【オリンピックと行政・政治】
安倍晋三首相は13日午前、2020年夏季五輪の東京開催に向け、「東京オリンピック・パラリンピック担当相」を新設、下村博文文部科学相を任命した。
同日の官房長官記者会見で管長官は以下のように述べている。
東京オリンピック・パラリンピック担当大臣の発令について
東京オリンンピック・パラリンピック担当大臣の発令について申し上げます。2020年オリンピック・パラリンピック東京大会の円滑な準備に資するために、各府省庁の取組を一元的に把握し、政府全体の総合調整を行う必要があることから、本日付で下村大臣に東京オリンピック・パラリンピック担当大臣をお願いをすることといたしました。(13日午前の管官房長官記者会見)
政府全体ということは、基本的には全府省庁で関係ないところはないということだ。
・・・大変である。
早速官報を読んでみようと思ったが、14日~16日は休刊。18日現在未掲載である。
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下村大臣は文部科学大臣としての職務、いわゆるスポーツ・学校体育は本来業務である。それに加えて、「文科省外の仕事」を含めて、東京オリンピック・パラリンピックを成功させるための業務の総合調整をする。下村大臣が霞ヶ関を駆け回るわけではないが、することになる。
各業務には、現在それぞれの仕事をしている担当職員がいる。その人たちの仕事がオリンピック・パラリンピックに関わる場合、それも指揮・監督・助言する。総合調整するわけだから。
大臣の仕事を助ける役割の政治家である副大臣、政務官。法改正をしない限り、その数は増やせない。大臣も役所の職員も、仕事の絶対量は間違いなく増える。さて、どうなるのだろうか。
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なお、NHKのニューによれば、昭和39年(1964年)の東京オリンピックと、昭和47年(1972年)の冬季札幌オリンピックでも設けられたが、任命されたのはいずれも開催が決まってから2年半から3年後とのことだ。今回はずいぶんはやい。
現在、いわゆる競技スポーツ・学校体育は文部科学省、リハビリテーション等障害者スポーツは厚生労働省の所管である。これが平成26年度から文部科学省に一元化とのこと。括りとしては、競技スポーツ・学校体育になるのだろうか。ただ、リハビリとしてのスポーツ(的)なことの研究、実践は、医療分野の仕事でもある。文科・厚労両省の仕事が、ようかんでも切るようにさっくり切り分けられるはちょっと困りもの。間違えて切り落としてはいけない物を切り落とすようではいけない。競技スポーツ・学校体育以外のことも忘れてはいけないことなのだと思う。
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マスコミはなんと省略すのだろう。「下村五輪・パラリン大臣」だろうか。まさか、「下村五輪大臣」ではないだろうな。