降って来るもの

写真と散文とぽえむ

続.騒めいて・・

2018-08-15 15:05:24 | 詩16

                     騒めいて


固定された個々の

家という細やかな形に庇護されて

僕らは

普通の日常を営む

 けれど、ある日突然

その方程式が成り立たなくなれば

つまりは、そこに

否応なく

他人の悪意が介在するとしたら

一人一人は当然のように

裸のまま

突き刺さる視線に晒されるしかない

恐怖や取り留めのない暴力の礫に

一体、だれが耐えきれるだろう

 不特定多数の悪意は

其処此処に存在して息を潜め

日常は事も無げに

平和の様相で繰り返されるけれど・・

 一度刻まれた傷跡は

じくじくと神経を苛み

蜘蛛の巣のように拡がり

雑草のように蔓延り

その事実が

絶えず、胸の平穏を騒めかせるのだ

繰り返し

必要に応じて執拗に・・

もはや

元の平穏に戻れない

 願わくば

神仏の眼manakoが

悪事を見咎めているというなら

”tenbatu”なるものの存在を知らしめ

彼の悪党に与えよ!と

その因果応報の通知を

僕の想いに暗示せよ!!と

さすれば救われて

敬虔なる門徒衆の如くに

日々の感謝と祈りを怠らないであろうと・・

決して!!

 けれど、嗚呼、多分

僕は此の騒めきを持って

此の擦過傷を抱えたまま

書くことで

辛うじて少しずつ痛みを散らしながら

生きてゆくのだろう

 それを

四苦八苦の明確な一苦として・・


                        2018 08/15 15:35 万甫



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