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てらまち・ねっと



 国会が始まって、テレビのニュースに安倍氏の不真面目な答弁の顔が映る。国民、という口先とは裏腹に「国民などテキトウにごまかしておけ」そんな雰囲気が伝わってくると感じるのは偏見か。
 
 ともかく、疑惑の解明が期待されていることが多い安倍周辺。今日は以下を記録。
●森友・加計・準強かん・スパコン・リニア “アベ友五大疑惑”の追及続く/週刊金曜日 2018年01月15日
●野党、スパコン事件で政権追及=安倍首相「週刊誌頼み」と反撃-衆院予算委/時事 2018/01/30
●【森友問題】大幅値引きを迫る音声データ発覚 安倍昭恵氏「喚問」が再燃か/日刊ゲンダイ 2018年01月30日

●NEWSポストセブン2018年01月24日 11:00安倍首相 もう一枚の「悪だくみ写真」と北新地クラブ騒動/週刊ポスト2018年2月2日号
●森友・加計問題、司法の場でも 安倍政権の疑惑、追及始まる/週刊金曜日 2018年01月24日
●東京地検、リニア不正捜査の標的は安倍首相か…官邸、刑事局長に報復人事で対立先鋭化/Business Journal0 2018/01/18 

 なお、今朝の気温は0度あたり。快適にウォーキングできそう。

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●森友・加計・準強かん・スパコン・リニア “アベ友五大疑惑”の追及続く
           週刊金曜日編集部 2018年01月15日  (横田一・ジャーナリスト、12月22日号)
特別国会が12月9日に終わっても、森友・加計学園などの“アベ友疑惑”追及が続いている。13日には民進党の「森友学園・加計学園疑惑調査チーム」(座長は桜井充参院議員)が開かれ、森友学園の国有地格安購入について国土交通省大阪航空局からヒアリング。値引きの根拠となった「ごみ撤去量(算定値)」が実際の100分の1(194トン)にすぎなかったことを認めた。疑惑追及が始まった頃から「値引き額ありきで撤去すべきごみの量を水増ししたのではないか」という疑問が出ていたが、それが裏付けられることになったのだ。

11月28日の予算委員会で疑惑追及の先陣を切った川内博史衆院議員(立憲民主党)も、「森友学園への国有地払下げで財務省が異常なほどの特別扱いをしている実態が明らかになった。真相解明にはほど遠く、疑惑は深まるばかりだった」と特別国会を振り返った。

川内氏が注目した財務省の過去5年間(平成24年度から28年度)の国有地払下げにおける森友学園の特別扱いは、「1売り払い前提の定期借地契約」と「2瑕疵担保責任免除の特約」と「3延納の特約」と「4契約金額の非公開事例」の四つで、それぞれの全体の払い下げ件数は次の通りだ。

(1)1194件中で森友のみ1件
(2)1194件中で森友のみ1件
(3)空港整備勘定を含む1214件中で森友のみ1件
(4)過去4年間の972件中で森友のみ1件

この件数を掛け合わせると、約1兆7000億になるため、森友学園の国有地払下げのような特殊事例が偶然に発生する確率は「1兆7000億分の1」。「天文学的に小さい数字ですから、忖度などの人為的な意向が働いたのは確実です。国有地払下げを検証した会計検査院の報告書についても質問しましたが、値引きの根拠の『ごみ深度』『ごみ混入率』『処分費の単価』について全て確認できないという回答でした」(川内氏)。

安倍首相の妻、昭恵氏が名誉校長だった瑞穂の國記念小學院の森友学園に対して特別扱いが罷り通り、国有財産が不当に安く払い下げられた可能性はきわめて高いといえるのだ。

【注目される野党連携】
他の“アベ友疑惑”でも野党は攻勢を強めている。安倍首相を紹介した『総理』(幻冬舎)の著者・山口敬之氏(元TBSワシントン支局長)をめぐる疑惑については、超党派の「『準強姦事件 逮捕状執行停止問題』を検証する会」(11月21日設立)が伊藤詩織さんからヒアリングをするなど会合を重ねて、1日の法務委員会では柚木道義衆院議員(希望の党)らが野党連携で波状攻撃的な追及をした。

特別国会会期末の5日には東京地検特捜部がスーパーコンピュータ開発ベンチャーのPEZY Computing(ペジー社)の齊藤元章社長ら2名を逮捕。経産省管轄の「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」から補助金約4億3100万円を不正受給した容疑だが、準強かん(準強制性交等)事件の山口氏がペジー社の顧問を務め、官邸近くの高級事務所の賃料も負担してもらっていた。そのため、すぐに“アベ友疑惑”と位置づけられ、6日には希望の党、翌7日には立憲民主党が経産省などの担当者からヒアリングをした。

さらにJR東海が発注したリニア中央新幹線関連工事で、東京地検特捜部が大林組を家宅捜索。容疑は、不正な入札をした偽計業務妨害だった。「JR東海の葛西敬之名誉会長は安倍首相と懇意で、5年間で30兆円の財政投融資の経済対策を安倍政権が発表した時には『両者の蜜月関係の産物ではないか』との見方が流れました」(永田町ウォッチャー)。

森友・加計・準強かん・スパコン・リニアという“アベ友五大疑惑”に対して、先の川内氏は「来年1月からの通常国会で徹底的に追及していく」と強調、「準強かん事件のような超党派がベストだが、合同PTにまで至らなくても議員個人レベルで連携をしていきたい」と意気込む。通常国会冒頭の予算委員会での野党の追及が注目される。
  
●野党、スパコン事件で政権追及=安倍首相「週刊誌頼み」と反撃-衆院予算委
          時事 2018/01/30-19:46
 30日の衆院予算委員会で野党側は、スーパーコンピューター開発会社の助成金詐欺事件などを取り上げ、政権中枢と近いとされた元民放記者との関係を追及した。安倍晋三首相らと利害関係者の「親しさ」が疑惑を増幅した森友学園や加計学園の問題と構図が似ており、野党は色めき立つ。しかし、週刊誌報道を基にした質問は相変わらずで、どこまで切り込めるかは今後の展開次第と言えそうだ。

 「政治家の関与はないのか」。希望の党の今井雅人氏は首相らを再三ただした。
 事件は、スパコン開発会社「ペジーコンピューティング」の社長らが経済産業省所管法人から助成金を詐取したとして、東京地検特捜部に先月逮捕された。首相や麻生太郎副総理兼財務相との親密な関係を指摘された元民放記者がこの会社社長と懇意にしていたとされる。野党は、首相らの意向が役所側に働いた可能性を念頭に質問した。

 これに対し首相は「具体の予算執行は所管大臣に聞いてもらいたい」と答弁を回避。麻生氏は社長の著書を読んで「えらい関心を持った。ぜひ見せてほしいとこちらから申し上げた」と明かした。実際、麻生氏が2016年7月に社長の案内でスパコンを視察したことが理化学研究所のホームページに掲載されている。

 ただ、世耕弘成経済産業相は助成金支給の審査に携わった専門家らに聞き取りをした結果、「現時点で確認できる範囲で政治家の関与はなかった」と援護射撃した。

 ジャーナリストの伊藤詩織さんが元記者から性的暴行を受けたと主張している問題も取り上げられた。伊藤さんによると、警視庁は準強姦(ごうかん)罪で元記者の逮捕状を取得したが、直前になって上層部の指示で取りやめたという。

 希望の柚木道義氏は「元記者が政権中枢に近いから(事件は)もみ消されたとの疑惑がある」と指摘。「元記者が捜査対象だと知っていたか」とたたみ掛けたが、首相は「一般の捜査の状況についていちいち報告を受けることは基本的にない」と否定。元記者との関係を執拗(しつよう)に問われた首相が「週刊誌の報道を基に質問しているのだろうが、直接当たって事実を確かめた上で質問してほしい」と声を荒らげる場面もあった。

●【森友問題】大幅値引きを迫る音声データ発覚 安倍昭恵氏「喚問」が再燃か
                日刊ゲンダイDIGITAL 2018年01月30日 22時35分
2017年度補正予算案の質疑で、国有地払い下げをめぐる森友問題を徹底追及するという
籠池泰典氏が安倍昭恵氏の名前をチラつかせ、値引きを迫る様子を録音した音声が発覚
籠池氏に手渡したとされる「100万円の寄付」ついて昭恵氏は説明するべきと教授は話す
野党手ぐすね 森友問題に新証言で「昭恵氏喚問」再燃必至

 国会は29日から2日間、安倍首相と全閣僚が出席して2017年度補正予算案の質疑に入る。沖縄で相次ぐ米軍ヘリの緊急着陸問題や、過労死法案――など野党は手ぐすねを引いているが、中でも徹底追及するつもりなのが、国有地払い下げをめぐる森友問題だ。

 昨年の通常国会の閉会以降も次から次へと新たな事実が判明している森友問題。つい最近も、籠池泰典前理事長が、森友小学校の名誉校長に就いた安倍首相の妻・昭恵氏の名前をチラつかせ、担当者に国有地の大幅値引きを迫る様子を録音した音声データが発覚した。

〈棟上げの時に首相夫人が来られることになっている。日にちの設定をした。どうするの僕の顔は〉(籠池前理事長)

〈3メートルより下にあるゴミは国が知らなかった事実なので、きっちりやるというストーリーをイメージしている〉(担当者)

 財務省は昨年11月の特別国会で担当者の「ストーリー」発言は事実と認めていたが、音声データによって、あらためて金額について事前交渉していたことが裏付けられた形だ。

 驚くのは、どんどん明らかになっている新事実が、いずれも過去の「籠池発言」と符合していることだ。大阪拘置所で6カ月に及ぶ勾留生活を送っている籠池氏は昨年、報道陣らに対して〈棟上げ式に首相夫人が来られて餅をまくことになっていた〉と説明。この時、政府・与党は籠池氏を「虚言癖のある怪しいオッサン」扱いしていたが、音声データの存在で、「籠池発言」は真実だったことが分かった。

■「籠池発言」は事実だった
・・・(略)・・・

●NEWSポストセブン2018年01月24日 11:00安倍首相 もう一枚の「悪だくみ写真」と北新地クラブ騒動
            週刊ポスト2018年2月2日号
 安倍晋三首相(63)と加計孝太郎(加計学園理事長・66)の私的交流が政界スキャンダルに発展した“発端”は、安倍昭恵夫人(55)がフェイスブックに載せた「悪巧み写真」だった(※)。だが、そうした“悪だくみ”の匂いを漂わせる別の写真が存在することは知られていない。そこに写る人物は「大阪医療界の寵児」として知られる人物である。

【※男たちの悪巧み:昭恵夫人が2015年12月24日、この言葉とともにフェイスブックに投稿した、安倍氏と友人たちとのプライベート写真。左から加計孝太郎氏、高橋精一郎氏、安倍氏を挟んで増岡聡一郎氏。会合は、増岡氏が専務を務める東京駅前の鉄鋼ビルディングで行なわれた】
・・・(略)・・・

◆先代同士の付き合い
 籔本は、大阪では後援会長として元外務副大臣の中山をバックアップしてきた。たとえば2016年12月9日、ホテルニューオータニ大阪「鳳凰の間」で開かれた政治資金パーティ「中山泰秀政経懇談会」には、安倍や細田博之、二階俊博といった自民党の重鎮たちとともに、籔本雅巳も発起人に名を連ねた。自民党大阪府連の幹部が打ち明けてくれた。

「今でこそ見かけませんが籔本さんと中山さんは、連れ立って北新地を飲み歩いている姿をよく見かけました。もう一人、籔本さんの病院建設をしてきた建設業者と3人で派手に飲むので、評判でした。隣の客が高価なワインを飲んでいると、『あれと同じもんをこっちでも開けろ』とやるので、評判がよくなかったけどね」

 昨年12月9日に中之島のリーガロイヤルホテルで開かれたパーティでも、籔本が中山の後援会長として挨拶した。したがって安倍と籔本の結びつきについて、一部では中山がパイプ役になっているという説もある。が、中山の実父で元建設大臣の正暉に聞くと、こう言った。

「籔本さんとは、先代(秀雄)と私が親しくさせてもろてまして支援してもろてます。だからうちは安倍さんとは関係のうて付き合っています」

 一方、元自民党府連代議士秘書はこう言った。

「籔本さん本人によれば、安倍さんとはお父さんの晋太郎さん時代からの付き合いだそうです。先代同士が親しくなり、そこから二代目の雅巳さんと安倍家との交友が始まったそうです」

 その籔本雅巳は、かつて元横綱朝青龍の大阪後援会長としてマスコミを賑わせたこともある。文字どおりのタニマチである。と同時に、自民党の医療政策に乗って急成長を遂げてきた大阪医療界の寵児でもある。

 とりわけアベノミクスがその後押しをしてきた。大阪では橋下・松井の“維新コンビ”で医療・社会保障分野に力を入れ、国家戦略特区構想を推進してきた。そこにも安倍のゴルフ仲間の影がちらつく。

●森友・加計問題、司法の場でも 安倍政権の疑惑、追及始まる
          週刊金曜日編集部2018年01月24日 19:23 
(武田宙大・今治加計獣医学部問題を考える会共同代表、2018年1月12日号)
 愛媛県今治市(菅良二市長)が加計学園(本部・岡山市、加計孝太郎理事長)獣医学部の新設に伴い96億円の補助金を支出するのは違法だとして、今治加計獣医学部問題を考える会(黒川敦彦・武田宙大共同代表)らが公金支出差し止めを求めている訴訟の第1回口頭弁論が、昨年12月20日松山地裁で開かれた。

原告側は96億円の補助金を支出する根拠が不明だとして今治市に対し加計学園の設置する獣医学部校舎・設備の設計図面などの文書提出命令を裁判所に求めた。一方、被告・今治市側は同日、「おって認否する」旨の書面を提出しただけで具体的な答弁をせず出廷すらしなかった。

終了後に愛媛県庁記者クラブで会見した原告側代理人の阪口徳雄弁護士は「10月初めに届いている訴状を2カ月もかかって認否もしないで1回目にこんな陳述をしてくるのは引き伸ばしの戦術だろうが恥ずべき対応だ」と感想を述べた上で「裁判としては今治市の税金の無駄遣いであるということが実質上の争点で、法的には地方自治法232条の2の公益上の必要性があるかになる。

安倍晋三総理が自分の友人に便宜供与を与えるということで安倍氏個人、加計氏個人の利益のためであって公益上の必要がないということを立証していきたい。国家戦略特区の中で安倍氏がどう具体的に関与しているのか、事実に基づいて主張する予定である」と説明した。

今回、訴訟代理人として森友問題解明で有名な阪口徳雄氏(大阪弁護士会)と梓澤和幸氏(東京弁護士会)ら弁護士9人による「加計問題真相解明を求める弁護団」が結成され初公判に臨んだ。

森友・加計問題はいよいよ司法の場で安倍政権の疑惑真相解明と追及が始まった。次回公判は2月28日午後2時半より松山地方裁判所で行なわれる。市民多数の傍聴を希望する。

●東京地検、リニア不正捜査の標的は安倍首相か…官邸、刑事局長に報復人事で対立先鋭化
         Business Journal0 ニコニコニュース 2018/01/18 19:55 
「もう幕引きなのかもしれない」
 新年早々、若手の検察関係者は小声でそう呟いた。些末なものはあったが、安倍晋三首相に対する本格的な汚職疑惑が出たのは、昨年の森友学園問題と、それに続く国家戦略特別区域に指定された愛媛県今治市における加計学園運営の岡山理科大学獣医学部新設計画をめぐる安倍首相の関与だった。森友問題は安倍首相本人というよりも夫人の昭恵氏が主役だったが、結果的には安倍首相夫妻の関与が証明されず下火となった。しかし加計問題は、加計孝太郎理事長が安倍首相と友人だったことから、安倍首相の関与に対する疑惑が大きく膨らんだ。

 同問題では、前川喜平・前文部科学省事務次官が告発者としてクローズアップされ、「総理のご意向」等と書かれた文書の存在を明らかにしたが、7月の国会閉会中審査で加戸守行・前愛媛県知事が「加計学園を招いたのは私」と証言したことで、安倍首相の関与に対する疑惑は薄らいだ。加計問題では、官僚や政治家が安倍首相の意向を“忖度”したという構図が指摘され、「忖度」は「2017ユーキャン新語・ 流行語大賞」にも選ばれた。そして、森友・加計問題を合わせて「モリカケ問題」などとも呼ばれた。

 先の若手検察関係者は、「当初、モリカケ問題は安倍首相の関与まで行けると思ったが、現在では同問題での追及は無理筋と判断されているようだ」という。

 だが、昨年12月、再び政界に検察の追及が及びかねない事件が発生した。世界最先端のスーパーコンピュータを開発していたベンチャー企業PEZY Computing(ペジーコンピューティング)代表の齊藤元章容疑者が、国立研究開発法人から助成金約4億3000万円をだまし取った疑いがあるとして、東京地検特捜部に逮捕されたのだ。

 ペジー社の顧問には、元TBS記者で安倍政権の御用ジャーナリストと揶揄される山口敬之氏が就いていた。ジャーナリストの伊藤詩織さんは、この山口氏から性的暴行を受けたと公表している。一度は山口氏の逮捕状が発付されたが、逮捕直前にその執行が取り止めになっていたと報じられ、政治的圧力を受けた中村格・警視庁刑事部長(当時)による隠蔽の可能性も示唆された。ここでも、安倍首相と近い関係にある山口氏に対する“忖度”があったのではないか、との疑いが持たれた。

 特に、ペジー社の助成金詐欺事件は、東京地検特捜部が乗り出しただけに、「政官ルート」を追及するとの期待が高まった。しかし、「ペジー社事件はあれ以上の広がりは期待できそうにない」(同)という。

●リニア事件
 だが、この事件とほぼ同時期に、「全容を解明できれば、相当に大きな疑獄事件になるかもしれない」(捜査関係者)と見られる、JR東海のリニア中央新幹線関連工事をめぐる不正入札が明るみに出た。

 リニア計画は16年7月の参議院選挙で自民党の選挙公約に盛り込まれ、それを推進したのは安倍首相当人だった。リニア計画は莫大な設備投資が必要になり、さらにJR東海の“ドル箱”である東海道新幹線と競合するため、同社内部でも反対派が多い。しかし、リニア実現に踏み出したのは、安倍首相の選挙公約による「5年間で30兆円の財政投融資」だった。すでに約3兆円の資金が鉄道建設・運輸施設整備支援機構を通じてJR東海に貸し出されている。そして、この安倍政権と同社の強い絆は葛西敬之・名誉会長と安倍首相の人間関係をベースにしている。

 葛西氏は安倍首相の後援組織である「四季の会」の主力メンバーであり、「さくら会」の発起人でもある。東京地検特捜部は、リニア不正入札を足掛かりに、大手ゼネコン→JR東海→葛西名誉会長→安倍首相の側近→安倍首相というルートを想定していたようだ。

●首相官邸vs.東京地検特捜部
 その原動力と見られているのが、東京地検の森本宏・特捜部長、東京地検の山上秀明・次席検事、そして彼らを支える林真琴・法務省刑事局長という布陣だった。黒川弘務・法務事務次官は官房長時代に法案や予算などの根回しの功績から、「安倍首相に近い」といわれており、リニア不正を深掘りすることには消極的な姿勢と見られている。
 
 これには伏線がある。現在の検事総長への登竜門は、法務事務次官と東京高検検事長とされる。事実、直近の検事総長8人中7人が法務事務次官と東京高検検事長の双方を経ている。昨年9月の人事異動では、黒川事務次官が東京高検検事長に転出し、法務事務次官には林刑事局長が就くはずだった。この人事が首相官邸の意向で凍結され、黒川事務次官、林刑事局長とも留任したのだ。これにより、「林刑事局長の検事総長の目はなくなったのでは」といわれた。

 こうした伏線もあり、リニア不正を深掘りに消極的な黒川事務次官に対して、林刑事局長を柱に据えた森本特捜部長、山上次席検事はリニア不正を徹底的に追及すると見られていた。

 しかし、機先を制したのは、やはり首相官邸だった。年も押し迫った昨年12月26日、政府は林刑事局長の名古屋高検検事長への異動を閣議決定した。この日に閣議決定された人事案件はこの1件だけだ。「官邸の見事な反撃だった。完全に気勢を削がれたかたちになった」(同)という。

 林刑事局長の後任には、辻裕教・大臣官房長が就任する。黒川事務次官が安倍首相と近しい間柄になったように、辻官房長も官邸に近いと見られている。もはや、「網呑舟の魚を漏らす」ということなのだろう。
(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)

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