●「ネット選挙解禁」の意外なリスク!リツイートで逮捕の危機
「マイナビウーマン」Update : 2013.07.01
7月の参議院選挙を目前に控え、いよいよ職場や学校、地域も選挙ムードになってきました。そんな今回の参議院選挙で注目を集めていることと言えば“ネット選挙解禁”。しかし、 “ネット選挙解禁”といってもいまいちピンと来ないのも事実。
何ができて、何ができないのか? を知らないと、意外なリスクを負いかねません。今回は、ネット選挙解禁について分かりやすく解説してみたいと思います。
■ネット選挙解禁は“ネット投票が可能”ではない
“ネット選挙が解禁される!”と聞くと、いかにも“ネット投票ができる”と感じてしまいがちです。 現に“ネット選挙解禁”を“ネット投票が可能”と考えている人は予想外に多いようです。
しかし、ここが最大の注意ポイント。
今回の“ネット選挙解禁”とは“ネット投票が可能”を意味していません。
■ネット選挙とは“ネットを利用した選挙運動”
“ネット投票”ができるわけではないのに“ネット選挙解禁”というと何ができるのか? と疑問に持つ方も多いはず。
今回の“ネット選挙解禁”で許されることは、ネットを利用した”選挙運動”ができるということの一点に尽きます。
■これまでは選挙期間中はブログも中断
逆に言えば、これまでネットを利用した選挙運動は公職選挙法で禁じられていました。
選挙運動が解禁される日を“公示日”と言います。 これまで、この“公示日”からは、立候補者はネットを利用した情報発信ができなかったのです。 例えば、ホームページやTwitter、ブログを更新すれば、それは立派な公職選挙法違反になってしまったわけです。
それが今回から許可されるのですから、“ネット選挙解禁”とは、予想以上に大きな変化と言えるのです。
■ネット選挙では何をしてもイイわけではない
しかし、ネットを利用した選挙運動が許可されたとは言え、全てのネット活用ができるわけではありませんから注意が必要です。許可された範囲を超えたネット選挙運動は、もちろん公職選挙法違反で処罰の対象です。
■“ネット選挙”でやってはいけない盲点
(1)電子メール
まず、“やってはいけないネット選挙”の第一は、有権者(支援者)が電子メールで、選挙運動をすることです。「○○候補を当選させるために一票入れてください!」という電子メールを送ることはできないのです。
(2)未成年者のリツィート
そして、“やってはいけないネット選挙”の第二は意外な盲点です。
TwitterなどのSNSで候補者を応援するために、メッセージや情報をリツイートすることは手軽な支援として誰でもが思いつきます。しかし、このリツイートを未成年者がやることは禁じられているのです。 そもそも未成年者の選挙運動は禁止されていますが、リツイートが選挙運動にあたるという見解になるわけです。
初めてのネット選挙では、様々な論点や検討課題が出てきています。
不特定多数に閲覧されている候補者のメッセージのリツイートをした人が未成年者であるかどうかを、どうやって判断するんだ!? という部分などはその典型かもしれませんね。
【参考】
※ インターネット選挙運動解禁に関する情報 ‐ 総務省
●ネット上の「選挙関連情報を見た人」28.8% 参議院選挙にみるネット選挙についてレポート
「マイナビウーマン Update : 2013.07.24
ネット上の「選挙関連情報」「政党・候補者が発信した情報」への接触状況
株式会社電通パブリックリレーションズと東京大学大学院情報学環の橋元良明教授は、共同研究にて実施した「参議院選挙におけるネット選挙解禁が有権者に与える影響について」調査結果を発表した。調査方法はインターネット調査で、対象者は20歳から59歳までの男女、1,523名。対象地域は首都圏(一都六県)。調査実施時期は、第1回調査が公示前の2013年6月29日(土)~30日(日)。第2回調査が選挙後の2013年7月21日(日)20時~22日(月)。
【「ネット選挙解禁」の意外なリスク!リツイートで逮捕の危機】
ネット上にあがった「選挙関連情報を見た人」は28.8%であり、「政党・候補者が発信した情報を見た人」は18.3%だった。
「ネット選挙の解禁」の評価について、全体の59.9%が肯定的と答えた。また「ネット上で政党・候補者が発信した情報を閲覧した人」については74.9%が肯定的であった。
「ネット選挙」解禁への評価
「政党・候補者が発信した情報」への評価と信頼性については、信頼できたと答えたのは、調査対象者全体が10.9%であったのに対し、「ネット上で政党・候補者が発信した情報を閲覧した人」は59.4%だった。
また、テレビが信頼できたと答えたのは、全体では58.5%、「ネット上で政党・候補者が発信した情報を閲覧した人」は71.9%だった。
「政党・候補者が発信した情報」への評価と信頼性、テレビへの評価と信頼性、新聞への評価と信頼性
インターネット上の選挙に関する書き込みについては、Twitterが30.3%と一番多く利用されており、自分のブログへ書き込むケースも19.2%見られた。
インターネット上の選挙に関する書き込み状況 |