もう11時か。
とっくに寝ている時刻だね。
明日も早いというのに。
昨日まで連続して多忙だったのだが(チーフの休みに伴ってその代行)、
今日彼女が出勤しても、忙しさは変わらない。
細かいことの不満があるのだが
ここにいちいち書いても意味がない。
しかし
今日は今日で、なぜだか彼女の不機嫌と、やつ当たりで、物を投げつけられた。
瞬間、この一件で私もカーッとなったが、
それ以降、急に自分が冷静になったというか、冷めてしまった。
一応記録しておこう、ここに。
怒りよりも、冷めた気持ちになる、というのも自分の道の進歩か。
もっと、彼女の挑発に乗ってやればよかったのかもしれないね、逆に。
冷静すぎて、その後の自分はいつもと変わらない表情。
いつも、穏やかです、表面上は。
その怒りをまともに受け止めてやるほうが自然の場面かもしれない。
寧ろ、いつもの自分で対応する方が、彼女にとって不気味であったり、訳がわからなかったりしているのかもしれない。
あれから一週間。
小鳩が飛べずに、巣の下のビルの端っこに蹲っていたね。
そして心配した私が、公衆の面前で飛ばしてやった日。
その小鳩は、日に日に少しずつ成長して、飛べるようになった。
まだ自由に、自分だけで飛んでいくことはないけれど
先に成長した兄弟が、親とともにやってくると
喜んで自分もいっしょに高いところまで飛べるようになった。
一昨日あたりは
早朝の通り、まだ人影がないころに
小鳩2羽は
通りの地面を自在に、ツツツツーと揃って走っていた。
飛ばずに、歩くというよりも、滑るように走っていた。
人のいない道を我が物顔に走っている姿は
一週間前の
通りで蹲って不安げな姿とは対照的。
いざとなれば、人に危害を加えられそうになっても
自分たちはすぐに飛んで回避できるよ、というような走りであった。
心が成長したんだね。
今でも
あの小鳩は一人で、巣のところにいます。
居心地がいいのか、あるいは
まだ自由に大空を飛ぶことの不安があるのか
それはわからないけれど、
飛べる力と、羽根を休める安楽の場所があることと
この2つさえあれば、
いつだって自由に出かけられるね。
Eさんは
「この職場で、唯一の癒しが、向かいの鳩だなんて、皮肉ね。」と言う。
でも、ほんの一部分。
これから鳩の人生、何があるのかわからない。
ずっと、この状態が続くわけでもない。
私はその鳩の人生をずっと見守るわけにいかないけれど
神様、いじわるしないで、どうか
小さな生命、思う存分生かさせてください。