むぎわら日記

日記兼用ブログです。
野山や街かどで見つけたもの、読書記録、模型のことなどを載せております。

『天の夜曲』宮本輝(新潮文庫)

2021年08月30日 | 読書
流転の海 第四部です。
あとがきに、第五部で終わるつもりで書き始めたが、六部になりそうだと書かれてあります。(実際は第九部で完結)
作者は、主人公のモデルは実父だとしていましたが、第四部では別の人物になっていたようです。
35歳で書き始めた作者は、第四部では55歳となり、主人公の年齢に近くなってきています。
はじめは、子供から見た父親のヒーロー像を書くつもりが、それから離れてちがったヒーロー像になっていく感じがします。
第四部になって、主人公のヒーロー的な魅力が大きくなったと感じました。
このシリーズの魅力は、還暦間近の糖尿病を患ったヒーローと、その妻で更年期障害に悩むヒロイン、その子供のマスコットキャラ(当初は作者自身がモデル)の一風変わったヒーロー伝だということじゃないかなぁ。

コメント
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