日本で一番人の命を奪う動物はハチです。
年間20人程度が、ハチによる蜂刺し症でなくなっているのです。
この本は、長野県の長閑な村で、40年間、医師としてハチの被害と闘ってきた著者が、ハチの危険性から生態まで愛情いっぱいに語ってくれています。
危険なハチはスズメバチ、アシナガバチ、ミツバチが主です。大きなコロニーで巣を作り、それを守るために集団で襲い掛かってきます。
こいつらは、黒くて動いているものを集中攻撃する習性があるようです。瞼を刺されることが多いそうですが、これも黒い瞳を狙って攻撃してくるからです。
山の中のハチの巣は、栄養豊富なたんぱく質の塊なのです。それを狙ってくる人間や熊、他のハチなどから守るために進化を遂げたのが危険なハチたちなのでした。
アナフィラキシーショックは、刺された後、数分で起こる全身症状で、命を落とす危険があります。救急車を呼んで病院まで運ぶ時間に亡くなることもあるので、医師が現場に直行するのが一番いいと言います。
野外で活動するときは、一通りのハチについての知識の習得と準備があると良いですね。