三日月堂シリーズの本編完結巻になります。
三日月堂の経営も軌道に乗り始め、新しい段階(本の印刷)に踏み出す時が刻々と近づいていきます。
学生時代、文学賞を受賞したことをきっかけに筆を置いた古本屋の店主の前に、学生時代の文芸部の仲間が訪ねてきます。そして、本を作ることになるのですが、店主さんには時間(余命)が限られていたのです。
活版印刷で本を刷るには、三日月堂の他の業務を休止するくらいの覚悟がいるのでした。
もう一段階、経営業務のステップアップを余儀なくされていく三日月堂と、それを支える人たちの進化が見どころとなります。
物を作ること、創作することの静かな熱を感じられる物語も一旦これで終了となります。