tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

アメリカでのビジネスは難しい

2024年11月19日 21時54分45秒 | 経営

メジャーリーグのアストロズの本拠地の球場の命名権を日本の「ダイキン工業」が取得して、来シーズンから、アストロズの本拠球場は「ダイキンパーク」という名前になるというニュースが入ってきました。

日本人プレーヤーが大活躍しているメジャーリーグですが、球場にも日本企業の名が入れば、またメジャーリーグとの親近感が広がることになるでしょう。

ダイキン工業はその卓越したヒートポンプなどの技術を中心に、世界で活躍している日本の企業の好例です。

しかし、例えば日米の間でも、協力関係もありますが競争関係もあり、企業関係の分野では難しい問題も多々あります。

マスコミではどちらかというと上手くいかなかった例が大きく取り上げられるのかもしれませんが、最近のいくつかの例を見てみましょう。

東芝の場合は原発最先進企業だったウエスチングハウスを買収し、アメリカの原発技術と協力して、原子力発電の一層の発展に乗り出したのですが、環境問題への対策も含めて、アメリカの原発建設のコストが上昇、それに資金を注ぎ込んだ結果、結局はアメリか進出を諦め、自己資金も使い果たし上場廃止の道を選ぶ事になっています。

三菱航空機の例も、大変な努力を重ねながら成果が得られず撤退の憂き目でした。

MRJ(三菱リージョナルジェット)、後に名前を変えてMSJ(三菱スペースジェット)のスマートな機体の写真をご覧になった方も多いと思います。多くの施設をアメリカにつくり、人を雇い、アメリカの経済に貢献しています。

当時の通産省も、航空機産業を日本の将来の重要な柱にと、意気込んでいたようですが、世界で飛び回るために必要なアメリカの型式免許がどうしても取れず、結局三菱としてもこのプロジェクトを諦め、三菱航空機は清算という事になっています。

この顛末について聞かれる意見は、三菱の技術から言えば、性能のいい機体を作ることはそんなに難しい事ではない、失敗の原因は、アメリカの型式免許を取るという制度の壁を乗り越える政策的な面だったのではないかという意見が多いようです。

もう一つ例を挙げておきましょう。これは日本の「官民ファンド」の例です。民間はあまり金を出したくないようで、今は大部分が政府資金のようです。このファンドが、アメリカのテキサス州の新幹線計画に資金を提供しているのです。

しかし注ぎ込んでも、計画はなかなか動き出さないのです。そしてえ、最終的にはこの計画は取りやめになるような話になっているようです

始めが何で、終わりは何でそうなるのか、はっきりした情報はありません。  

これらの話はすべて、膨大な日本の資金がアメリカにつぎ込まれ、何の成果もなく終わるという事なのでしょう。

アメリカは万年経常赤字の国で、外国の金が流入することは結構な事なのでしょう。然しこういう資金協力は、双方にプラスをもたらすべきものでしょいう。

こんな経験の中で、成功を願いながらも、心配しているのは、日本製鉄のUSスチール買収の件です。成果は如何に・・・。


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