたのも監督が長年、現地の人達との関係を築いた結果と。鯨も捕獲されようとすると仲間、家族が寄り添う、その、人と鯨の互いに生きるための攻防も見応えあります。現代の我々は生きるために、食糧を手にするために直接食糧を手に入れる行為はおこないません。しかし、その意味では食糧を手に入れることの厳しさを見失ってしまっているのかもしれません。この映画の監督、スタッフに頭が下がります。そんな考えさせられる映画。

東北の震災をバックにその後の人々の必死に生きる姿を描いたアニメ。アニメとはいえ大人にも見応えのある素敵な映画。人々の心の中にある不安、不信、その他の悩みを喰う妖怪を人と地元の妖怪達が退治。日本の中では東北には何か不思議なこの世のものではない精霊(妖怪)の力を感じます。この映画も遠野地方が。
今のコロナのせいで厳しい世の中での人の心の中の闇を妖怪というもので著していく、とても日本的な映画。吹き替えの人達も素敵で見終わってから清々しい素敵な映画でした。

これも東北、福島県の古い映画館の再生の物語。福島県のテレビ局の開局50周年にテレビドラマ化されたものの映画化。皆さん、素敵な俳優さん達。勿論主演の高畑充希さんも素敵なのですが、芸人の大久保佳代子のなんともいえない演技が最高でした。映画の中で、“映画は残像にしか過ぎず飯は喰えない、映画が無くても死にはしない”旨の表現がありました。確かに映画そのものではお腹は満たされません。でも、人間は色々と考えます、つまり精神的なものも生きていくためには必要と。この映画は映画を愛する人達へのエールのような先品。
この映画も見終わったあと、清々しい気持ちになりました。
“民族の火薬庫”と言われて戦争の歴史を繰り返してきたバルカン半島の”ユーゴスラビア“。戦後のチトー独裁政権崩壊後の混乱。かつて仕事でハンガリーのブタペストからブルガリアのソフィアに飛行機で移動したとき、アドリア海を大きく迂回すると同時に飛行機機内の照明を消して真っ暗闇の中でした。1991年の秋。ちょうどセルビアモンテネグロの紛争が始まった年。その翌年にセルビアフェルツェゴビナ紛争が。この映画はセルビアフェルツェゴビナ紛争中の悲劇を。
イスラム教徒とキリスト教徒との争いでもあり民族対立。ただ宗教対立というよりは永年の民族対立の様相が強いと。紛争が始まる前は両民族は共生しておりこの映画の主人公も学校の教師であり両民族の子供の教育を。映画の中でも対立するセルビア兵の若者が“先生”と。
どちらがどうの、と言うことはそれぞれの立場があり紛争の正当性の評価は難しいと。ただ、非武装地帯、避難民の集まった国連施設でおこなわれた虐殺については考えさせられます。勿論、セルビア側の残虐行為は避難されるべきであることは間違えないです。セルビア側は避難民の中には兵士が紛れ込んでいる、という疑心暗鬼に囚われていたと。ただ、一番の問題は第二次世界大戦後の世界秩序を構成していた”国際連合“の限界、言葉を悪く言うと“幻想”が如実に。国際連合は、世界の加盟国の”最大公約数“であり、誰もが満足する結果にはならない、さらに常任理事国が絡んでくると統治不全となる、その現代的な現実。
現在は各国のエゴが全面的に出てきています。
大学時代は“憲法”を専攻していましたが、今から40年前に憲法の”前文“の美しさには惹かれるものはありました。勿論、憲法を作成したアメリカ駐留軍には法律の専門家はひとりもいなかった、または、前文は法律ではなく、単なる文学だ、とか議論が多かったのは事実。とはいえ、惹かれました。しかし、現在、世界を見渡すと“平和を愛する諸国民の信義に基づき”等ということは”絵空事“になってきています。五大国といわれる常任理事国内でも民族浄化が起きている、しかも日本も無関係ではない、ということが昔の穏やかな時代とは大きく変わったと。そんなことを考えさせられた重い映画

俳優でもあり最近は映画監督もされている斎藤工さんプロデュースのリリーフランキーさんのひとり芝居。1時間ちょっとの映画ですが最初には全く関係ない引き籠もりの兄と失業した妹とのリモート電話の映画。はっきり言ってこの部分は時間つぶしの大いなる無駄、危うく寝落ちするところでした。
本題のリリーフランキーさんのひとり芝居は色々とあって家を出た奥さんのことをカレーを作りながら待つ役。そして、その奥さんとの関係は現代的なものではなく、ちょっと昔のラジオでの投稿で。時間をかけると味が出てくるカレー、それと自らの気持ちを熟成させていく、それを、喜怒哀楽の少ないリリーフランキーさんが微妙に演じているのが魅力的。かなり、実験的な、好き嫌いのはっきりする映画。演劇の好きな人には良かったかも。個人的には良かったと。でも、前半の無駄を除くと1時間弱、シルバー料金で観ましたが正規料金だと、ひょっとしたら怒るかもしれませんが。
公害というものを身近に経験してきた我々世代にとっては良く耳にした“水俣”
そのあまりにもの衝撃映像、写真に触れたときのショックは凄まじかったです。未だに、地元では触れて欲しく無い、そんな日本的な状況が。ロケは水俣では出来ず、セルビアで。しかも、熊本県は実情を知ってほしいということで後援しても水俣市は拒否。この問題がこじれ、未だに大きく揉めているのは、やはり、チッソという会社の一地方小都市”水俣“での影響力、さらに、チッソという会社が日本の政界、経済界に大きく影響力があることもあるかもしれません(最近では皇室関係も)。日本人では中々踏み込めない表現、やはり利害関係のない外国人の視点が新鮮。パイレーツオブカリビアンのイメージが強いジョニー・デップもシリアスな素敵な演技力。最後に現在世界各地で問題となっている環境破壊について列挙されています。自分が関わってきたモーター関係の仕事でも、モーターに不可欠とされている希土類についてはかなり危険な状況で採掘されているものも多く、厳しく報道管制されていると。この映画の時代と異なるのは、良い面はインターネット等で情報が世界中に拡散されること。でも、マイナス面は完全な情報統制がかけられていることで、本当の事が隠されていること。
自分の卒業した大学も旧制大学時代には別の公害企業が寄付をしてできた大学なので昔から公害に感心がありました。
シリアスな、色々と考えさせられる映画。
ムロツヨシさんがいつものギャグを封印した、素敵な映画。バイプレーヤーとして、時にはメインを喰ってしまうムロツヨシさん初の主演。内容は家族のあり方についてを、シリアスとは言え、随所にクスッとする場面のある素敵な映画。本当に観て良かったと思う映画。
愛知県豊田市のある意味宣伝映画。とは言え愛知県、岐阜県ではラリーがおこなわれ、昨年、今年とWRCラリーが計画されてたものの中止となりました。日本でのラリーは北海道などでおこなわれていましたが、中部圏でも地元、自動車関係の人達、そしてなんと言っても世界的自動車会社のトヨタ自動車がWRCに復帰してことが大きいと。豊田市と言えば自動車会社が有名ですが、実は日本一の広さを誇っています。これも町村合併で日本でも有数の景気の良い豊田市に周辺の町村が吸収され(実は財政的に厳しく救済された側面が大きいと)、ロケ場所の岐阜県恵那市とは隣接、山々に囲まれた美しい場所の側面も。そのせいか、映画でも見所が多く出てきます。内容的には突っ込みどころ満載です。毎年行われている一般も参加できるラリーに参加する、というものですが、このコースはトヨタ自動車関係の鞍ヶ池公園内です。しかし映画では三河湖等の紅葉の名称でテストをしているとか、ラリー未経験者が突然凄い運転をするとか。とは言え、愛知県、岐阜県の美しい自然の中、何も考えずに楽しめる映画。ひとつ、映画の中で出てくる風力発電所、実はパンフレットも含めて一切ロケ場所として触れられていいません。基本的には自動車の乗り入れを自粛している場所です。我が家はよく、星空の写真撮りに行きますが




キノコ、菌類の人との関わり合いを美しい映像と音楽で。なんと言っても美しい映像は見事です。
キノコ類が癌とか疾病に良い効果がある、とは昔から言われていて自分も20年以上前に癌の手術をしてから暫くはキノコ類を多く採っていたのも事実です。
ただ、ひたすら、関係者達が話す吹き替えを観ていると、目が疲れて、また、美しい音楽(昔でいうニューエイジ、今で言うところの環境音楽)を聞いていると寝落ちしそうに。特に説明が、なんとなく宗教的なものになってくると。

東野圭吾さん原作。前回のマスカレードホテルの続編。相変わらず豪華で、役者さんたちも素晴らしいです。勿論、原作が素晴らしいから余計に役者さん達も輝きますね。そしてどの人達も怪しい、犯人?の可能性も。長澤まさみさん、木村拓哉さんも歳を重ねるのに従って素晴らしい役者さんになっていきますね。娯楽映画として見応えのある映画でした。アルゼンチンタンゴには詳しくはありませんが、男同士でも踊ることが出来る、ということは初めて知りました。
観て損はしない、素敵な映画てんした。
20年以上前に名古屋に新しく出来た某ホテルの総支配人さんとお会いする機会があって、その総支配人さからホテルマンにならないか、と誘われ名刺も頂きましたが、まだ、仕事が楽しかった時期でしたので丁重にお断りしました。結婚する前でもあったのでひょっとしたらホテルマンになっていて違う人生、歩んでいたかも、と。色々と。

毎年、この季節、素敵な映画がたくさん公開されて楽しみな季節です。でも、コロナのためにレイトショーが中止されているのでどうしても休みの週末に午前、午後とハシゴせざるを得ないのは残念。













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