tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

冬枯れの白川郷(4)

2009-03-12 23:29:48 | プチ放浪 山道編

 
 
 
 

【撮影地】富山県南砺市相倉(2009.2月撮影)
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萩町城跡から降り、ライトアップされた家々を巡って、観光客の流れに乗って集落の小道をぶらりと歩いたのだが、どうしても違和感は消えなかった。テーマパークとすれば華やかで、確かに美しい場所かもしれない。しかし、ぼくが求めていたものとは違う。
ぼくは、何が違うのか具体的に答えを出せないまま、白川郷を後にすることにした。明朝、早くにまた来よう。強烈な人工的灯りが無くなれば、ぼくが何を白川郷に求めていたのかわかるような気がしたのだ。
翌朝、夜も明けきらないうちに、白川郷へ到着。まだ、あたりは暗く、道行く観光客など一人もいない。
徐々に夜が明けてきて、まわりには朝霧が立ちこめていた。ぶらりと集落を一周。夜がすっかり明けきると、人々が起き出して朝の仕事を始めだした。道ですれちがう人々に挨拶をする。早朝のバス停で、バスを高校生の男の子が待っていた。そこに確かな山里での生活があった。
ぼくはやや満足した気がして、白川郷を後にすることにした。駐車場で車に乗り込むときに最後に振り返って見た集落。3軒ならんだ合掌造りの家から、朝の支度をする煙が煙突から出ているのが見えた。民家から白く立ち昇る生活の証。これだった。ぼくが求めていたものは。ぼくはその景色を脳裏に深く刻み込んだ。

白川郷を後にして、富山県側に入って、五箇山・相倉合掌集落にも寄った。店ひとつない、静かな合掌の里がぼくを待っていた。そこにも、郷愁をそそるような生活する人々のにおいがあった。そう、都会では絶対に見ることができないもの。。

目に見える情報や出来事ばかりを追いかけていると、見えないものについて考えるゆとりがなくなるような気がする。これからも、見知らぬ土地の聴覚、嗅覚、肌触りを求めてぶらり歩いてみたい。


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コメント (4)
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