むぎわら日記

日記兼用ブログです。
野山や街かどで見つけたもの、読書記録、模型のことなどを載せております。

『蠅の帝国 軍医たちの黙示録』帚木蓬生(新潮文庫)

2017年12月29日 | 読書

樺太からモンゴル国境、東南アジアの島々まで、日本軍の行くところ、軍医たちの姿があった。

15編の短編小説が収録されていて、すべて違う舞台・主人公ですが、すべて軍医が主人公です。

膨大な資料(学術論文含む)を背景に、まるで体験してきたかでもあるようなリアルさで迫ってきます。

作者が現役の医師であることもあって、医療行為などは自分の体験ももとになっているのでしょう。

薬も食料も不足する中で、栄養不足、伝染病、重傷者と対峙した医師たちの苦闘の物語となります。

原爆・空襲の現場から、米軍・ソ連軍侵攻の中、病院に踏みとどまって職務を全うする医師たちの姿がそこにありました。

それは無力感との闘いの中で勝ち取らなければならない使命感に感動を覚えました。

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

石の上に生える地衣類

2017年12月29日 | 小さな自然

石の上におかしな模様がありますが、岩、石、コンクリート、堅い樹皮の表面でも蔓延るスーパー植物「地衣」です。

円形の中心に一つの胞子が落ちて広がって行っているようです。

地衣類は、菌類が藻類などを取り込んで共生しています。

菌類が藻類を乾燥から守り藻類が光合成をして栄養を補給すため、個別に生息するよりずっと広範囲に過酷な環境でも広がっていける性質があります。

火山の噴火などで焼けただれた岩石の上に最初にやってきて土をつくるのが、地衣類。

森への先駆け、生物の先兵として頼りになれる生物なのです。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする