tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

東京ウェーデルン(8)

2007-03-02 19:58:28 | プチ放浪 山道編

ぼくは、丸池に帰ると、ゲレンデで昼食をとった。といっても、朝食に残したカロリーメイトとウイダーインをディパックから取り出し食べたわけだが・・・。ゲレンデにかぎらず、たとえば、家の近所をハイキングしている時など、わざわざ人がこない公園のベンチなどに座って食事をしようとすると、必ずベンチのとなりに人がやって来て座る。ベンチの周りには誰もいなかったにもかかわらず、お弁当の包みを開けたとたん、ベンチの隣を目指して人がやってくるのだ。食事を終えてぼくがベンチを離れると、また元の無人ベンチに戻る。こうして外で食べていると人が寄ってくるのは、人間の原始的な本能から来ている行動とぼくは解釈している。今から1千数百万年~600万年前、アフリカ大陸東側では大地溝帯の形成によって乾燥化が進み、森林が減少してサバンナに変わっていった。その大激動のなかで、森林に残った猿がチンパンジーになり、サバンナに出て行って適応した猿が人類の祖先となったと考えられている(イーストサイド・ストーリー)。もともとの遠いヒト祖先のホモ・エルガスターは樹木生活者で主食は果実であったが、サバンナで主食の変更を余儀なくされたとき、肉食を本格化させたのだ。食物が豊富で外敵から身を守りやすく安全な樹木生活から、食料も乏しく身を守る樹木も無いサバンナに移り住んだ時、猿人達は本能的に集まって採食することで他の動物から襲われる危険を分散させる知恵を身につけたのだろう。つまり、戸外で何かを食べている人がいれば,人がその近くに寄っていくのは人類の遠い記憶の名残から来ているものなのだろうと考えている。

さて、ゲレンデで簡単な食事を終えて、待ち合わせの約束の時間までまだ少し時間があるので、丸池の日本で一番最初にスキーリフトが架けられたというAコースを試してみることにした。ここは焼額よりも人が多く、人ごみをかき分けてコブを攻める必要がある。多少、足が疲労ぎみであるがコブの中を滑るのも問題なさそうだ。まだコブが浅いせいもあるのだろう。一組のカップルが、コブを飛ばしてすべるぼくに対抗してくる。<おまえ そのレベルで何考えてんの?>無視してコースの下から自分の滑ったライン確認する。その後、もう一本滑るためぼくがリフト乗るのを見計らって、リフト沿いでそいつは変なスプレッドを見せ付けてきた。明らかにこっちを意識してる。こんな古いスキーをはいているおじさんに張り合ってどうするんだよと思いつつ、大き目のコブで一休みしているそいつの後を あおりまくった。でも懲りているようには見えない。<時間があったら、容赦しねぞ!>焼額があまりにも気持ち良過ぎたので、すっかり、気持ちだけは若者モードに戻っていた。