只今終了致しました閣議で元号を改める政令が決定され、第1回臨時閣議後に申しました通り、本日中に公布される予定であります。 新しい元号は、『平成(へいせい)』であります。 |
内閣官房長官 小渕恵三 |
小渕官房長官(後の総理)は「新しい元号は『平成(へいせい)』であります」と述べた。「へいせい」をとてもフラットに発音したことが印象に残っている。
発表文を読み終え、「平成」と揮毫された色紙の上下を慎重に確認、マスコミに披露した。昭和64年1月7日(土)、西暦では1989年。30年前のことだ。
平成は『史記』五帝本紀の「内平外成(内平かに外成る)」、『書経(偽古文尚書)』大禹謨の「地平天成(地平かに天成る)」から。「国の内外、天地とも平和が達成される」という意味である。
繰り返しになるが、小渕内閣官房長官の発表から30年である。日本は内平らか(うち・たいらか)と言えたのだろうか、地平らか(ち・たいらか)と言えたのだろか。昨年今上陛下が「平成が戦争のない時代として終わろうとしている」と述べられた。かろうじて日本国は直接戦争に関与しなかった。でも、この先の日本はどうなっていくのだろう。
元号が変わると「人心一新」と言われる。
90%以上の日本人は「昭和」~「平成」しか体験していないか、そのあとに生まれた。
改元の記憶のある人は、病に伏された昭和天皇の最晩年、日本国全体が自粛ムードに包まれ、崩御・改元があり雰囲気が変化したことを覚えている。改元が雰囲気を変えることを体験している。でも、それを「人心一新」と言うべきかというと、不幸があって雰囲気が変わると言っているのと同じで、僕はあまりしっくりこない。
改元は古来社会の雰囲気を変える(変えたい)ために行われてきた。今回は御退位(譲位)によるもの。雰囲気が変わるとしたらどうなるだろう。ここ半年の「平成最後の...」のような、平成回顧的なものの反動がどう出るか。ある種の「平成ロス」と現象が、改元後どうなるか。「令和最初の...」の話題は徐々に出ているが。
今日この日を無事に迎えられた。
陛下の健康、年齢のことをブログに書いたのは、2011年の天皇誕生日のことだった。数日前、改めて「象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば(平成28年8月8日)」と、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」を読み直した。特例法附則第2条のようなことがなく、この日を無事に迎えることができた。本当によかった。
明日は今日の次の日でしかない。
4月30日(火)の翌日は5月1日(水)である。この10連休で日本国が日本国2.0に衣替えすることはない。どこかの役所が旗振りをしているSociety 5.0になることもない。明日からの平成31年度の残り11ヶ月も、今日までと同じようにきちんと働き、生活していきたい。
サヨナラ平成。
こんにちは令和。
令和元年5月1日を明日に控えて