魯迅の代表作「故郷」「阿Q正伝」「狂人日記」が収められていてお買い得。
パールバックの『大地』を読んでいたので、歴史的背景はよくわかっていたため理解するのはたやすかった。中国が欧米・日本に侵食されていき、革命の息吹が芽生えてくるころの混沌とした社会情勢である。
魯迅は日本に留学したこともあり、芥川龍之介の影響を受けているらしい。また、解説によると村上春樹はかなり魯迅から影響を受けていると言うことだ。
確かに村上春樹の『中国行きのスロウ・ボート』など、そんな雰囲気があったような気がする(30年以上前に読んだのでよく覚えていない)。
混乱していた時代の中国で貴重な活動をしていた魯迅の文学的な足跡をたどることができる本だと思った。