4月21日のエントリ、「恩納村立小中学校&幼稚園」では取り上げなかったのだが、工事現場におもしろい(興味深い)表示があった。
学校の工事でも、住宅の工事でも、工事現場には工事の概要を伝える看板がある。恩納村立小中学校にも、「恩納村立恩納小中学校校舎改築工事」という看板があった。気になったのは、その看板ではなく、その脇の小さな看板である。
「沖縄県赤土等流出防止条例に係わる表示」
どんな条例なんだろう?その時興味を持った。
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ちょっと調べてみようと思って、沖縄県のウェブサイトのサイト内検索をかけてみた。すぐ見つかった。正式には沖縄県条例第36号・沖縄県赤土等流出防止条例といい、平成7年に制定されている。前文が印象的な条例だ。以下引用する。
本県は、 島しょ県であるがゆえに、その歴史と文化、そして日々の県民生活が、海との多様なかかわりのなかで、その限りない恵沢に培われ、育まれてきた。
しかしながら、近年の諸開発に伴う赤土等の流出は、サンゴ礁の美しい海や河川を汚濁して、そこに生息する生物たちの営みに影響を与え、また、自然と私たちとのかけがえのない交流の場を損ないつつあり、今日、有限の地球環境に対する自覚と配慮が強く求められているなかで、新たな局面を迎えている。
私たちは今こそ、我々もまた自然界の一員であるとの認識に立ち返り、日々の生活や行動をとおして、自然との共生の道を模索し、つくり出すことこそが、わが県の将来にわたる繁栄と発展を導くものであり、また、地球にやさしい持続可能な開発を約束するものであることを認識しなければならない。そして、その認識の上に、私たちの先人から引き継がれてきた美しいサンゴ礁の海や、清らかな河川を、かけがえのない人類共通の遺産として、その恩恵が現在及び将来の世代に享受できるように、最善の努力を払う必要がある。
ここに、わが県の恵まれた自然及び生活環境の保全のための新たな取組として、赤土等対策の遠大な事業に県民一体となって着手することを宣明し、その第一歩として赤土等流出防止条例を制定することとする。
今から15年前に、自然界の一員、地球にやさしい持続可能な開発などということばが出てきている。埼玉県の環境関連条例にこのようなことばがあるのかな。そんなことを考えた。
条例は全26条と附則からなる。第1条に条例の目的が書かれている。
第1条(目的)
この条例は、事業行為に伴って発生する赤土等の流出を規制するとともに、土地の適正な管理を促進すること等によって、赤土等の流出による公共用水域の水質の汚濁(水底の底質が悪化することを含む。以下同じ。)の防止を図り、もって良好な生活環境の確保に資することを目的とする。
目的を読むと、もっともだと思った。逆に言えば沖縄返還20年を過ぎて、それだけ乱開発などを規制しなければならない状況になったと言うことなのだろう。
難しい問題である。