自然農法とか有機農法とか、定義が曖昧で扱いにくいですが、ヨーロッパにおける黎明期から、現在日本の木村秋則氏の奇跡のリンゴ栽培まで、幅広い知識をまとめてありました。
現代の欧米式の農業では将来的にリン酸資源の枯渇から、深刻な問題を生じると考えられます。
それを回避するため、東洋型の循環農業にヒントを探すことになります。
昔の日本式の農業は、人糞を田畑に戻すため、持ち出さない農業を確立していました。大量のリン酸鉱物を施用することによって維持している欧米型の農業が先細りの中、それにヒントを得ようとしていた欧米農学者がいたことも興味深くよめました。
肝心の自然農法は、耕さず、肥料をやらず、草を取らない状態を確立するために、血がにじむような努力を行なわないといけないことも解りました。
つまり、土壌を有機物の堆積物にするために雑草をコントロールしながら、土を作っていかなければならないのです。つまり、初期の段階では草刈りをこまめにして、それを積み重ねていくことになります。しかも、イネ科雑草でリン酸の活性化を図り、マメ科で窒素成分の補給を図るというように雑草の種類と見極め、その力を利用して施肥をしなくてもよくする知識も必要であるということです。
自然農法とは、シロートが手をだして成功するものではなく、農学者や篤農家が試行錯誤を繰り返し何年もかけて確立するものなのです。
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