全国オンブズマンの全国大会。福岡の博多。
その一日目の報告。
記念講演は、前宮城県知事の浅野史郎さん。
のっけから「岐阜の裏金の問題をやってきたのは寺町さんたち」とこちらを紹介してくれた。
その
浅野さんのお話の一つ。
不祥事、不正には匂いがある。
匂いは出どころは見えない。
同じ匂いでも、匂いの好きな人、嫌いな人、感じない人もいる。
慣れたら感じないのが匂い。
匂いは手でつかんでも手からも漏れる。手が染まる
私は岐阜県の情報公開・情報隠しと裏金の観点で、「まじめ」に報告してと、新海弁護士から注文を受けていた。
私たちが裁判で勝って、情報公開が広がったことを述べることにした。
その報告のスクリーンに映したメモのデータを下に引用しておく。
● 岐阜県・裏金事件と情報公開
1. 意図的な「調査せず」という方針
全国的に裏金が社会問題になったときになされたオンブズの調査のデータ
(1997年12月の調査)
⇒ 岐阜県は「自主調査を行わない」旨を回答
現場実感 オンブズの情報公開度ランキングを上げる対応はする
2. 岐阜県の情報公開の姿勢
情報隠し
カラ出張
カラ飲食 ・ 飲食店預り金
裏金を作って隠す
外郭団体
岐阜モデル⇒ 職員組合 一部は互助会
裁判費用にも
3. 発覚
◎2006年7月5日
「プール資金」問題 不正資金
◎8月3日発表
1995年(4月)以降は、情報公開条例が施行されたので裏金はない
6900人 聞き取り・書面調査
94年度で4億6600万円
◎9月1日発表
92年度以降で17億円と推定
4. 岐阜県の情報公開の実態
(1)1995年4月情報公開開始
公務員の職氏名、飲食店、参加者名、契約先など事業者情報を非公開
(2)1998年4月以降に作成・取得した文書につき
公務員の「職氏名」と「飲食店」を特例として公開。民間参加者名は非公開
但し、1995年4月から98年3月末まで作成の文書
公務員の職氏名、店名、参加者名のすべてが非公開
⇒2004年1月16日の懇談会&
視察・最高裁判決で敗訴確定するまで
(3) 2000年から岐阜地裁で県の敗訴つづく
知事「岐阜県が最高裁で負けるまで非公開でいく」
(4)「請求外情報という理由での非公開」=条例にない理由
⇒2005年6月14日のカラ渡船・最高裁判決で敗訴確定まで
(5)「合算情報という理由での非公開」=条例にない理由
⇒2005年6月14日の情報誌購読料・最高裁判決で敗訴確定まで
(6) 見積や(食料費及び入札情報以外の)契約相手方の事業者情報
⇒2006年1月20日の首都機能移転誘致・最高裁判決で敗訴確定するまで
(7)文書を条例の対象外に
1997年に裏金作りがスクープされた
イベント実行委員会などの請求書領収書、実行委員会の臨時職員手当てや勤務状況などの基礎的文書について、県職員が職務中に作成・取得し保有しているにもかかわらず条例の対象ではないとして「不存在」扱い
⇒2005年9月13日の最高裁判決で敗訴確定まで
しかし、05年11月 「その文書が無くなった」
(8)1995年3月以前に作成した文書は、情報公開条例の対象としない
⇒2005年11月から、県の全て文書を条例の対象にした (なんびとも)
(おまけ)
◎東海環状道・都市計画審議会の以前の段階の文書
⇒2004年6月29日・最高裁決判決
⇒ 有意義なもの無し
◎問題ありのゴルフ場の調査・指導文書
⇒2005年3月25日名古屋高裁判決
⇒(05年2月就任の新知事)
=負ける裁判はするな
5. 裏金発見のチャンスはあった
岐阜県は過去に、県庁全体の裏金を認識する機会が公式に何度もあった。
(A) 1997年2月のイベント実行委員会の裏金づくり
(B) 2000年6月の衛生専門学校での裏金づくり
(C) 2001年3月の中山間地農業試験場の裏金づくり
しかし、これらの発覚時、全庁調査を実施しなかった。
「裏金は見ないようにする」という悪意。
(B)関連:住民訴訟2002年6月17日の和解書で「(3)被告岐阜県知事は、今後二度とこのようなことのないよう適正執行に努めるべきことを確認する」
6. 対応
◎ 梶原拓前知事は、知事時代は、「岐阜県には裏金は無い」と表明し続けていたが、2006年8月8日の会見で、「1989年(平成元年)知事就任当時は、裏金づくりは半ば公然の秘密となっていた。十分承知していた」と認めた。
◎ 現知事は1992年以降の12年分
17億円を返還させる方針
◎ 住民監査請求 9月29日の予定 1000人目標
(1)過去20年分の裏金の全額の返還(含む利息)
(2)当該期間の監査委員に支給した給与・報酬・手当等の全額の返還
(3)梶原前知事の退職金全額の返還
(4)以上3項につき知事等権限ある者の怠る事実の是正
(5)個別外部監査の求め
7. 再発防止策の提案
(1)告発者保護を徹底した第三者機関に対する内部告発制度を実施すること
(2)不正金関与者に対する厳罰主義の表明と基準化
(3)日常的に徹底した情報公開の実施
(4)不正事件に関する諸記録の全面公開の実施と文書保存期間の永年化
◎◎ 現知事の表明のひとつ
インターネットで、すべての支出関係を費目ごとに検索して出てくるようにする
ところで、岐阜の裏金。岐阜新聞が県の調査資料を入手したらしい。
「1994(平成6)年度は、その年の裏金捻出額の1・6倍に当たる約7億5000万円を95年度に繰り越していた。95年度は新たに約2億円を捻出しており、引き継ぎ額と捻出額を合わせると一時、10億円近い裏金が存在したことになる。」
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その後、追いかける社がない。
岐阜新聞の裏金特集 は以前に紹介した。
● 95年度は裏金10億円近くに 年度またぎ引き継ぎ
(写真をクリックすると拡大。写真右下あたりのクリックでさらに拡大)
9.10 岐阜新聞
県が約17億円の裏金をつくっていた問題で、年度をまたいで引き継がれた裏金の実態が9日、岐阜新聞社が入手した調査資料で明らかになった。1994(平成6)年度は、その年の裏金捻出(ねんしゅつ)額の1・6倍に当たる約7億5000万円を95年度に繰り越していた。95年度は新たに約2億円を捻出しており、引き継ぎ額と捻出額を合わせると一時、10億円近い裏金が存在したことになる。捻出の状況はすでに公表されているが、裏金の詳細な推移が判明するのは初めて。
裏金づくりを担当した複数の庶務係経験者によると、1年間でつくった裏金は、その年にほぼ使い切るのが慣習だった。一方で、庶務担当者は前任者から引き継いだ裏金のほぼ同額を、後任者に受け渡すのが暗黙の了解だったという。新しく庶務担当に着任した職員が裏金づくりに慣れておらずすぐにつくれなかったり、急場に備えるために必要だったとみられる。
第三者機関「プール資金問題検討委員会」が調査の基準年度とした94年度は、1年間で約4億6600万円の裏金を捻出していたが、翌95年度に繰り越した額は約7億5000万円に上った。
県情報公開条例が施行された95年度以降は、裏金をつくることも、使うこともやめるよう指示が出され、裏金づくりは急激に減ったが、費消は依然として続けられた。県職員組合への集約が始まる前年の97年度までの3年間で、計約4億4000万円が使い込まれるなどした。繰り越しで引き継がれた裏金は費消されて徐々に目減りし、2003年度には、引き継ぎ額はゼロになった。
検討委は、92年度から最後の裏金づくりが確認された03年度までの12年間について、毎年捻出された額を積算することで裏金総額を約17億円と認定した。しかし、これには92年度の引き継ぎ分が入っておらず、費消された総額(県職員組合への集約、個人保管など含む)はさらに膨らむとみられる。
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