動物たちが人間のように暮らす“楽園”、ズートピア--誰もが夢を叶えられる、人間も顔負けの超ハイテク文明社会。だが、あらゆる種類の動物たちが平和に共存するこの理想の大都会に、いま史上最大の危機が訪れていた。(公式サイトより) |
+++++ +++++
公開前から話題のディズニー最新作、「ズートピア」である。
ウサギの警察官ジュディー、キツネの詐欺師ニック。2人をはじめとする登場キャラクターたちは動物の姿をしている。だけど彼らの生きている社会は人間社会そのもの。そんなものがたり世界である。
ディズニー作品では人間以外の生物・キャラクターに、個々の人間や人間社会を投影してメッセージ性を持たせるものがある。
「ファインディング・ニモ」の主人公ニモ。
彼は生まれつき片方のヒレが小さい。
「シュガー・ラッシュ」のヒロインヴァネロペ。
彼女はバグのあるプログラムである。
それぞれが何をシンボライズしているか。言わずもがなである。では、ズートピアとその住人たちは何をシンボライズしているのか。
ズートピア史上最大の危機とは。
大都会ズートピアに仕掛けられた恐るべき陰謀とは。
書きたいけど、書いちゃダメだなあ。。。
+++++ +++++
サイズの小さいジュディー。半人前あつかいしかされない。
くじけそうになりながらも、夢を信じて諦めずに進み続ければ、きっと世界は変わる。そう考えている。
そんな彼女が、肉食動物と草食動物が共存するズートピアの安寧を破壊しかねない陰謀に対峙する。その陰謀にどう立ち向かうか。
+++++ +++++
ストーリー以外のところ。
絵がすさまじくきれい。
きれいさの表現として、「すさまじく」は適切ではないと思うが、とにかくきれいさが半端ではない。「シュガー・ラッシュ」「モンスター・ユニバーシティー」を見た時と似通った印象をうけた。2Dで見たのだが、立体感奥行き感もある。3Dで見るともっとすごいかもしれない。
人間らしく見えすぎる。
主人公のジュディー(CV:上戸彩さん)を含めて、人間らしく見えすぎる。
4年前「メリダとおそろしの森」を見た後、僕はこんなことを書いている。
ネットを見ると、主人公メリダの声をAKB48の大島優子さんがすることに、批判があるようだ。僕は2D・吹き替え版で見たのだが、大島さんの声・お芝居に特に問題は感じなかった。ただ、自分の婿選びの競技会のシーンの、『私はメリダ...』のセリフは、影像と比較すると、セリフの文字数不足。また、『お母様』というせりふがやや多いと思った。でも、これは大島さんの責任ではないだろう。
僕はCVが大島優子さんであることよりも、メリダの口の動きが、日本語に明らかに合わないことの方が気になった。(以下略)
ズートピアの住人は、人間社会を投影した動物たち。今回は「メリダ」の時のようなことは感じなかった。でも、ジュディーがズートピアに旅立つシーン他何ヶ所か、不思議な感じがした。家に帰ってきて気づいたのは、ズートピアの住人は、アメリカ人だということだと思う。やっぱり吹き替えた言語は日本語でも、ふるまい(Body Language)は日本人のそれとはちがう。言語とふるまいの微妙な差違を、僕は不思議に感じたのだと思う。
間違えてもらっては困るが、これは批判ではない。
ジュディーの相棒のニックについて。
オリエンタルラジオの藤森さんに見えた。
日本版主題歌「トライ・エヴリシング」について。
エンドロールでオリジナルもかかるのだが、日本語版はDream Amiによる。二人の声質はにている。
Dream Amiさんは知っているが、Dreamはあのavex dream 2000のdreamだったのは、知らなかった。
現地仕様について。
日本で公開されるディズニー映画の「現地仕様」については、これまでにも書いたことがあった。吹き替えはもちろんそうだし、映像の中の日本語もそう。
本作は日本版のキャラクターもいる。
+++++ +++++
ズートピアの住人は肉食動物10%、草食動物90%という設定だ。前者に仕掛けられた陰謀。本作の裏設定は、人種差別にも見える。
タイトルは「Zoo」+「Utopia」(トマス・モアの「ユートピア」)の合成語。動物たちが生きる社会なのにAnimaltopiaではない。単語の意味として、「Zoo」は管理のにおいがするし、「Utopia」も、含まれる意味は「素晴らしく良い場所であるがどこにもない場所」なので、なかなかある種の皮肉が込められていると思う。
ズートピア、本作はよくよく見ると深いと思う。
☆4コは確実である。