【撮影地】神奈川県鎌倉市稲村ヶ崎(2009.2月撮影)
Copyrights© 2005-2009 TETUJIN
all rights reserved
自転車にサーフボードを乗せてサーファーが帰っていく。もう日は傾きつつあり、やがてやってくるサンセット。
七里ヶ浜から砂浜を東へ歩いていくと、いつの間にかそこは稲村ヶ崎。振り返れば、”江ノ島が遠くにぼんやり見えている”(桑田圭祐 夏をあきらめて)より。
空のトビも、海のサーファーもまばらに。。
目の前にある小高い岬は、「鎌倉海浜公園」。ここの展望台から見える景色は絶大。江ノ島からここまでの海岸線が一望できる。
湾曲した砂浜は広大。海岸線を見つめる多くの人からため息を奪うのは、逆光となる午後の日差しが、美しさを愛でる人の声をシルエットに変えてしまうからなのかも知れない。
大勢のカメラマンが、夕日を反射して赤く染まる富士山を待っていた。だが、日が落ちるまでには、まだ時間がある。
フォトグラファーなら、七里ヶ浜と赤富士の構図をねらって、日没までここ稲村ヶ崎で待つのが当たり前だろう。事実、カメラを抱えた数十人の人が、思い思いに場所を取って、日没をまっている。なんといっても、日曜日のこの日、午前中に強い風が吹き、空の雲を取っ払ってくれて富士山がきれいに見えているのだから。
だが、ぼくは後ろ髪をひかれる思いで稲村ヶ崎を後にした。きっと、大勢のカメラマンたちと一緒に赤富士の写真を撮らなかったことを後悔することになるだろうと思いながら・・・。
でもそれ以上に、今日は、夕刻の御成通りにこの身をおきたかったのだ。道行く人々に背中を押されながら、鎌倉の生活のにおいを感じていたかった。
夕刻の稲村ヶ崎は、いつもの散歩コース。また来れる。天気のいい日に、また来ます。
夕暮れの御成通りにたたずんでいると、どこからか、小さな天使(tiny angel)のつぶやきが聞こえた。
2月の鎌倉。梅の花の写真も、大勢の人がブログにあげているねと・・・。
きっとぼくは、だれも撮らない風景を求めて、人が立ち止まることのない場末の街角を選んで、これから旅をすることになるのかもしれない。人の流れに逆らって歩み続ける放浪の人生。
「かふして私は堕ちていくのだらうか・・・」
気に入った写真や記事がありましたら応援のクリックよろしくお願いします。
にほんブログ村