【撮影地】石川県輪島市河井町朝市通り(2009.2月撮影)
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能登半島を北上する普通列車。金沢5:39発七尾行き。列車は、夜明け前から、人々が活動を始める早朝までのドラマを垣間見せてくれる。七尾駅で能登鉄道線の列車へ乗り換え、穴水へ。そして路線バスでいよいよ輪島へ。朝市。
列車の中は暑かった。まるで、真冬の日本から、南国へでも来たかのよう。ぼくはTシャツ1枚で、早朝の列車の座席に一人で座っていた。この時期、三寒四温というが、ちょうど、天気の移り変わりのとき。強い南東の風をもたらした低気圧が北海道に抜け、昨日、ぐずついた天気は、急速に回復に向かった。
南東から吹く風は、ここ金沢の地に4月上旬の暖かさをもたらした。兼六園に雪は無く、ロープでくくられた木々の枝がみょうに哀れだった。それでも、あの厳重な雪吊りを見ると、この土地の雪の深さがわかる。
夜はなかなか明けない。6両建ての列車は、駅につくたびに1~2人の乗客の乗り降りがある。ぼくが乗った車両には、制服を来た地元の高校生が何人か乗ってきたものの、降りる客も何人かいて、結局は始発の金沢からずーっと2~3人という具合だった。
車両はまるで蒸し風呂のようだ。ダウンジャケットは、駅まで歩いてくるうちに脱ぎ去っていた。フリースのジャケットも脱いで、コットンシャツとTシャツの2枚。それでも、汗が吹き出てくる。それで、とうとう、Tシャツ1枚に。。
<体調を崩しそうだな・・・>
実際、この時期、雪国を旅すると、新幹線や在来線列車、ホテルの客室といった暖房の効いた空間から一歩外に出ると、厳しい寒さにさらされる。この温度差に体が参ってしまうことがある。人は確かに、真冬でもTシャツ1枚で過ごせる快適さを手に入れたのだが、その一方で、とてつもない不条理に苦しむことになってしまった。
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