スタジオジブリの宮崎駿が、もっとも尊敬する作家と言っていたと聞いて、メルカリで安価に手に入ったので読んでみました。
とある白夜の国の首都(国名は明かされていませんが、計画経済、社会主義、超大国ということでソ連のモスクワでしょう)のホテルに世界各国から、日本の協業製品の見本市開催のために集まった商社マンたちの群像劇です。
舞台が変わらないので退屈化と思いきや、朝日新聞で連載されていたこともあり、細かい話題がところどころにちりばめられていて、飽きることがない構成となっていました。
特にアジア方面担当者の語る「北ベトナムの主要輸出産業である農業は戦争による壊滅→新たな輸出産業は屑鉄となった(戦争による撃破された武器や砲弾の破片等)→日本や米国の製鉄所が買い入れてそれがまた武器として再生される」という循環は、資本主義経済の矛盾をはらみ、今、ウクライナにもダブルところがあります。
ラーメンからミサイルまで扱う総合商社は日本だけのシステムですが、洋上を航行するタンカーや貨物船も商社なしでは動けない現状もよく理解できました。
話は本から逸れますが、投資の神様ウォーレン・バフェットがコロナ危機の最中に日本の五大商社の株を買いまくっていたということからも、日本の総合商社の世界に与える影響をうかがい知れます。
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