金曜日
仕事が終わって大急ぎで
Iさんとの待ち合わせの場所へ。
1ヶ月ぶりの再会です。
その前日の私の心は非常に重かった。
ブログに書いたとおりの沈鬱な状況。
彼女へのメールの返事も暗かった。
そんな状態で会うのは失礼かなとも思っていた。
場所は
一番町にある
いろは横丁。
ここは私にとって思い出深い場所。
今の職場がこうして街の中にあるにも拘らず
同じ中心部である一番町には全然来ていなかった。
特に
いろは横丁のある一番町2丁目界隈は。
いろいろと変わったなあ、と眺めつつ歩く。
そして彼女とまず
横丁を一周して目的の店へ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/d4/96a5f997b073e55a024904a5fb8718b0.jpg)
「ろっこ」というピザ屋へ。
席、6席カウンターのみ。
非常に狭い。
横丁の店は大体狭い。
10人入れば少々広い、というような店が建ち並ぶ。
おいしく、たらふく食べることができた。
きっと、2人のヘンな話、両隣のOLに聞かれただろうなあ。
私の今抱えている問題のことね。
そこを出て、しばしあちこちの店を観る。
知っているおじちゃん、おばちゃんたちの姿がチラホラ見えたが
皆、忙しい時間帯だったので、声をかけずにそこを後にした。
今度は一人で来てみよう。
ランチの人たちで賑わっていた界隈である。
それは昨日父に報告した。
母を連れてきたいと思ったが母はもう外に出るのはいやだろう。
そこは
両親の店があったところだ。
私のもう一つの青春がそこにあったんだ。
東北大方面も歩いて、ここに喫茶店があった、本屋があった、などと会話しつつ。
丸善も駅前に移動したし
残るは、金港堂という書店、ヤマハ楽器店。
皆、思い出の場所だ。
そして柳町の
大日如来神社に行った。
お参り。
「この間(6月6日)も神社など行ったりしてずいぶんお参りしたよね。
お地蔵さんにもいっぱい触ったし。」と私。
そこにベンチがあったので座ってそんな話になる。
すると
Iさんが
「私ね、トモロッシさんに御礼したいことがあるの。」と話し始めた。
「この間、八幡神社に行ったでしょ。私ね、こんなに近くに住んでいながら
お参りしたことがなかったのよね。三居沢(さんきょさわ)にも小さいときに
お姉ちゃんと行ったきりで、怖くてもう行けない、と言っていたのに、トモロッシさんを
案内しなくちゃと思って、恐々行ったけれど。」
ここで
前回彼女と、彼女の住む町「八幡町」界隈を散策したときの写真を数点載せます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/03/937ed86ec2970ed066682684e24dea5b.jpg)
三居沢不動尊の入り口。確かに鬱蒼としていて、子供心に怖いと思うかも。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/d4/7d8eef0b74a9c2b3d564341f74f48e63.jpg)
猫塚があったり、滝の中にかわいい地蔵があったり、ずいぶん私たちはあちこちの石碑、地蔵に触れて、手を合わせた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/84/41ae2db2276f6a9c7e826767bf5e61c7.jpg)
ここは山形に行く途中にある、昭和34年に起きた、バス転落事故の犠牲者のための石碑。
彼女のお母さんが若いときにそのバスに乗っていた、という話を聞いていた。
ここで手を合わせたときに、私、鉄柱で怪我をした。
「入るなって言われたのかなあ。いや、もうほとんど誰も手を合わせることがなかったから、私たちが来てびっくりしたのかも。」なんて会話していた。それを彼女のお姉さんに
オモシロおかしく伝えたらしい。あの怪我、結構彼女にも印象深かったようだ。
長い階段を上ってお参りした八幡神社。
そして隣の敷地にあったお寺にも。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/85/05291e6b7d4ddd95f6c2c59ba9da2c18.jpg)
お寺の敷地のコンクリート養生の、猫の足跡。
そのほか、街道にある、もう文字が見えなくなっていた地蔵、石碑に
私たちは
ずいぶんとあの日、お参りした。地蔵の頭を撫でた。
そして
さっきの彼女の話に戻ります。
「せっかく、八幡神社に来たから、きちんとお参りしたんだ。そしたらね、まもなく転機が訪れたのよ。私の変化。」
「何?何?ご利益あったの?」と質問攻め。
そして、その内容を話してくれる。
それは割愛するが、
「その転機は、偶然であるが、神社にお参りしたことが通じたのかなって。もし、トモロッシさんが神社などを訪れたいと言わなかったら、未だに私は神社に来ていなかったと思うの。」と感謝された。
その顛末を彼女が姉に話したら、「じゃ、お礼参りしなくちゃだめでしょ。」ということで、再び神社に行ったそうだ。
そして私に、お守りを買ってきてくれていた。
紫のフクロウのお守り。
粛々として私は受け取った。
彼女の住む町に行く、ということで
彼女は私の行きたいところを自転車で案内してくれた。坂道があり、下りはいいが、上りは自転車を降りて歩く。2人の中年女の自転車散策。かなり疲れたはず。
他にもいろんな所を訪れた。写真をいっぱい撮った。
充実した一日だった。
その日を、彼女も大事にしていてくれた。
もちろん偶然かもしれない、その転機とお参り。
が、彼女は「最初は、神社に行くなんて、苦痛だったのよ。」という初めの気持ちとは裏腹に、神社に行ったことによって、急に生活の転機が訪れたことと結び付けないわけにはいかなかったのだろう。よいことです。
彼女の意志的な話を聞いて、強いな、と思う私。
刺激である。
私は良い刺激をもらった。
そして清々しい気持ちで別れた。
夕食を食べるころ
外が赤々としていた。
私は外に出た。
朝焼けのような夕焼け。自然の美しさ。
昨日どん底だった気持ちが今日清々しくなれた(もちろん問題は未解決だが)。
一日、生き延びてよかったのだ。
そう思った。
こんな美しい夕焼けを見るのは生涯幾つあるのか。
皆、テレビを観ていないで、ごはんを食べていないで、この夕焼けを見てごらん、と思った。
そして、夜は満月がゆっくりゆっくりとかすかに移動しているようだった。