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てらまち・ねっと



 賠償請求額が大きいからと驚かないでください。489億円。それだけのことをやったんだから、石原産業の経営者たちは。

 いわゆる「株主代表訴訟」、会社法では、この訴訟を「責任追及等の訴え」というそうです。行政訴訟を45件ほど、本人訴訟でやっている私は、いずれは、私も株主代表訴訟を自分でやってみたいと思っていました。そのことは、また、改めて書きます。

 今回のフェロシルト問題、石原産業(株)四日市工場の現地は三重県、不法投棄地は愛知・岐阜・三重と京都ですが、本社が大阪市。そこで大阪地裁に提訴。
 この訴訟は、水俣や神通川などの各種公害問題にとりくんできたベテラン弁護士や環境問題、消費者問題などの中堅・若手の弁護士、加えて株主オンブズマンらの協力で進められます。
 原告は「株主」に限られるので、市民運動体名義で株を取得したのではなく、個人名義。吉川さん、小川さん、私の3人。提訴時点で、6ヶ月以上前からの株主であることが要件。私たちは、昨年の6月から7月にかけて、それぞれ取得しました。内緒に進めたとはいえ、株取得の時点で、名前を見て、石原産業は、将来、こうなることを予測したと想像します。

 ところで、今日は、午後1時半から、福井地裁で情報公開訴訟の第一回弁論。
 遠方なので、朝から出かけます。 
     福井地裁での情報公開訴訟のお知らせ。IT時代の電磁的記録の情報公開を問う

昨夜のNHK
  
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 田村社長や他の取締役も含めて、フェロシルトを不法投棄したことで必要となった多額の回収撤去費用などは会社の損害であるから、会社や監査役が田村社長や他の取締役に賠償請求するよう求めたのが、今年の2月15日。法律の定めで、株主3人の名義で弁護士が進めました(この時点は、意図に基づいて、公表していません)
 
 それに対する会社の対応が、株主代表訴訟封じ。つまり何もしないとマズイから、ちょっとだけ反応しておこう、という作戦。
 4月16日のブログにしましたが、 フェロシルト。石原が取締役提訴。なんという裏技。株主代表訴訟封じ??  のとおり、会社は4月13日に、刑事事件の公判中の佐藤氏だけを被告として10億円賠償せよと提訴。
 その訴状や、私たちの請求どおりに訴えない理由がたくさんの書面として出されており、こちらにも届いています。いずれ、紹介したい。要は、「佐藤だけが悪いんだ、社長らは知らなかった」といいたげ。

 ともかく、これでは、経過の解明や責任追求がなされるわけがない。再発防止には、そこを明確にするしかないわけですから、予定通りに、昨日の提訴となりました。
 いわゆる「株主代表訴訟」は、訴えの額や内容に関係なく「訴訟物の価格 160万円 貼用印紙金額 1万3000円」であるように、住民訴訟や情報公開訴訟などの「行政訴訟」と同じ訴訟の位置づけですね。

■ 4月13日の石原産業の提訴の概要 
 損害賠償請求 
 訴訟物の価格 10億円  貼用印紙金額 302万円 
 被告      佐藤驍 1人
 請求の趣旨  「被告は原告に対して、金10億円を支払え」

■ 4月24日の株主の提訴の概要
 損害賠償請求 (株主による責任追及等の訴え)
 訴訟物の価格 160万円  貼用印紙金額 1万3000円 
 被告      田村藤夫、佐藤驍ら 23人
 請求の趣旨 「被告らは訴外石原産業株式会社に対して、連帯して金489億円を支払え」

 弁護士の皆さんが組み立てた内容、また改めて紹介したいですね。

● 489億円賠償求め提訴 石原産業旧経営陣に株主  朝日新聞 4月25日
 化学メーカー石原産業(大阪市)によるフェロシルト不法投棄事件で、同社の株主3人が24日、旧経営陣23人を相手に、フェロシルトの撤去と原状回復にかかる費用約489億円を会社に賠償するよう求める訴訟を大阪地裁に起こした。株主側から役員23人に賠償請求するよう求められた同社が1人しか訴えなかったため、株主として全員の責任を問うことにしたとしている。
 株主側によると、土壌汚染などの環境破壊を引き起こして損失を出した会社の経営陣に対し、賠償責任を問う訴訟は全国で初めてという。
 訴状によると、同社は98年以降、有害物質の六価クロムなどを含む土壌埋め戻し材のフェロシルトを製造。05年4月の販売中止までに京都府や愛知県など4府県で埋められた。同社は約489億円をかけて撤去を進めているが、株主側は「経営陣には早期に対策を取る責任があった」と主張している。
 石原産業の話 訴状を入手していないのでコメントできない。

● 489億賠償求め株主提訴 石原産業の不法投棄事件  東京新聞 4月25日
 大手化学メーカー石原産業(大阪市)による土壌埋め戻し材「フェロシルト」の不法投棄事件で会社に損害を与えたとして、株主3人が24日、田村藤夫社長ら現職と歴代の取締役計23人に、489億円を賠償するよう求める訴訟を大阪地裁に起こした。
 株主側は「四日市工場でフェロシルトを製造していた当時工場長だった田村社長や、歴代の代表取締役らは、不法投棄を差し止める責任を負っていた」と主張している。
 フェロシルトは愛知、三重、岐阜、京都の各府県で計約72万トンが違法に埋め立てられ、同社は原状回復費用としてこれまでに489億円を計上している。
 訴えた愛知県愛西市議の吉川三津子さん(52)は「過去に何度も環境犯罪を引き起こしながら反省がない。警鐘を鳴らすために提訴に踏み切った」と話している。(共同)

● 石原産業役員23人に489億円請求=株主提訴「不法投棄で損害」-大阪地裁  時事通信 4月25日 
 土壌埋め戻し材「フェロシルト」の不法投棄事件で、化学メーカー「石原産業」(大阪市)に撤去費用など489億円の損害を負わせたとして、愛知県などの株主3人が24日、田村藤夫社長や元四日市工場副工場長佐藤驍被告=公判中=ら当時の取締役23人を相手に、同額を同社に支払うよう求める訴えを大阪地裁に起こした。
 訴えによると、同社は1998年から2005年、四日市工場でフェロシルトを商品名目で製造。販売価格を上回る費用を支払って業者に「売却」し、業者や転売先が三重県の山林などに不法投棄した。

● フェロシルト不法投棄 「経営陣489億円支払え」 石原産業 株主ら代表訴訟  4月25日 サンケイ
 化学メーカー「石原産業」(大阪市)が三重など1府3県に土壌埋め戻し材「フェロシルト」を不法投棄した事件をめぐり、防止措置などを怠り会社に損害を与えたとして、株主3人が24日、田村藤夫社長ら新旧の取締役23人を相手取り、同社に489億円を賠償するよう求める株主代表訴訟を大阪地裁に起こした。原告側は「コンプライアンスの欠如が事件を招いた。取締役の責任を明らかにしたい」としている。
 訴状によると、同社は平成13年以降、産業廃棄物の廃硫酸を加工し、造成工事で土の代用品に使用できるリサイクル製品としてフェロシルトを販売。しかし、実態は製品と呼べるものではなく、17年4月の生産・販売中止までに、京都や三重などの30カ所以上に計約72万トンが不法投棄された。
 原告らは「取締役は有害性を知り得たのに適切な監視を行わず、不法投棄を防いだり中止したりする措置を怠った」と主張。不法投棄の原状回復費用として同社に少なくとも489億円の損害を与えた、としている。
 事件をめぐっては、廃棄物処理法違反罪で、法人としての同社と元四日市工場副工場長、佐藤驍(たけし)被告(69)らが起訴され、津地裁で公判中。
 石原産業の話「訴状を入手していないのでコメントは差し控える」
(2007/04/25 8:29)



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