降って来るもの

写真と散文とぽえむ

還俗記Ⅲ-南京錠-

2021-02-15 21:21:22 | 詩23 鄙の

還俗記Ⅲ-南京錠-

 

首尾よく解脱して

僕は普通に還る

 誰と比較しても遜色ない

その他大勢の一般に紛れ込むのだ

何時も使用の

草臥れた仮面を被って

 

還俗の”とき”の映像は

 誰の影響も受けない胸奥の

秘密の抽斗に仕舞い込んで

二個の南京錠を取り付け保管する

 

 

還俗記Ⅳ-knock-

 

胸に隙間風が吹くと

心面に漣が立つと

 繊細なsizukuは

落ちる場所を見失う

 

普通で居られぬ状況は

普通の物音を掻き消す

 何時も通りに準備できないときは

どんな言伝も届かないのだ

 

言葉の欠片たちは

穏やかな居所を好んで滴る

その仕組みが損なわれれば

 還俗の扉をknockすることも無い

それは

僕のシステムの堅牢なる一個の理

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過去

2021-02-15 19:33:41 | 詩19

過去

 

取り出した過去は

再び過去として

元の場所に戻さねばならない

”とき”の約束事は

過去と現実の混同を禁じている

 どんなに光彩を放っても

それは既に過去の光で

遠去かる程に灯になり

軈て,闇に同化してゆくもの

 それ故,過去は過去として

その過去に相応しい居所に置いて

静かに見守るしかないもの

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訳もなく

2021-02-15 16:00:04 | 詩19

訳もなく

 

寒い,心と体と,言いようもなく寒い,一刻がある

 

気温の高低や,風の強弱や,

風景の陰翳や,

蕾の膨らみ具合や,空の明暗の度合いや,

体調の浮き沈みや,

気懸りの有無や,物思いの軽重や,

能力の増減や,信心の濃度や,

祷りの多少や,生死の出来合いや,

バランスの差異や,

憂愁の濃淡や,etc,etc,

 

そんな事と無関係に,標記できない,

訳もなく

寒々とした,一刻がある

 

※理由のない寒さって、有りますか?

 朝からの雨が、お昼前にほんの少し中断しましたが、その後は飽きることもなく降り続いています。気温は高めなので心身が寒いという程でもないのですが、明日からは又”三寒”に翻弄されそうな予報。

 やっぱり、嬉しいことも楽しいことも一足飛びには廻ってきませんよね。幾らかの我慢や辛抱の後に訪れる。人生一般に言えることかも知れません。当に”苦は楽の種”‥ですね。

言えるのは”もう少し・・”と言う事でしょうか?   4:24pm まんぼ

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僕の朝

2021-02-15 06:31:30 | 詩19

僕の朝

 

一日分の普通の余裕が

まだ少し余っていると感じられるときは

ゆったりと

時間をかけて

僕の朝を整えてゆく

 これから向かう

未知との遭遇の由無しが

嫋やかに,恙なく廻りますようにと

畏怖と願望の掌を合わせ

真っ新な,僕の朝を創ってゆく

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