バヌアツは、西にオーストラリア、北にソロモン諸島、東にフィジー、南にフランス海外領土のニューカレドニアがある南太平洋上の島国。なんとツアー旅行での日本人渡航者は年間に百数十人程度しかいないのだとか。
小学生のころ、「天国に一番近い島(1966年、森村桂」を読んで、ニューカレドニアにあこがれたものだった。まだ海外旅行自体が自由にできなかった頃に書かれた本だ。
花が咲き乱れ果実がたわわに実る夢の島、神様にいつでも逢える島。働かなくてもいいし、猛獣や虫もいない島。
今のニューカレドニアには、森村佳氏が見た景色は恐らくない。すべてが近代化・観光地化されており、言葉が違うだけでアジアンリゾートとたいして変わりはないような気がする。
一方、ニューカレドニアから飛行機で約1時間の小さな国バヌアツ。首都のあるエファテ島でも、車で1時間も走れば電気も水道もない海辺の村。森村佳氏がトイレに行こうとして、現地の子供たちに付きまとわれた世界が待ってる。
・・・天国に一番近い島、見っけ。。
まぶしい光が海の面を照らし、海からの風が吹き抜ける。
南太平洋のプティ・パリ、ヌメア。市街地は徒歩で十分歩き回れる規模。
「海をね、丸木舟をこいで、ずうっとずうっと行くんだ。するとね、地球の、もう先っぽのところに、まっ白な、サンゴで出来た小さな島が一つあるんだよ。それは、神様のいる天国からいちばん近い島だ」 森村桂 天国に一番近い島
そんなことを父親から教わり育った森村さん。出版社に何とか就職した彼女は、編集長から東京鉱業の鉱石運搬船が通っているニューカレドニアの話を聞く。
潜在意識が掘り起こされる必然の出会い。synchronicity。
ぼくがここに来たのも運命だったような気もする。
「天国に一番近い島」のネーミングから、のんびりとした島でカルチャー・ギャップに日本の婦女子たちが、あれやこれやと右往左往しまくるというイメージのニューカレドニアだが、実は持久系アスリートのスポーツ天国。
超有名なダイビングを別にして、1983年から始まったマラソン大会、先日、開催されてた第34回国際トライアスロン大会などのほか、島の各地で自然や地形を生かしたロードレース、トレイルランニングやアドベンチャーレースなどが頻繁に開催されているようだ。
国際トライアスロン大会が開かれていたアンスバータビーチは、白砂に椰子の木が続く、ヌメアの代表的な観光地。海辺の反対側にはホテルやレストランが目の前。
トライアスロンレースには10カ国以上からの参加があり、エリート部門には世界の一流選手が参加してるらしい。
もっとも、部門が変わればお気軽参加組もたくさんいるようで、ロードレーサーでなくMTBやクロスバイクで参戦。レースの写真を撮ってるとキメのポーズを見せてくれたりする。
大会はオフィシャルによれば、水泳1500m、自転車40km、ランニング10km、の総距離51.5km(オリンピックディスタンス)らしい。フランス語なので確信はもてないが。。
アンスバータビーチをスタートし、沖に設置されたブイを右に海岸沿いに泳いでまたブイを右に曲がり、そしてスタートにあるブイに戻る750mを2周。水から上がるとシャワーをくぐり、トランジッションエリアからそれぞれの自転車ラックへ。そして、海岸沿いのコースを3周回、爆走。 ただし、ドラフティングルールがあり、前走者との間隔は7mのようだ。
ランニングは、これも海岸沿いの往復2.5kmのコースを4往復。
・・・まさに鉄人たちっすね。なぜかライバル意識が(爆。
エアバス320Aに8時間揺られ、着いた先は夜中のヌメア。天国に一番近い島だ。
翌朝、6時にセットした目覚ましに起こされ、ホテルの部屋のカーテンを開けると目の前はプール。夜は完全に明けている。雨期の名残を受け、うす雲が空全体を覆い、気温は25℃ぐらい。ひと泳ぎにはまだ早い。
トランジットのヌメアで行われていたのが、トライアスロンの国際大会。いくつかのクラスがあるのだろう。100人以上のアスリートたちが速さを競っていた。
トライアスロンの大会を生で観るのは初めて。ミラーレスにでかいレンズをつけて写真を撮っていると、報道関係者と勘違いしてか、大会会場のどこでも通してくれる。
それにしても、筋肉質の締まった体が並ぶ。自分を嫌というほど日々、鍛え上げている人々だ。ローカルの人たちも幾人かは混ざってるようだが、ほとんどがアングロサクソン系。彼らは基本的にエスな人たちかも。
このツアーで一緒になった人たちも、サーファーをはじめ、みんなアスリートのような均整がとれた体つきをしている。今晩の便でバヌアツに渡り、明日から強化合宿のような乗馬ツアーが始まる。・・・落ちこぼれ必至だ。
連休が明け、令和の日常がはじまった。
朝の出勤電車は始発に近い早朝の時間帯なのに、普段の日よりも人が多い。ストレスに耐える日々がまた始まる。
ネット・ュースでは大型連休の悪い点をあげつらった記事が目立つ。それを書いている著者は、自分はいつでも休める職場であると断りつつ、みんなが一斉に休むことの非合理性を説いている。・・・いつでも休める人に、欧米人並みの休暇を願う日本庶民の気持ちなど分かりっこないと思う。
少子高齢化、経済停滞、外国人労働者をめぐる社会の多様化。。
早急になんとかしなけりゃならない令和の課題。みんなで考えて、よりいい知恵を出して行きましょか。