tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

親の代より豊かになれない国の将来は?

2024年12月11日 15時31分10秒 | 文化社会

もうかなり長いことになりますが、若い世代から「我われは親の代より豊かになれそうにない」という言葉を聞くようになりました。

こんな言葉を聞くたびに、「そんな事はないよ、真面目に働いていれば時代は進んでいるのだから」などと励ましているのですが、なかなか「そうですね、もう少し頑張ってみましょう」などという返事は返って来ません。

先ず言われるのは「だって、昔は毎年給料が上がったと聞くけど、今は給料も上がらないし、大体、年金が今の水準よりずっと下がりそうですよね」などと言われると「その辺は解らないけど、だんだん良くなるんじゃ・・・」あとはムニャムニャです。

情けないけれど、33年ぶりの大幅賃上げでも実質賃金は上がらない、年金はマクロ経済スライドで経済は成長しないから上がらないというのが現実です。

「お前らが頑張って働かないからだ」とハッパを掛ければいいのかもしれませんが、それも無責任でしょう。

どうしてこんな事になったのかと振り返れば、やっぱり、日本という国の経営を担当する経営者が、段々駄目になったという事に落ち着きそうです。

その経営者の中核は「自由民主党」でしょう。その自由民主党は、戦後から1970年代ぐらい迄は随分と確りやって来ていたのです。

歴史を辿ってみれば、1980年代あたりから、日本を経営する政治家のグループが「唐様で書く三代目」になって来たのではないでしょうか。

廃墟からの復興に熱意を燃やす世代から、世界第2の経済大国になり、対米外交が難しくなる頃に、それまでの経済成長の実績に胡坐とはいかないまでも、気楽に腰掛け、アメリカに追随することが成功の道といった自律・自立の覇気が薄れる雰囲気が出て来たように感じられるところです。

アメリカにしてみれば日本の急成長、後には中国の成長ですが、後発国の追い上げは大変気になるところです。

その国が、友好国で、追随に甘んじるのであればそれなりの便宜も図りつつ飼いならす、対抗国であれば徹底して抑え込むというのが自然の感覚でしょう。

これは、覇権国としてはごく自然な行動で、特に、アメリカのように、世界の危機を救ってきたといった自負心と栄光の過去を持てば、その維持は国民感情として定着することになるのでしょう。

そして日本は、というより自民党は政権党として友好国の立場を選び、それによって政権党としての永続を方針とすることになったのでしょう。

そのための決定的ともいえる主張点は「核の傘」という事だったのでしょう。

世界唯一の被爆国でありながら核禁条約に参加してないという奇妙な現実もそこから来ているということになるのでしょう。

一国が国民の意を戴して、自らの国民の選ぶ道を歩むという姿勢が明確にならない限り、国民の望む経済成長、子の代は親の代より確実に豊かになるといった、その国独自の行動は採れないのではないでしょうか。

自民党政権の政策の言葉は立派に並んでも、その上には、大きな核の傘かガラスの天井が存在しているようです。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。