昨年2023年は、物価高、値上げラッシュ、円安、コストプッシュと消費者にとっては大変な1年でした。
ただ、多くの大企業では賃上げが行われ、特に賞与でかなりの上積みをする企業が増えてきました。
良いトレンドだと思います。
日経ビジネス誌の新年号2024.1.8号の特集は、「賃金革命 成長戦略は攻めの報酬から」。
平均賃金について、お隣の韓国に抜かれ、GDPでもドイツに抜かれ、国際競争力の低下、少子化による人口減少、高齢社会突入と、元気がない日本。
もはや先進国とは言えない状況、貧しいニッポンになっています。
2024年の辰年は、何としても経済を立て直していかなければなりません。
そのドライバーの一つが、賃金だと思います。
Contents
Part1 さらば、賃金後進国ニッポン 賃上げの23年超え 人事改革と両輪で
Part2 ジョブ型導入だけでは不十分 企業も社員も鍛える人事評価は成長戦略
Part3 非正規とシニアが問う賃金の妥当性 10年越しの格差是正 日本郵政の苦悩
Part4 役員報酬は業績の鏡 経営への関与強めよ
ただ、今回の特集は、大企業向けの内容になっています。
賃上げについて、大企業は「攻めの賃上げ」、中小企業は「守りの賃上げ」がベースになります。
大企業は優秀な社員を採りたい、中小企業は現有の社員を引き留めたいことが重要ポイントになるからです。
同特集では、各社の取り組みを紹介しています。
三菱ケミカル・・・「育てて報いるジョブ型の壁を突破」
メルカリ、レゾナックHD・・・「成果達成までの過程を報酬に反映」
ディスコ・・・「年収4500万円の社員が誕生」
単に賃金をあげれば社員のやる気、モチベーションが上がると言う図式はないと思います。
衛生要因、動機付け要因のハーツバーグ博士の理論を持ち出すまでもなく、動機付け要因の部分に利き足を置いて進めていく必要があります。
また、高い専門性をベースとした個人技の評価も大切です。
この特集で、経営共創基盤グループ会長の冨山和彦さんが言及しています。
「中途半端なホワイトカラーの賃金は、もっと下がる」
「ホワイトカラー=中間層というイメージを捨てて、エッセンシャルワーカーの仕事を中間層並みに稼げる仕事にしていくべきだろう。」
「今後は、ジョブ型人事制度を導入し、人材のスキルと仕事内容を呼応させた仕組みを確立する必要がある。」
なかなか厳しい指摘です。
AIやChatGTPの登場で、ホワイトカラーの仕事が大きく変わりつつあります。
サバイバルのためには、リスキリングによるジョブスキルの高度化、高いパフォーマンスの発揮が求められます。
当たり前ですが、職業人はプロフェッショナルにならなければなりません。