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住まいは人権! 一般社団法人協働舎
暮らしを高めるのは福祉制度の充実。
福祉制度の充実には私たち一人ひとりの声

貧困の連鎖を断ち切るいうたら 難しいで でも誰かができることからはじめんとなあ

2012-08-26 | 暮らし・社会

もう、30年以上前かなあ、大阪か京都 あるいは神戸やったか 確か関西の自治体で生活保護のワーカーたちが一緒に勉強しようとやってたことがありました。

今は広島市もやってますけど、なんだかだんどりが難しうて…。

 

学習支援:生活保護世帯の追跡調査へ…埼玉県

毎日新聞 2012年08月07日 15時01分

 埼玉県は、県の学習支援を受けた生活保護受給世帯の中学生が高校進学後も通学を続けられているか、追跡調査に乗り出す。勉強についていけない子が大人になって生活保護を受ける「貧困の連鎖」が指摘される中、高校中退を減らすのが狙いだ。県によると、こうした調査は前例がなく、厚生労働省との共同実施も検討している。

 厚労省や文部科学省の調査では、全国の生活保護受給世帯の高校進学率(11年3月卒)は89.5%で、受給していない世帯の98.2%に比べ8.7ポイント低い。家庭環境が不安定で学習習慣が身につかないと、高校に進んでも中退し、就職が難しくなる傾向がある。

 悪循環を断ち切ろうと、埼玉県は10年度、受給世帯の中学生に大学生のボランティアが無償で勉強を教える学習教室を開始。今年度は7月末現在、17カ所で399人が学ぶ。10、11年度は計742人(うち中学3年生は465人)が参加し、452人が高校に進学。10年度の参加者の進学率は97.5%に高まり、受給していない世帯とほぼ肩を並べた。

 

ドキュメント高校中退―いま、貧困がうまれる場所 (ちくま新書 809)
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筑摩書房

 

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生活保護の積極的な活用が みんなを暮しやすくする

2012-08-26 | 暮らし・社会
「餓死・孤立死」の頻発を見よ!―徹底調査 生活保護バッシングで隠された真実
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あけび書

(ニューズウィーク から) 

フランスではあり得ない生活保護バッシング

2012年07月23日(月)09時00分  
  • 今週のコラムニスト:レジス・アルノー  〔7月18日号掲載〕

 人気お笑い芸人の河本準一は生まれる国を間違えたのだろうか。河本は5月、自分は高い収入がありながら母親が生活保護を受給していたことを日本じゅうの人々の前で謝罪した。

 フランスなら河本は模範市民と見なされたはずだ。勲章の1つももらえたかもしれない。フランスの基準からすれば、河本親子は当然のことをした。母親は失業して国に助けを求めた。息子は一生懸命働いて高い所得税を払っているのだから、政府の歳入の足しにさえなっている。息子がいくら成功していても、母親はできる限り政府の寛大さに甘えるべきだ──フランス人ならそう考える。

 フランス人は困ったときに国からお金をもらうことを恥と思わない。日本人より高い税金を払っているから、経済的に困っている人間の面倒を見てもらうだけの金は政府に「支払い済み」だと考える。生活に困っている親を子供が経済的に援助する法的義務はあるが、親は子供の経済状態に関係なく生活保護を申請する。

 実は親が生活保護を申請するのは、決して子供に頼らず、自分の好きなように生活するためだ。フランス人にとっては、国から金をもらうより子供から金をもらうほうが恥ずかしい。一方で子供は、親のすねをかじらない自立した人間に育てる。もちろん親子の絆はとても強いが、国の責任はきちんと果たしてもらう。

 もらえるものはもらわなきゃ、というのがフランス流。フランスなら、河本の母親は息子が成功していても堂々と生活保護をもらえるだろう。生活保護を受ける人の割合はフランスでは総人口の5・7%と日本(1・6%)の3倍以上だ。

 多くのフランス人は政府に助けてもらって当然と考えていて、そのためなら詐欺まがいの手も使う。しかもフランスの公務員は民間より労働時間が少なく失業の不安もない。生活保護を申請する側にしてみれば、あの恵まれ過ぎた連中から金を取り返してやれ、ということになる。

■「詐欺」がばれてもおとがめなし

 もちろん、フランスの制度には欠点もある。ある知人は父子家庭のふりをして「一人親」手当を受け取っているが、子供たちの母親とは今も同居している。バリ島のビーチで羽を伸ばしながら、パリでの仕事を探しているふりをしてフランスの生活保護を受け取っている知人もいる(求職活動をしているかどうかは電話で確認されるだけだ)。フランスの生活保護をもらってアルゼンチンのブエノスアイレスで優雅に暮らす女性も知っている。彼らはフランス政府から受け取る金(もちろん税金は払わずに)で十分暮らしていける。ばれる心配はまずなく、ばれても普通はおとがめなしだ。

 要するに無責任と詐欺を野放しにする制度で、フランスの公的債務が膨れ上がる一因になっている。しかし日本の制度のほうがマシだと言えるだろうか。「日本はフランスより税収が少ないのに政府支出は同じくらいだった」と日本で働いたことのあるフランス人銀行家が驚いていた。日本の政府債務残高の対GDP比率はフランスの2倍を超える。

 河本親子は住民税も消費税もフランス人ほど払っていない分、政府の金を当てにできないという理屈は分かる。それでもフランス人ならあそこまでたたかない。レイプ疑惑が浮上したドミニク・ストロスカーン前IMF専務理事でさえ、カメラの前で謝罪させられはしなかった。5年後か10年後には再出発のチャンスが巡ってくるだろう。一方、日本のメディアは毎週のように新たな「河本」を探し出しては失脚させている。政治家、コメディアン、歌手、相撲取り......。

 河本はフランス語を勉強し、パリでコメディアンとして再出発するべきだ。失敗しても失業保険や生活保護を受け取ればいい。フランスの福祉制度は日本よりずっと寛大だ。

レジス・アルノー

COLUMNIST PROFILE

Regis Arnaud レジス・アルノー

1971年、フランス生まれ。仏フィガロ紙記者、在日フランス商工会議所機関誌フランス・ジャポン・エコー編集長を務めるかたわら、演劇の企画なども行う。

 

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清宮さんの分岐点…

2012-08-26 | まいにち
もう、ひとりにさせない
奥田知志
いのちのことば社

 

さてさて、昨日買った BIG ISSUE 197号 開くとすぐに「私の分岐点」今月号は ヤマハジュビロ監督の清宮克幸さんです。

最新号表紙

こんなことを言っておられます

中学生のころ 「ある時、大乱闘があって僕一人警察のお世話になりました。見せしめ的意味もあったんでしょう、凍てつく真冬の夜、警察署に泊まることになったんです。翌朝、両親とサッカー部の顧問がやってきて『なんて馬鹿なことをしたんだ!』と散々責められた。担任の先生も来ていたんですが、彼女は叱ることは一切せず、「寒かったでしょう」と一言だけ言ったんです。若くてきれいな先生なのに、その時は化粧もせず、目の下にひどいくまを作っていました。その姿を見て『ああ、こういうことやってちゃいけないんだ』って心底思ったんです。以来、学ランとかツッパリからは完全に卒業しました…。」

 

ぐっと効く 一言ってあるんですよね。

新・矢富笑店 Vol.1:清宮克幸監督

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ビッグイシュー 197号を 買いました

2012-08-25 | 読書

朝、カリカリとしながら家を出、バスで1時間30分、安芸高田市へ…。30年ほど前にはこの辺りまで原付で来ていたんですよねえ。考えてみるとよく来ていたもんです。

昼からは町中の自助グループに参加した後、久しぶりの八丁堀なのでと、ビッグイシューを買いました。137号、136号そして135号と三冊も ということは40日ぶり?50日ぶり?

この号は生きる知恵の渚を洗う55冊なんて 本の紹介が載っています。まあ、秋へ向かうからねえ、一冊でも読み始めるか。55冊以外かもわからないけど まずは井上ひさしの『父と暮らせば』からでも…。

最新号表紙 THE BIG ISSUE JAPAN197号
特集
転換の時代、生きる知恵の渚を洗う55冊

スペシャルインタビュー
ダライ・ラマ 14世

今月の人はこちら

リレーインタビュー 私の分岐点 ラグビークラブ監督 清宮 克幸さん

INTERNATIONAL

スペシャルインタビュー ダライ・ラマ 14世

ノーンギシュの日々 滝田 明日香

激化する、野生動物と家畜を飼うマサイの衝突

WORLD STREET NEWS 世界短信

あきらめで社会は弱体化、市民の絶望は深い

麻薬抗争の街、メキシコ・クリアカンのジャーナリスト

ストリート・エコノミックス 浜 矩子

イギリス人の江戸っ子気質

ともに生きよう!東日本 被災地から(31)

原発事故処理の前線に生身の人間、悪化する労働現場 ― 石丸小四郎さん

原発ウォッチ! 伴 英幸

労働者の被曝線量計を不正操作。拒否した3人は解雇

REAL  LIFE

特集 転換の時代、生きる知恵の渚を洗う55冊

中面画像をクリックすると拡大画像がご覧いただけます

私たちは今、どこにいて、どこに行きたいのか、行けるのだろうか?過去のどの時代よりも情報を手に入れることが容易な時代に生きているにもかかわらず、かえって不安だらけの日常を生きている。そこで、自然、社会、世界、暮らし、心をキーワードに、今と未来を生きる当事者としての資源や心の糧になるような、シンプルで静かな本を55冊紹介したい。また、のべ6500人を超える参加者のある読書コミュニティ「猫町倶楽部」にも取材。読書の秋を迎える前に、一足早い読書特集をお届けします。

 

自然を見る

生命、人体から、海、宇宙、科学実験や地震、そして世界の見方を感得する

社会の行方

怒り、チャンス、命、原発、また、貧困、政府、日本、社会、そして東北の再生を考える

世界を知る

旅、未来世界、先住民、沖縄、イスラム、また、生命と和解を思う

こころに届く

自らつくる家、食べ物、庭、仕事、コミュニティとまち。智恵とファッションをあなたに

暮らしの方角

悲しみ、こころの病、人間と人生、自然のレッスンと言葉と智恵。あなたへの贈り物

日本最大の読書会!「猫町倶楽部」

― 山本多津也さん

(コラム)本の本 ― あなたを誘惑する本のガイドブックたち

世界の当事者になる 雨宮 処凛

思考停止に抗うために

自閉症の僕が「生きていく風景」 東田 直樹

ラジオ体操で手足の存在が自覚できるようになった

BACK BEAT

CDレビュー 浅井 博章

V-ROCK コンピレーションアルバム

クリエーターの視点 フォトジャーナリスト 宇田有三さん

テレビうらおもて 伊藤 悟

テレビが消してしまう「脱/反原発」の機運

ひぐらし本暮らし 岡崎 武志

『父と暮せば』井上ひさし

コミック マムアンちゃん ウィスット・ポンニミット

TBI CIRCUS

YOUR ISSUE ― あなたのオピニオン

FROM THE STREET ― 街角と販売者

☆ホームレス人生相談 離婚後、新たな出会いに二の足を踏んでしまいます

■コミック エモ!言われん みんな解決はしたいはずだ

☆路上から        
■今月の人

スロベニア『Kralji Ulice』の販売者、アレシュ・チェラコビッチ

FROM EDITORIAL 編集後記

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きちんとしたプログラムを

2012-08-25 | まいにち

認知行動療法がいいのかどうかは別にしても きちんとしたプログラムを持つことが必要ですね

刑務所:薬物依存からの離脱指導を強化へ 法務省が方針

毎日新聞 2012年08月25日 15時00分

 薬物依存者の再犯防止を図ろうと、法務省は全国の刑務所における薬物依存離脱指導を強化する方針を決めた。覚せい剤取締法違反で有罪が確定した受刑者の割合は男子より女子の方が高いため、13年から加古川刑務所(兵庫県加古川市)の女子受刑者を対象に、心理療法を活用した半年間の新しい指導プログラムの試行を始める。

 再犯防止策の推進を掲げた政府の犯罪対策閣僚会議は7月、10年後の数値目標を初めて盛り込んだ総合対策を決定。薬物依存者に対する指導・支援の強化を明記している。

 全国の刑務所では現在、06年に導入された薬物依存離脱指導が行われているが、具体的な指導方法は各施設の自主性に委ねられている。このため、薬物依存に効果があるとされる心理療法「認知行動療法」を活用しているのは、薬物受刑者を収容する76施設の中でも府中刑務所など数カ所のみ。指導期間も3カ月程度にとどまる。

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油を売っているのが すぐにばれちゃいました

2012-08-24 | まいにち

今日は朝から福山へ出かけ(久しぶりに在来線で)、昼過ぎに広島へ帰ってきました。

夕方人と会う約束まで、少し時間が空いたので、自ら「親ばかで」とアート展を知らせてくださった旧友の息子さんの展示会へそごうまで行ってきました。

ちょうど、ライブペィンティング始まったところで、しばらく感心しながら観ておりました。ライブは明日25日も26日もあるようなので、お時間の取れる方は是非…。

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【特集】 和泉 賢太郎
ライブペインティング開催

■8月24日(金)
  午後1時~午後6時
■8月25日(土)・26日(日)
  午前11時~午後6時ごろ

<略歴>
1980年 広島県生まれ
2004年 武蔵野美術大学造形学部 日本画科卒業
    武蔵野美術大学造形学部 日本画卒業制作優秀賞

Flowercoior-GABERA 2

で、会場で写メールを撮られた方がいて、私がいるのがすぐに友人のところへ伝わっていました。(仕事中にちょっと覗いたので…悪いことはできません、「あいつこんなところで油を売っている」と)

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通訳に求められる条件と課題

2012-08-19 | 手話

 大失敗を書いた後、「越境する市民活動と自治体の多文化共生政策」(東京外国語大学)の中で、弁護士の関聡介さんが、「外国人相談『通訳』に求められる条件と課題」と題して書いておられるものを読んだ。

 「外国人相談」との看板で行われている相談会は実際は日本語を母語としない相談となるので、言語面での橋渡しと同時に制度面・文化面での橋渡し、さらには専門家・非専門家間の橋渡しが求められる。つまり高度なコミュニケーション能力が求められている。

 相談通訳業務の困難性  通訳相手と初対面、通訳内容も初めて、通訳時間が短い、専門用語がつかわれる、費用負担のシステムがない、通訳者の待遇が悪い。

 通訳人選定を巡る問題  語学力  最低限の法的知識  本国事情や文化などに関する知識  相談通訳の経験  通訳倫理  利害関係の不存在  

 通訳業務の実施をめぐる問題点  公平・公正・中立性の担保  忠実さ・正確性の担保  落ち着きと共感

6ページほどの短く、分かりやすい文章でネット上にも公開されているのでご自身で読んでみられることをお勧めしますが、私には特に次の指摘が効いたよな。 私はもちろん そんな実力者ではないけれど。

 「実力者で経験者である通訳者ほど注意を要する点である。本来であれば、通訳は弁護士の言葉を忠実かつ正確に相談者に伝え、相談者の言葉を忠実かつ正確に弁護士に伝えることが予定されている。しかし実力者である通訳人は、弁護士の質問が難しい内容である場合にさまざまな補足や変更を加えて相談者に伝え、相談者の発言が拙かったり合理であったりすると、自ら相談者に問いただしたりする。その結果、表面上はスムーズなコミュニケーションが進んでいる様相が醸し出されるが、通訳人の頭の中の作業の過程で、質疑が改変され、非常に大事な部分がそぎ落とされていまったり歪曲されてしまったりする恐れがある」

外国語の通訳者の人たちと一緒に勉強会をやりましょうねえ、今年も。

 

法廷の異文化と司法通訳 中国籍被告人を裁く時 (ブックレット〈アジアを学ぼう〉14) (ブックレット アジアを学ぼう)
岩本 明美
風響社

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またまた 大失敗!

2012-08-18 | 手話

 最近は、集中力を持続するのが難しくなってきたので(いや前からかなあ) あんまり 手話通訳の現場へ出向くことは少なくなりました。が、 

 先日 とある企業の 手話通訳を頼まれて行ってきました。

 「高度な内部資料ですから、手話通訳さんにお見せすることが出来ないんです」と言われて

そうですか、わかりました と 言ってしまった…。

 

 わからない、分からない。 そして 通訳していても ご本人同士には 判らないだろうなあ。

 専門家同士なのである程度はこちらが少しミスをしても「…ですかね」と判断していただくのですが…

 通訳者としては大失敗 というか 大失態を演じた 一時間でした。

 ごめんなさい。

 こんな時は、きちんと通訳者の守秘義務についても説明し 「見せてください、お互いに情報をきちんとつかんでいただくために必要ですから」と言わなくてはね。

 

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10月には おのみち矯正展があります

2012-08-17 | まいにち

暑いわあ。今日は朝から西広島へ出かけ、そのあと新幹線で尾道へ…

CF尾道みどりが丘です。  正式には尾道刑務支所。10月14日にはおのみち矯正展があります。

何でCFというの? とタクシーの運転手さんに尋ねられましたが 私は知りません。下は2年ほど前の記事です。

[「塀」のはざま](7)尾道刑務支所(上) 震える指先で作業

福祉施設並みバリアフリー 高齢専用 平均68歳

 広島県尾道。古寺が点在する風情あふれる町並みと風光明媚(めいび)な瀬戸内海の景色で知られるこの場所に、広島県尾道刑務支所がある。全国で初めて高齢受刑者専用収容棟を設けた刑務所だ。

 昨年12月のある日。午前6時40分になると、刑務官が受刑者の部屋を回り、一人一人起床を促す。大声で何度か呼び掛けても、刑務所にいることを忘れたかのように布団から顔を出しているだけの受刑者もいる。

 一般の刑務所のように、受刑者に機敏な動作を促す「整列」「脇見しない」など号令が掛けられることはない。

 高齢受刑者専用収容棟に入所する約70人の平均年齢は68歳。最高年齢は84歳だ。

 建物は、水色や緑色の柔らかな色に塗られ、福祉施設のようだ。その中を手すりをつかみ、足を引きずるように歩いたり、車いすや歩行器を使い受刑者が歩いている。階段での移動が必要ないよう、部屋や工場、食堂、入浴場、運動場はすべて2階にある。廊下には手すりがつけられ、段差をなくすなど、建物はバリアフリー化されている。

 工場では、小さな段ボール箱の組み立てやゴムひもを結ぶ作業が黙々と行われていた。作業時間は、一般受刑者より2時間短い6時間。背中を丸めた受刑者が、転落防止のため特注した背もたれとひじ掛け付きのいすに座り、震える指先で作業に取り組んでいた。

 作業中に突然、認知症とみられる受刑者が席を立って大声をあげたり、徘徊(はいかい)し何度もトイレを往復した。

 そのたびに、20代の刑務官が受刑者の手を引いて着席を促していた。

■     ■

 受刑者の健康状態に合わせて、部屋のドアには「減塩」「きざみ食」「朝食後、投薬」などの札がかかる。受刑者の多くが高血圧や糖尿病、骨粗しょう症、心不全など複数の病気を抱えているためだ。

 歯のない人も約半数いる。入れ歯を買えず、仕方なく歯茎だけで咀嚼(そしゃく)し食事を取る人もいる。6割は耳が遠く、意思疎通に支障があるという。

 刑務官は、受刑者の指導監督だけではなく、福祉的サポートも担っている。そのため刑務官や職員を対象に認知症講座も開かれてきた。

 しかし現状では、刑務官1人で受刑者30~40人の作業を担当し、負担は過重になりがちだ。ベテラン刑務官は「小学校の授業でも先生が2人配置されている。施設の整備は当然だが、人的補強も必要だ」と強調した。(社会部・吉川毅)

 

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良い支援?―知的障害/自閉の人たちの自立生活と支援
寺本 晃久,末永 弘,岩橋 誠治,岡部 耕典

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