【撮影地】岐阜県大野郡白川村(2009.2月撮影)
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30年ごとの茅葺きの屋根の葺き替えには、多くの人手が必要で多大な費用がかかる。こうしたことや、山里の不便さから、1960年代のダムの建設をきっかけに集団離村があり、岐阜県(飛騨国)内の庄川流域の山里の集落は次々と姿を消していった。この白川村萩町集落は、「日本の良き文化遺産をなくしてはいけない」と、伝承家屋を守りながら観光立村への取り組みを行い、ついに1995年にはユネスコの世界文化遺産に登録されるに至った。
しかし、世界文化遺産の集落に住民が実際に住んでいるがゆえに、文化遺産を保護する上で多くの問題も生じているのも事実だ。時代による価値観の変化や、生活スタイルの変化によって、暮らしの風土は変化せざるを得ない。また、文化遺産ということで観光客が増えて、多くの自家用車が乗り入れたり、観光客が生み出すゴミ等の様々な問題が発生する。世界文化遺産白川郷にかぎらず、自然や景観を守ることと、観光客誘致とを両立させるのは難しいことだ。観光に力を入れば、自然はほったらかしなる。景観は崩れていかざるを得ない。白川郷の美しい風景は、いまのところ、住民の大きな努力と犠牲のうえになんとか守られている。
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