中編小説「島抜け」
講釈が幕府の逆鱗のふれ、種子島へ島流しになった講釈師の話。
講釈師という職業(大衆に本を読んで聞かせる仕事)も面白い。
ひょんなことから、島から脱走した男たちは漂流し、ついた先は中国だったと言う奇想天外な実話から小説にしています。
その後、日本へ帰り潜伏しながら生活していくのですが……
短編小説「欠けた椀」
飢饉にあった夫婦が、海を目指し旅をする飢饉小説。
吉村昭の飢饉ネタは胸にしみるのは、戦中戦後の食糧難を経験している作者だからでしょう。
この短編も光っています。
短編小説「梅の刺青」
日本の医学解剖の夜明けを書いています。梅毒患者の収容施設から、解剖体を手に入れる下りなど、あまりにも凄まじい現実です。
事実は、小説より奇なり。
の3本です。