Barack Obamaさんはイリノイ州選出の前上院議員である。彼はアフリカ系アメリカ人(African-American:「黒人」)初のアメリカ合衆国大統領になる人である。
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アメリカ合衆国憲法によれば、アメリカ合衆国大統領になる(大統領選挙の被選挙権)ためには、以下の条件をすべて満たさなければならない。
- 年齢が35歳以上であること。
- 国内への在留期間が14年以上であること。
- 出生によるアメリカ合衆国市民権保持者(合衆国市民の両親が海外で出産した子は対象となる)であること、または制憲当時に合衆国市民であった者。
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駐日アメリカ合衆国大使館のサイトに日本語訳が掲出されている。
アメリカ合衆国憲法第2条(5)
何人も、出生による合衆国市民あるいはこの憲法確定時に合衆国市民でなければ、大統領となることはできない。35歳に達しない者、また14年以上合衆国の住民でない者は、大統領となることはできない。
現行憲法では移民は大統領にはなれないのである。自分の国籍が元々はアメリカ人でなく、後にアメリカ人になった者ではだめなのだ。日本では衆議院議員になるための条件は、年齢と国籍だけである。外国籍でも日本国籍になれば、選挙に出られるし、現状では考えられないことだが、理屈で言えば総理大臣にもなれる。
今から10年以上前、スタローンがデモリションマンという映画を作った。映画の中のセリフで、過去からよみがえった主人公が、今の大統領はシュワルツェネッガーなのかと驚くシーンがあったが、少なくとも現行アメリカ合衆国憲法でこれはない。彼は移民(1世)である。
僕は、オバマさんのすごいところは、厳密な意味でのアフリカン・アメリカンでないのに、彼らの支持だけではなく、それ以外の「人種」の人たちの支持も受けられたことなのかもしれない。そんなことを考えていたのだが、それ以外でも2代目であることも、すごいことなのかもしれない。最近そんな気がしてきている。
お父さんが移民だった大統領っているのだろうか。お父さんが外国籍だった大統領っているのだろうか。
そんなことを考えて、自分がリアルタイムで見た記憶のある大統領について、大統領記念図書館のウェブサイトや英語版Wikipediaで調べてみた。
ジョージ・ブッシュ現大統領:
お父さんが大統領。お爺さんは上院議員。
ビル・クリントン前大統領:
お父さんは普通の人、お爺さんは農家。
ジョージブッシュ元大統領:
現大統領のパパ。調べてみたら、お爺さんのお爺さんまで家系が判明している。
ロナルド・レーガン元大統領:
お爺さんの代まではわかっている。スコットランド系アメリカ人。
ジミー・カーター元大統領:
初めて病院で生まれた大統領。ひいお爺さんが南北戦争当時南軍で二等兵だったというのだから、古い家系なのは間違いない。
ジェラルド・フォード元大統領:
お爺さんのことまではわかる。
リチャード・ニクソン元大統領:
お爺さんのことまではわかる。
こうやってみると、大統領になった人の、少なくともお父さんお母さんはアメリカ人である。少なくとも移民の孫の代になれば大統領が出る可能性がある。でも、オバマさんは違う。アメリカはやっぱりいろいろあっても、すごい可能性を秘めている。自分のこどもがMr. Presidentになる。2代目でも大統領になれる国なのだ。
ヘンにアメリカ賛美ではないつもり。なんだかよくまとまらないね。