今日から7月、今年も半分過ぎました。そして、日銀から全国企業短期経済観測(6月調査)が発表になりました。
政府は内部のごたごたもあり、そのせいで経済運営に統一性を欠き、岸田総理だけが、定額減税、電気・ガスに補助金といったバラマキ政策に猪突猛進ですが、経済見通しは相変わらず今年度実質 1.3%の低成長の見通しが放置されています。
アメリカの利下げが遅れることで円安が進み、円レートは160円を超えて、国際投機資本は、日本の消費者物価が上がるかどうかなどにはお構いなくキャピタルゲイン獲得に邁進でしょう。
その結果のマネーゲームに翻弄される日本企業ですが、基本的には円安は日本企業には有利という事もあり、今朝発表の6月度の「短観」でも企業経営のほうは順調推移の期間が延びる気配です。
為替レートの関しては、3月度調査では今年度の円レートは先行き141円台でしたが、今回の調査では144円台になっています。
円安が続きますと、輸出産業を中心に企業な総じて順調な推移を予測します。物価は上がる可能性は強まりますが、負担は消費者に回るわけで、収益良好、消費不振と、皺寄せを受けるのは家計という事になるのです。
マスコミが「業況2期ぶりに改善」と指摘していますように景気の状況の代表指標ともいわれる製造業大企業の業況判断DI(良い企業-悪い企業数の%表示)は製造業では、下表の通り大企業は今期、来期と増加、中堅企業は増加後ほぼ高止まり、小企業も先行きマイナス脱出です。
業種別にみますとDIが20以上に繊維、窯業土石、食料品、機械類、などがあり、自動車は型式などのトラブルがあったせいか12と低めです。
非製造業のほうは、その下の表ですが、引き続き好調で、DIは30前後、中堅企業は20前後、中小企業でも10%レベルと順調です。
業種別には、大企業では、不動産、通信、情報サービス、対事業所・対個人サービスなどはDIが50前後というところです。
落ち込みの大きいのは小売業で、大企業でも30から19へ、中小企業では来期は1まで落ちると予想されています。賃金が思ったより上がらなかったのに、物価は上昇しそうということなのでしょうか。
その他の項目で見ますと、っ設備投資は相変わらず堅調、大企業中心にソフトウェア関連、研究開発への投資意欲も強いようです。政府の「科
研費」削減の中で企業の自助努力の結果でしょうか。
全体的には、円安の進行が企業を潤していることは間違いないようですが、その原因はアメリカのインフレが収まらない、FRBが金利を下げない、おかげで日本では円安進行という事です。
アメリカも大統領選挙戦の展開次第で、どうなるか解りませんが、いずれ、政策金利引き下げ、ドル安円高という動きは出てくるでしょう。
「短観」回答企業の予測今年度下半期144円台の円レートが当たるかどうかは別としても、賃上げで対処すべき消費需要政策を政府のバラマキでという不健全の経済政策では「持続的な消費拡大はとても望めないでしょう、企業の収益も最終的には堅調な消費需要で支えられなければ持続的なものにはなりえません。
政府、日銀、労使団体が協力し合ってこその日本経済ですから、「短観」の結果がまずまず良かったと喜んでいて良いのかという感じが「短観」の中身からも読み取れるような気がします。