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「アオシマ 1/700 初春1933」完成しました。
公試運転時の姿を再現した変り種キットです。
ワシントン軍縮会議によって、英:米:日の戦艦の比率を5:5:3に決められた日本海軍は、来るべき日米海戦時、決戦前の夜戦にて駆逐艦による魚雷攻撃をにてアメリカ戦艦の数を減らすべく高性能駆逐艦を開発しました。特型駆逐艦とよばれるそれは1800tの小さな船体に魚雷発射管9門を備え38ノットの高速を発揮する画期的なものでした。
しかし、次のロンドン軍縮会議にて、駆逐艦の比率を英:米:日、10:10:7とされ1500t以上の船にも制限が加えられたのです。
その結果を受け、1400tの船体に特型駆逐艦と同等の武器を乗せる「初春型駆逐艦」を産み出すこととなりました。
そして、完成したのが本艦です。
しかし、どうみても、ギッシリ乗せられた兵装は積み過ぎでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/a4/2c95fbd56afea52255035b08be4f4267.jpg)
公試運転のとき、舵を10度曲げると、船体が38度(スキー場の上級者コースの壁とよばれるレベル)傾き、実戦では転覆の危険性が大きく使い物になりませんでした。
その時の姿がこれです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/47/45fcc8deb1bcf2440ec4ff019660bb7b.jpg)
海面より下の船体を想像すると、主砲、魚雷発射管、艦橋などが重なって無理があることがよくわかります。
そのため、海軍に引き渡される前に、バルジ(船体の張り出し)を取り付けられました。
それでも危険が大きく、同じコンセプトで作られた水雷艇友鶴の転覆事件を契機に大改装され、魚雷発射管を9門から6門に減らし、船体強度も大きく改良され重量増加により速力も大幅に低下させられ平凡な性能の艦になってしまいました。
日本海軍の失敗作となりましたが、その武骨な中に滑稽さを併せ持ったスタイルはモデラーとして魅力に感じるのです。
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