「どこでも」っていったら、DOORしか思い浮かばない人間は、もう古い。
富士常葉(とこは)大(静岡県富士市)は、現在受け付け中の環境防災学部のアドミッション・オフィス(AO)入試で、面接官が受験生の高校に出向いて面接試験をする「どこでもAO入試」を導入した。新聞で読んだのだが、来るところまで来た感じがした。
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文科省:
試験として機能していれば問題はないが、面接官が個別に(受験生のところへ)行くのは、聞いたことがない。
富士常葉大学大入試広報課:
「どこでもAO入試」はインターネットでエントリーする。その後、電子メールやファクスなどで受験生の意思を確認しながら、面接日時を決定。受験生の正式出願を受けて、在籍(出身)高校で面接試験を実施する。AO入試のエントリーは7月上旬から受け付けている。すでにエントリーのあった約20人のうち富山県と沖縄県の高校生2人が「どこでもAO入試」を利用する可能性がある。
「環境防災は特殊な分野なので、高校生の理解・認知が得られにくい。この学部を地域だけでなく、全国にアピールしたかった」
この大学は2000年に設立。環境防災学部は防災のリーダー育成などを目的にしているそうだ。
大手予備校:
必ずどこかがやると思った。今後はほかの大学もやるのではないか。高校生が大学側を呼びつけているわけで、これまでの主、客が完全に逆転している。
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毎日新聞高山純二記者(8月19日)のレポートだが、すっごい話しだなあと思う。
でも、ちょっと待てよと思ったことが一つある。それは、受験会場が、「在籍(出身)高校」だということ。こんなこと本当にできるんだろうか。
どこの都道府県でもそうだと思うけど、学校の施設を外部のもの(各種検定団体など)に使わせる場合、結構手間がかかるのである。使用したい団体が校長に申請し、学校管理者(教育委員会)の許可をもらわなければならないのだ。入試で使うとなれば、短時間だし、在校生だからいいじゃんかとは、ならない。通常の検定試験よりも、僕たち公務員組織・学校関係者はピリピリする。それから、大手予備校さんの言うように、我も我もと大学が同じことを始められたら収拾がつかない。なお、施設使用は原則有料になる。
現役ならばよくて、卒業生はダメとも言えないし。。。 この大学が思っているほど、実はそれほど簡単なことにはならないような気がする。記事にもあったように、富山県と沖縄県の高校生が通っている学校、ひょっとすると困っているんじゃないかな。
9月、新学期になっていきなり、『先生、自分富士常葉大学の「どこでもAO入試」に出願したんですけど、学校が試験会場になります』なんていわれたら、かなり大変である。