昨日、主要テレビ局から電話があった。
「〇〇テレビの〇〇番組担当の〇〇と言います」、と名乗って電話がかかってきて、要件の説明があった。自治体議員の政務活動費の問題。
政務活動費の不正利用が指摘され続けてきているのに、いつまでも、改めない議会、議員たち。
まるで、バレて槍玉に挙がるのを覚悟して待つかのよう・・・
ともかく、先の件とは別だけど、一昨日、一昨年2016年に「大問題になったかの富山市議会の政務活動費」で、またまた問題が明らかになった。しかも、問題が解明されていた対象の期間「2011年度から2015年度の政務活動費」というから、よくもまぁ隠し通した、そんな声が出てしまう。
★≪共同 18日/新たな不正、1000万円超 政活費で元富山市議3人 /富山市議会では16年8月以降、白紙領収書などを使った不正が相次いで発覚。自民党を中心に市議14人が辞職した。不正総額はこれまでに計4千万円を超える≫
・・ということで今日のブログは、その富山市議会の政務活動費の新たな問題のこと、そもそもの経過などをまとめておく。
併せて、そのころに政務活動費の問題について、として共同通信からの依頼原稿を書いたので、関連として再掲しておく。その原稿の中では「詳しく調べれば、どこにでもありそう」と書いておいた。
●富山市議会自民党会派 3人の元市議に新たな不正/チュウリップテレビ 2018年01月18日 18時15分
●新たな不正、1000万円超 政活費で元富山市議3人 /日経〔共同〕2018/1/18 18:18
●<富山市議会の政活費不正>不正取得、新たに1000万円超 自民会派の元市議3人/gooニュース 毎日 20180119
●民意と歩む とやま議会考 政活費不正新たに1000万円 富山市議会自民 /北日本 2018年01月19日 00:25
●受け継がれる不正請求の手口―富山市議会の政活費不正受給は氷山の一角か/政治山 2016年9月15日
●14人が辞職した富山市議会:地方メディア記者たちの闘い/nippon.com 2017.12.28
●富山市議会 > 政務活動費・政務活動費の概要 > 政務活動費
◆「政務活動費」問題で揺れた 富山市議の定例選挙は4月9日から/共同通信配信「識者評論」で各紙が掲載した原稿 「『政務活動費』 ◎使途を限定すべきだ 大都市議会では不要/元岐阜県山県市議 寺町知正」(2017年4月5日のブログから) /配信記事の写真の基本はカラー。ここでは、「10月21日」の北日本新聞の記事を白黒の画像で掲載しておく。新聞社によって、タイトルや配置も異なっていて、それ自体、面白かった。例えば、「他の学者の意見と並置して掲載した新聞」とか、「オピニオン」的に大きな紙面にした新聞とか、社説などのページに、とか・・・
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●富山市議会自民党会派 3人の元市議に新たな不正
チュウリップテレビ 2018年01月18日 18時15分
富山市議会の政務活動費問題ですでに辞職した自民党会派の3人の元市議に、新たな不正受給が見つかりました。
3人は返還を申し出ていて自民党会派は今月25日までに返還したいとしています。
これは、18日自民党会派で政調会長を務める高田重信(たかた・しげのぶ)市議が明らかにしたものです。
高田市議によりますと、政務活動費を不正に受け取って辞職した市田龍一(いちだ・りゅういち)元市議、岡村耕造(おかむら・こうぞう)元市議、谷口寿一(たにぐち・としかず)元市議の3人は2011年度から2015年度の政務活動費で、それぞれが辞職後に自己点検した結果、市政報告会や広報費にかかわる費用で新たに不正受給が見つかり先月、会派に報告したということです。
3人は、会派に返還の意向を伝えたということです。
一方で高田市議は、現在、不正に受け取った金額や件数を精査している最中と説明し不正の内容や総額を明らかにしませんでした。
過去に議長も務めた、市田元市議は、チューリップテレビの取材に対し、返還すべきものは返還すると答え、刑事告発を受けていることから詳しい手続きなどは弁護士に一任していると話しました。
自民党会派は今月25日までに返還したいとしています。
●新たな不正、1000万円超 政活費で元富山市議3人
日経〔共同〕2018/1/18 18:18
富山市議会の政務活動費不正問題で辞職した元自民党市議3人に、新たな不正が見つかったと18日、自民党会派が明らかにした。関係者によると、総額は計1千万円を超えるという。会派は、近く市に返還する方針。
会派などによると、新たな不正を認めたのは、市田龍一元議長と岡村耕造、谷口寿一の両元市議。2011~15年度の政務活動費(名称変更前の政務調査費を含む)のうち、事務費や広報費に計1千万円以上の不正請求があったとして、会派に返還を申し出たという。
会派は、書類を調べるなどして3氏が返還すべき額を精査した上で、市に返納するとしている。
3氏は不正を認め16年9月に議員辞職。市田、谷口両氏は富山県警に告発されており、県警は捜査を進めている。
富山市議会では16年8月以降、白紙領収書などを使った不正が相次いで発覚。自民党を中心に市議14人が辞職した。不正総額はこれまでに計4千万円を超える。
●<富山市議会の政活費不正>不正取得、新たに1000万円超 自民会派の元市議3人 /富山
gooニュース 毎日 20180119
富山市議会の政務活動費不正問題で2016年9月に辞職した自民会派の元市議3人が、自己点検で新たに計1000万円以上の不正取得が見つかったとして、全額返還する意向を示していることが18日、会派関係者らへの取材で分かった。自民会派は精査中で「3人の返還申請額は控えたい」として明らかにしていないが、「25日をめどに返還手続きを済ませたい」としている。【鶴見泰寿】
自民会派によると、3人は元議長の市田龍一氏(63)、岡村耕造氏(67)、谷口寿一氏(54)。2011〜15年度に、実際には開いていない市政報告会の茶菓子代などの名目で不正に取得するなどしたという。3人は16年9月に辞職した後、自己点検し、昨年末、同会派に、別々に返還を申し出たという。
同会派はこれまでに返還した政活費との重複の有無や利息金額を精査しており、25日までに返還する方針。
自民会派政調会長の高田重信市議は「(返還請求権の)時効を過ぎた11年度分は(公選法の)寄付行為となる可能性があるため、返還方法を考えたい」と述べた。
富山市議会の政活費不正問題ではこれまでに、市議会全体で4477万1675円と利息を含め計4976万9935円が返還された。このうち、自民会派は最多の2497万5415円と利息で計2791万8331円。
市田氏はパソコンなどを購入したとする架空の領収書を富山市内の事務用品店に書かせ、政活費を不正受給したことが発覚し辞職。谷口氏は、別の元市議の指示で政活費を不正請求するなどして辞めた。岡村氏は架空の議員視察によって政活費を受け取ったとして辞職した。
市田氏は毎日新聞の取材に「返還については弁護士と自民会派に一任している。返還すべきものは返還したい」と述べた。
●民意と歩む とやま議会考 政活費不正新たに1000万円 富山市議会自民
北日本 2018年01月19日 00:25
富山市議会の政務活動費不正で辞職した自民党会派所属の元市議、市田龍一(63)、岡村耕造(67)、谷口寿一(54)の3氏が、新たに計1千万円余りを返還する意向を会派に示していることが18日、分かった。うち約400万円は谷口氏の分とみられる。会派は金額や使途などを精査し、25日をめどに市に返納するとした。
自民党会派の高田重信政調会長や谷口氏、議会関係者によると、昨年12月上旬ごろに、それぞれ個別に申し入れがあった。返還するのは2011~15年度の政活費の一部で、市政報告会や資料代などで不正や不適切な支出があったとみられる。
11年度分は返還請求権の時効(5年)を過ぎているものの、3氏の意向を受け、会派で返金の方法を検討しているという。
高田氏は18日、会派控室で報道陣に経緯を説明。金額の大きさへの見解を問われ「驚きだ。チェック体制が穴だらけだった」と反省した。ただ、具体的な金額や不正の内容は「しっかりと精査した上で発表する」とし、「言えない」「ノーコメント」と繰り返した。
自民党会派は、15年度の政活費について、自治振興会の負担金や東京在住者との懇親会費用などの使途の一部が市監査委員から不適切と指摘され、自主返還している。他年度も調べており、高田氏は、その結果も合わせて来週公表したいとした。
これまで自民党会派が市に返還した政活費は、計2791万8331円(利息分含む)。
■「反省」「コメント控える」
新たに返還を申し出ている市田龍一、岡村耕造、谷口寿一の3氏は、いずれも2016年に架空請求などの不正が発覚し、議員辞職した。
元議長の市田氏はパソコンなどの購入費の水増し・架空請求に加え、岡村氏とのカラ出張も発覚し、これまでに66万8925円を返金。今回の事案について「返還すべきものは返したい。県警の捜査を受けている最中で、コメントは差し控える」と話した。
元副議長の岡村氏は、市政報告会の費用として実際には購入していない茶菓子代を受給していたほか、市田氏とのカラ出張も認め、57万6136円を返金している。今回の事案は「返還しなければならないと思っていた。反省している」と語った。
谷口氏は中川勇元市議の指示で、偽造された領収書を使って政活費を請求し、実費を差し引いた分を中川氏に渡した。100万5044円を返金しており、取材に「もっと早く返還すべきだったが、遅くなってしまい申し訳なく思っている」とした。
●受け継がれる不正請求の手口―富山市議会の政活費不正受給は氷山の一角か
政治山 2016年9月15日
富山県内で政務活動費(政活費)の不正受給が相次いで発覚しています。政活費といえば、野々村竜太郎元兵庫県議が約913万円をだまし取ったとして7月に詐欺と虚偽有印公文書作成・同行使罪で有罪判決(懲役3年、執行猶予4年)を受けましたが、それ以降も相次ぐ不正発覚は、地方議員の間で組織的に不正の手口が繰り返されてきた実態を示しているようです。
市議報酬アップきっかけに不正が続々発覚
端緒は7月、矢後肇・富山県議が実際には購入していない書籍の領収書を偽造して、2010年度からの4年半で政活費460万円を不正に受け取ったことが発覚し、矢後氏は辞職。その後、富山市議会でも少なくとも5人の自民党市議の不正が発覚しました。自民会派だけでなく、民進党系会派でも2013年度から15年度にかけ、計約1180万円の不正受給が明らかとなりました。
市民団体が詐欺容疑で告発
2014年に野々村元県議の問題が浮上して以降、政活費の報告に領収書添付を義務付ける地方議会が増えましたが、富山市議会では特に対応してきませんでした。逆に6月、世論の厳しい反対の声を押し切り、市議報酬を来春から月10万円増の70万円とする条例改正案が可決されました。これをきっかけに「議員とカネ」への関心が高まる中、矢後氏の不正が発覚しました。さらに県議会自民会派の調査で、他の書店や15年度分を合わせた不正請求額は約480万円と判明し、矢後氏は延滞金を含め約560万円を返還しました。
市民団体「富山県平和運動センター」は9月7日、矢後氏について詐欺容疑などで県警に告発状を提出しました。その後、富山市議会では自民会派の5人が領収書偽造などの不正を認め3人が辞職し、1人が辞職の意思を表明しています。民進党系会派でも不正が明らかになり、2人が辞職願を提出しました。このうちの1人は、不正請求の手口を同会派の元会長(故人)から引き継ぎを受けたと説明しているとの報道があります。
政治とカネに対する不祥事が絶えない中で、「富山市議会の不正請求は、氷山の一角では」という声もあります。各地方議員の政活費の使途については今後、市民団体や第三者機関などのより厳しいチェックが行われると見られます。
東京都でも精査へ
東京都議会の場合、政活費の使われ方については議会局や第三者機関のチェックがあるため地方議会の中でも厳しい監視の下にあると言われますが、都政改革の中で過去に遡って精査する可能性もあります。
小池都知事は自身の報酬を半減して1450万円にする条例案を28日の定例都議会に提出する予定です。現在、都議の年収は、報酬1700万円のほか、政活費が年間720万円支給され、総額は2420万円になります。
都知事1人よりも127人いる都議の年収が各1000万円も多くなってしまう見込みで、都民から出始めている批判を後ろ盾に「都議会のあり方検討会」で、過去の使用実態をオープンにして斬り込むと見られます。 |
●14人が辞職した富山市議会:地方メディア記者たちの闘い
nippon.com 2017.12.28
14人もの議員が辞職した富山市議会の政務活動費不正。これを明るみにした地元のチューリップテレビと北日本新聞の報道に対し、2017年に多くの賞が贈られた。“保守王国”の政治の闇を突き崩した記者たちを取材した。
富山の人々は、自らの県民性を「とにかく真面目で実直」と語る。日本海側では最大の工業集積地で、医薬品、化学などの優良企業が目白押し。富山市から岐阜県高山市を結ぶわずか90キロの沿線から5人のノーベル賞受賞者が生まれ、その国道41号線は「ノーベル街道」ともてはやされている。立山連峰を望む豊かな自然と、強い地域経済。「持ち家率が全国一」「地元就職率がトップクラス」という統計もある。
そんな富山で2016年、その「真面目で実直」というイメージが崩壊するような不祥事が明るみに出た。富山市議会で、政務活動費(政活費、1人最大月15万円支給)を不正に受給していた14人もの議員が相次いで辞職。いずれも地元の記者が情報公開制度を使って支出伝票のコピーを取得し、「領収書のねつ造と改ざん、水増し」を見破って不正を報道したことが引き金となった。
富山市役所展望塔から見た市街(上)と市役所庁舎(左下)、2017年12月開催の市議会本会議(右下)
この一連の報道で、チューリップテレビが日本記者クラブ特別賞、日本ジャーナリスト会議(JCJ)賞、民間放送連盟優秀賞(テレビ番組報道部門)、菊池寛賞など、北日本新聞は新聞協会賞、JCJ賞を受賞した。
深夜まで支出伝票と格闘
2016年7月中旬、チューリップテレビ報道制作局記者の砂沢智史とデスクの宮城克文の2人は、書類の山と格闘していた。目の前に積まれたのは市議40人の13年度の政活費伝票4300枚。「議員たちは何にお金を使っているのか」を洗い出すため5月31日に情報公開を請求したが、40日余り経ってようやくコピーが届いた。
政活費は議会の会派ごとに支出されるため、領収書には支出した議員個人の名前は記されていない。「最初は雲をつかむような作業だと思いながら、伝票をめくっていた」と砂沢は振り返る。チューリップテレビは社員わずか約70人の地方局で、番組の制作・報道を担当するスタッフは20人ほど。2人は通常の仕事が終わる午後8時ごろから作業を始め、日付が変わってから帰宅する毎日を過ごしていた。何が彼らを突き動かしていたのか。宮城は「こんなに物事を隠したまま政治が進んでいいのか。このままでは本当にいけないという思いが強かった」と語る。取材のきっかけは4月にさかのぼる。
支出伝票をチェックする砂沢記者(左)と宮城デスク(チューリップテレビ提供)
たくさんの付箋が付いた支出伝票
強引な手法で議員報酬アップ決める
市議会議長が市長を突然訪問し、議員報酬(月60万円)を10万円程度増額するよう要請した。この時、地元メディアにはわずか20分前に情報が知らされ、市役所の目の前に局舎のあるNHK以外は撮影が間に合わなかった。市長は報酬等審議会に諮問し、5月にわずか2度の会合で「10万円引き上げ」を答申した。審議会は非公開。内部でどのような議論が行われたかもすぐには明らかにされなかった。
北日本新聞の社会部部長デスク、片桐秀夫は「10万円もの報酬アップは庶民感覚とずれているし、あまりに議論が拙速だった」と話す。同社は審議会の議事録を情報公開請求で入手。6月定例会会期中の9日に1ページをまるまる使って全文掲載した。その内容は、反対する委員がいたものの、10万円アップの根拠があいまいなまま多数決で押し切った経過を伝えるものだった。
これと同じ日に、市議会自民党会派会長、中川勇による「取材妨害事件」が発生した。議員控室で取材していた同社の女性記者を怒鳴り、押して倒した上に取材メモを奪った。質問に応じていた議員にも「答えるな」とどう喝したという。この事件は全国ニュースで大きく報じられたが、中川は「控室での取材は会派会長の許可が必要」と主張。メモを奪ったことに対しても「奪ったのではなく、回収しただけ」と意味不明の説明で突っぱねた。
議員報酬の引き上げ条例は6月15日、自民党をはじめとする議員の賛成多数で可決した。
次ページ 市議会の“ドン”の不正をスクープ
・・・(略)・・・ |
●富山市議会 > 10.政務活動費・政務活動費の概要
政務活動費
政務活動費は、地方自治法第100条第14項から第16項までの規定に基づき、市議会議員の調査研究その他の活動に資するための必要な経費の一部として、議会における会派に対し交付するものです。
交付額及び交付期日
会派(所属議員が1人の場合を含む)の所属議員数に150,000円を乗じて得た額を、四半期毎(4月、7月、10月、1月)に、会派へ交付する。
※会派所属議員数に応じた加算制度は、平成29年4月から廃止しました。
経費の範囲/ 会派が行う調査研究、研修、広報、広聴、要請陳情、各種会議への参加等市政の課題及び市民の意思を把握し、市政に反映させる活動その他住民福祉の増進を図るために必要な活動に要する経費
収支報告書等 収支報告書等の閲覧
関係例規等
富山市議会政務活動費の交付に関する条例
富山市議会政務活動費の交付に関する規則
※条例・規則は、富山市例規集をご確認ください。
富山市例規集
富山市議会政務活動費の運用指針(手引き) (1,111kbyte)pdf
※平成29年3月に新たに政務活動費の運用指針を策定しました。
この運用指針は、平成29年4月24日から適用されています。 |
●2017年4月5日のブログ ⇒ ◆「政務活動費」問題で揺れた 富山市議の定例選挙は4月9日から/共同通信配信「識者評論」で各紙が掲載した原稿 「『政務活動費』 ◎使途を限定すべきだ 大都市議会では不要/元岐阜県山県市議 寺町知正」
・・・・ところで、昨年の富山市議会の「政務活動費」問題に関連して、共同通信から「識者評論」というカテゴリーへの寄稿を依頼された。
原稿は2016年10月20日に全国に配信されて、その後、加盟の各地の新聞社が「掲載」したら、その「掲載紙」がある程度は送られてくる。
ともかく、配信原稿を各新聞社の掲載前に「私的なブログ」などに載せたらまずいから、ネットには載せていなかったし、そのことにも触れていなかった。
1カ月も過ぎればネットに載せてもいいだろうと思っていたけれど、今日は、富山の定例市議選を前にその配信原稿を載せることにする。
配信記事の写真の基本はカラー。ここでは、「10月21日」の北日本新聞の記事を白黒の画像で掲載しておく。
新聞社によって、タイトルや配置も異なっていて、それ自体、面白かった。例えば、「他の学者の意見と並置して掲載した新聞」とか、「オピニオン」的に大きな紙面にした新聞とか、社説などのページに、とか・・・ |
視標「政務活動費」
◎使途を限定すべきだ 大都市議会では不要/元岐阜県山県市議 寺町知正

政務活動費をめぐる富山市議らの相次ぐ不正には、あきれる。でも、詳しく調べれば、どこにでもありそうだ。不正の原因の第一は、議会の構造的問題だと思う。
ほとんどの地方議会には、自治体の仕事の分野ごとに、議員が分かれて所属する委員会がある。委員会は必要に応じ、議会の予算を用いて視察や研修を行う。議会全体として、講師を招いて勉強会を開くこともできる。こうした調査研究を活発にしたいなら、予算額を増やすことも可能だ。これがオモテの話。
だが現実には、オモテの活動は少ない。なぜなら、一部の議員たちは「堅苦しいことは嫌」「仲間と好きにしたい」との思いが強いから。それがまかり通るのは、古参議員の求めや多数派の意見で方向性が決まる、議会のウラの構図による。
正式な予算と違って細かく縛られない、議員報酬以外の金が欲しい。個人や、会派という有志の集まりの、自主的活動の経費を出してくれ―。それが政活費の由来ではないか。政活費の支給は実質的に報酬の引き上げである。
実は、日本の議員報酬は外国に比べて多い。しかも、大きな議会ほど高額だ。例えば、富山市議の報酬は月万円、政活費は月万円。これに対し、今春まで私が議員を務めた岐阜県山県市の場合、報酬が月万5千円で、2008年まであった政活費は月1万円。違いは大きい。
都道府県や大都市の議員報酬は十分高額だから、政活費は必要ない。実際、政活費を支給している議会は全自治体の半数ほどだ。いったん制度化した政活費を廃止した議会もある。
政活費がない自治体では、先に述べたように、議会の公費で研修するという、本来の姿を充実させることが不可欠だ。また、私は政党や組織に属さない無党派・市民派の議員として、各地の議員仲間と視察や研修などを自腹でも行ってきた。
一方、中小の市町村の議員報酬は必ずしも高額ではないので、政活費の支給が合理的な面もある。とはいえ、政活費の使い道は、現在より範囲を限定すべきだ。
議員は政治活動をする。しかし、所属政党に関する活動にまで政活費の使途を広げたら、際限がない。自治体の公金だから、その自治体に直接関係のない活動に使ってはならない。政党活動が自費なのは当然だ。
自治体の政策や事業の展開は多様なので、議員が勉強すべき課題も多様である。先進的な自治体の視察などは役に立つ。ただし、視察に伴う宿泊費や飲食費は、交流と称した遊興、ごまかしの温床になっているため、政活費を充てるのは交通費に限るべきだ。
勉強会の参加費や資料代、有権者向けの議会ニュース発行や報告会開催の費用なども、有用な使途といえる。
不正の原因のもう一つは、明らかに倫理観の欠如だ。この対策としては、政治家が有権者に責任を負う立場であることを自覚させる、極めて有効な方法がある。
私は、議員ごとの議会での発言数や公費の使途などを表にまとめ、市全域に配ってきた。このようなことは、議会や行政なら容易にできる。
議員も首長も選挙で当選して職務に就く。制度として選挙前に、議員と首長の公金の使途や額、日ごろの活動などの基礎情報を公表し、有権者に配布することが重要だ。
× ×
てらまち・ともまさ。1953年岐阜県生まれ。岡山大卒。85年に岐阜県高富町(現山県市)議員に初当選。市民団体「くらし・しぜん・いのち岐阜県民ネットワーク」代表。共著に「市民派議員になるための本」。
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