規制改革会議「中間とりまとめ-年末答申に向けての問題提起-」
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/publication/index.html#opinion4
相も変わらず、「隣接法律専門職種の業務範囲の見直し」がまたまた登場。
資格制度による業務独占は、「国民の生命、身体、権利・義務、財産等にかかわる社会的影響が大きい分野において、国は厳格な法的規律に服する資格制度を設けており、これを国民が利用することにより一定の質が確保された専門技術的なサービスの享受が可能」とするものであり、利用者である国民の利益の保護を図るための制度である。
それを、「本来は市場での自由な競争を通じて実現されるであろう利用者ニーズをみたす多様なサービスの提供が阻害されやすい状況が生じる」などと捉えているところが根本を誤っている。市場での自由な競争に委ねては、国民の利益の保護が図られないことから、真に国民に有益な制度として資格制度が設けられているのであるからである。
もちろん、真に国民に有益な制度を目指して、個々の資格制度の在り方を絶えず改善する議論は必要であるが、利用者である国民の利便性向上に言寄せて、業際業務への相互参入を促進するために資格制度の規律を緩めることは、逆に利用者である国民の利益の保護が図られない紊乱状態を生起することにつながるであろう。
改革という名の改悪とならないように、注視しなければならない。
Ⅱ-6 教育・資格改革(2)法務・資格分野
○資格者法人の設立要件の緩和
・資格者事務所の法人化、大規模化を図り、専門的かつ総合的なサービスが安定して提供されるよう、一人法人制度を創設し、資格者法人社員の無限連帯責任を見直し、資格者法人の社員資格を拡大
○隣接法律専門職種の業務範囲の見直し
・資格者間の垣根を低くし、多様なサービスの選択が可能になるよう、業際業務への相互参入を促進し、隣接法律専門職種の法律事務取扱範囲を拡大
○法曹養成制度の在り方
・法曹の質と量を拡充し、国民が利用しやすい司法制度を実現するため、プロセスとしての法曹養成制度の分析・検証し、結果を公表するとともに、その中核となる法科大学院教育の在り方を見直す