11月3日は晴れの特異日。今年も、秋晴れの日になった。
パラグライダーのパイロットライセンスの再挑戦2日目だ。今日はフライトせずにグラハン(グランドハンドリング)で一日を費やすつもりだったが、風速7mの北風の中、リバースのライジングアップに手間取っているとインストラクターからテイクオフの場所に呼ばれた。何がなんだか判らないまま大勢のクラブメンバーたちが僕を取り囲み、インストラクターの前に括り付けられていきなりのタンデムフライト。インストラクターがライズアップしたキャノピーを見上げると、さすがにタンデム用はでかい。
一日中、グラハンのつもりだったから、今日はマイ機材を持って行かなかったのだが、このタンデムフライトでそれを後悔した。
スクール用の機材は個人の体型に合わせて調整したハーネスじゃないので、フライト中のポジションが決まらない。つまり、レッグベルトでハーネスにぶら下がっている状態で僕は飛び出していた。なんとか体勢を維持しようと腹筋を使ってがんばるが、不自然な格好で飛んでいたため非常に辛く苦しいフライトだった。飛んでいたのは斜面の上昇気流を利用してのリッジソワリング。時間にして15分ぐらいだろうか。テイクオフしてすぐにハンドルを渡され、フライトの後半はインストラクターの指示に従ってブレークコードを操作した。普通ならワクワクするようなフライトのはずが、とにかく、ハーネスから落っこちそうな状態で飛んでいたため、楽しむような余裕すらなかった。
やはり、いくらレッスンとは言えマイ機材の方を持っていくべきだった。
午後は風もややおさまり、ライジングアップしたキャノピーが安定すればそのままフライトへ。無線の指示で何本かフライト(ぶっとび)を楽しむ。あいかわらず、スクール用のハーネスでは正しいポジションを取るのに苦労したのだが、空中に飛び出すや思い切ってハンドルから手を離し、両手で腰の位置に修正することで正しいポジションにつくことがができた。でも、その間はまったくコントロールせずに空中を滑空しているわけで考えてみれば怖い。
時折強く吹く風に煽られて、何人かのフライヤーがスタチンして木にキャノピーを引っ掛けてしまった。フライトシューズをまだ持っていない僕は、足首の動きの容易いテニスシューズを履いていたので、木の上に登ってキャノピーを引き上げてあげる。スタチンした先輩フライヤーたちに感謝されると、少しはパイロットに近づけたかなと嬉しくなってしまう。
ランディングの時にテニスシューズでは足首が固定されていないため、下手をすると捻挫しやすい。だから、フライトシューズを買うことにした。教官に勧められるままに彼のシューズと同じドイツ製のものが欲しかったのだが、僕のサイズのものは在庫がないらしい。それで、イタリア製のケイランドを注文。クラブハウスに戻り、フライトログをつけてたら、インストラクターからA級合格を告げられた。いよいよ、次回からは本格的なパイロットライセンス取得のためのレッスンが始まる。これからの時期は安定した北風が期待できる、次回のフライトが楽しみだ。