アイヌ民族最後のクマ撃ち猟師である姉崎さんへのインタビューがまとめられた本です。
姉崎さんは、和人(父)とアイヌ(母)との間に生まれたハーフですが、自分はアイヌだと名乗っています。
ハーフであったため、アイヌの狩人からいろいろ教えてもらえず、聞き耳を立てて自分で学びました。人より熊から多くを学んだクマが先生だと語ります。
また、狩りの仲間にも入れてもらえなかったので、単独での狩りを生業としており、自分の好奇心を満たすため、倒した熊を解体するとき隅々まで調べ上げました。そのため、学者顔負けの知識を得ることができています。
クマの気持ちがわかると言いますが、人を解体することはできないので、その分、人より熊の気持ちがわかるのが納得できます。
北米でグリズリーを研究している動物行動学の教授の意見と比べても、ほとんど同じで、異なる点も、北米と北海道の地域の差でうなずけるものばかりでした。
クマを撃つときは、対峙して、相手の怒りが静まるのを待ち、その瞬間、撃つのです。そうしないと、外した時の反撃が怖い。もっともです。
こんな生々しい表現が多く読めて、直接、ヒグマと対峙してきた人の話は一味・ふた味ちがいました。