過去に修理歴があるPEN-S3.5 #1215XXです。レンズを無限にした時に絞り表示が下側になっていますね。工場では、上側に向くように組まれています。シボ革は透明接着剤でゴテゴテに着いています。
シャッターは動いていますが、ご依頼は2 5 位置とクリック位置が合わないとのこと。確かに彫刻文字と裏のクリック切込みの位置がずれていますね。厳密には加工不良ということでしょうけど、実用上の問題はないので良品の範囲として出荷された可能性もあります。
巻上げが引っかかるとのご指摘。観察するとリンケージ部分に硬いグリスが塗布されていて、動きがスムーズでない状態になっています。しかし、それだけが原因ではなかったのですが・・
圧板にカビのような腐食が目立ちますね。
このように清掃をしておきます。
ダイカスト本体を洗浄して組み立てて行きます。
シャッターも分解されていますね。白いネジロックは工場のもので、その上から透明(多分接着剤)を塗布されています。ちゃんと白いの落そうね。
シャッターを組みました。特に問題はありません。
駒数ギヤ軸と駒数板が曲がっていますね。これは作業時に夢中になって不注意で手で圧力を掛けたためです。私は、事故防止のため分解の最初に取り外して、トップカバーを付ける最後に取り付けます。これは再カシメをしておきます。
本体とファインダーが完成。
軸の一番下に入るワッシャー(ピンセット)が欠品していましたので追加して組みます。
作動を見ましたが、稀に巻き上げが僅かに引っかかる現象があります。これは、2回巻き上げ防止レバーが干渉していると思われます。部品としては不良ではなくとも、関連の部品との相性や嵌合の問題で不具合が出ることはあります。今回は、予防的に部品を交換しておきます。
PEN-S3.5は途中で横のネジは-から+に変更されますが、12万台でしたらまだ-のはずです。しかし、このネジはオリジナルではありません。
オリジナルのネジと交換しておきます。
確かに2 5のクリック位置がずれていますね。
まぁ、正直なところ、前回の分解が原因で組みにくい個体でした。で、PENの修理ご依頼が終わってしまい、次のネタがありません。しばらく、時計と自転車で遊んでいるかもしれませんので更新は不定期になります。修理ご希望がありましたらよろしくお願いいたします。