選択的夫婦別姓に対する菅内閣の認識に関する質問主意書
選択的夫婦別姓に対する菅内閣の認識に関する質問主意書
政府の男女共同参画会議(議長仙谷由人内閣官房長官)は「選択的夫婦別姓の導入」を第三次男女共同参画基本計画に関する答申に盛り込んだとされる。
そこで、以下のとおり質問する。
一 答申に先立って、福島瑞穂男女共同参画担当相のもとで「選択的夫婦別姓の導入」について、男女共同参画会議は、どのような議論を何時間ほど行ったのか。議事録の分量はどのくらいか。それぞれ具体的に示されたい。
二 答申に先立って、パブリックコメントが約一万三千件寄せられたというが、「選択的夫婦別姓の導入」についての賛否はどうであったか。それぞれの割合を具体的に示されたい。
三 夫婦別姓は、親子別姓家族となる。平成十三年の民間団体の調査では、両親が別姓になったら「嫌だと思う」、「変な感じがする」と都内の中高生の六割が回答した。男女共同参画会議の中で、「選択的夫婦別姓の導入」が家族崩壊につながっていかないか等の意見は出されたか。また、そのような意見は議論全体でどの程度の割合であったか。
四 ファミリーネームがなくなることで、子供の育ちにどのような影響があるか。この点について、男女共同参画会議では、どのような議論があったか、具体的に示されたい。
五 男女共同参画会議では、「選択的夫婦別姓」が社会の基礎単位である結婚制度を弱体化していくのではないかということに対する議論がなされたのか。具体的に示されたい。
六 「仕事上、結婚して氏が変わることで不利をこうむる」という主張があるが、現実には通称使用が現場などで柔軟に認められるケースが増えている。むしろ、そちらを進めていくべきではないか。政府の方針と見解を示されたい。
七 通称使用を認めていない業界とはどのような業界か。政府はどの程度把握しているか。
八 夫婦別姓の夫婦の家族の戸籍はどのような形になるか。政府の方針と見解を示されたい。
右質問する。
●答弁書
●参議院議員山谷えり子君提出選択的夫婦別姓に対する菅内閣の認識に関する質問に対する答弁書
一について
福島瑞穂前内閣府特命担当大臣(男女共同参画)の在任期間である平成二十一年九月十六日から平成二十二年五月二十八日までの間に開催した男女共同参画会議(基本問題・計画専門調査会等を含む。以下同じ。)においては、選択的夫婦別氏制度について、その実現に向けた早期の取組が必要との観点からの様々な意見等が述べられたが、当該意見等に係る発言時間については、それぞれの意見等を述べるのに要した時間を記録していないことからお答えすることは困難である。当該意見等に係る議事録の分量は、およそ四千字である。
二について
平成二十二年四月十六日から同年五月十二日までの間、男女共同参画会議基本問題・計画専門調査会は、「第三次男女共同参画基本計画策定に向けて(中間整理)」に関する意見募集を行った。選択的夫婦別氏制度の導入については、反対の意見が多かったものと認識しているが、提出された意見について個々の施策ごとの件数の集計は行っていないため、お尋ねの「賛否」の割合を具体的にお示しすることは困難である。
三から五までについて
男女共同参画会議においては、選択的夫婦別氏制度について、その実現に向けた早期の取組が必要との観点からの様々な意見等が述べられたが、御指摘の点についての意見は述べられていない。
六について
御指摘のような見解があることは承知している。
七について
お尋ねの「通称使用を認めていない業界」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難である。
八について
氏を異にする夫婦の家族の戸籍の編製については、法務大臣の諮問機関である民事行政審議会からの平成八年一月三十日の答申を踏まえて検討する必要があると考えている。 |