降って来るもの

写真と散文とぽえむ

ふるさと行脚partⅠ~九十九折~

2021-10-18 06:16:24 | ふるさと

     現住所

 

三日も秋晴れが続けば

僕のsoulが

生まれた場所へ還れと

分別を駆り立てるのだ

 巷の人界を脱出して

素のspiritに還俗せよ!と

 

僕の裡の選択では

もしかしたら

日常の場所が異郷で

原籍の此処こそが

魂の宿る現住所なのかも知れぬ

ふと,そんな風に思うのだ

 

風景がどんなに色褪せ

山野の荒廃を止められなくても

変わらず

慈しみのkaze吹き渡る

此の土地にこそ

僕のinochiの現住所が在ると

 

 

     九十九折

 

林間を上る九十九折は

まるで

産道のように

 

僕をinochiの原点へ誘う

真っ新の,真っ白の

原初の桃源郷へ導くように

 

苦も楽もない

正邪も善悪も清濁も無い

真正の懐へ回帰させるように

 

其処から

新生の僕を始める為の

第一義の手続きのように

 

参拝する村人が減ってしまって閑散という感じの”愛宕神社”に参る

  

    

それでも、秋模様は一様にこの鄙にも訪れる

   

山茶花が咲き始めている

採る人も無い果実

紅葉する葉

古里は沈黙のまま佇む・・

 

 

     無垢の大人

 

生い立ちの場所の

記憶の溜り場で

静かにkokoroを鎮めてゆくと

僕は次第に

少年を取り戻してゆく

 

古里の思惟の泉に

ゆったりとkokoroを浸していると

僕は次第に

hahaの子宮に帰ってゆく

 

minusの負荷のない

plusだけの祝福の源に

 

否応なしに

僕は大人になって

否応なしに

負の諸諸を背負ったけれど

此処に佇めば

堰き止められた時間の河から

幸せの数多の泡を発見し

時の隙間から滲み出す抒情の

その余情を胸いっぱいに吸い込んで

僕はひととき

無垢の大人になるのだ

 

誰にも祝福されて存在した

輝かしいinochiの居場所が

其処に有ったのだと

切なく,遣る瀬無く

回顧できる空間

 

暫く,望郷のメロディーを口遊んで

巷の雑踏に引き返す

 

              10/18  06:15 万甫

 

 

     

 

 

 

 

 

 

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