人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「ブラームスの室内楽」を聴く~チェロ・ソナタ、クラリネット三重奏曲他~東京・春・音楽祭

2016年04月03日 09時00分20秒 | 日記

3日(日)。わが家に来てから553日目を迎え、足マッサージ器の向こうに思いを馳せるモコタロです

 

          

                マッサージ器のそら遠く 幸い住むと人の言う  ってか

 

  閑話休題  

 

昨日、上野でコンサートがあるためJR上野駅で降りましたが、上野公園口の改札は花見客でごった返していました  花曇りの中、ご苦労様です。先日 国立博物館「日本講堂」で開かれたN響メンバーによる室内楽コンサートの時にもらった博物館の招待券があったので、先に博物館を覗いてみることにしました ちょうど『恐竜博』をやっているようです。

 

          

 

入口は家族連れを中心に相当の混雑で、長い列ができていました 招待券で中に入って しばらくすると、係員に呼び止められ「お客様の招待券は『常設展』のもので、『特別展』のものではありません。ご覧いただくには1,600円の入場料が必要です。手違いでアルバイトが通してしまいました」と言われました。下の招待券、どう見たって恐竜展が見られる招待券でしょう

 

          

 

一度入場を許可されたのに どういうことでしょう 追いかけてこなくったっていいじゃん。しかし、招待券の裏を見ると小さい字で「本件は、1人1回常設展に限り有効です」と書かれていました 1,600円払ってまで見たいとは思わないので、新しい「常設展の招待券」をもらって引き上げました。常設展だけ見る気もしないので駅の反対方向のコンサート会場方面に歩きました

コンサート会場は東上野の上野学園大学 石橋メモリアルホールですが、時間があったので喫茶店を探しました。ところが、ないのです、周りに あちこち探し回りましたが、東京スカイツリーの方向に歩いていくと「サイフォンコーヒーの店 イワムラ珈琲店」という看板が目に付きました 「珈琲店」というところに惹かれて入ってみることにしました。すると、音楽大学が近くにあるせいか、何とブラームスの交響曲第1番の第4楽章が流れていたのです さっそく「本日のストレート」のモカを注文しました 小さなお菓子が付いていて450円です。このコーヒーがすごく美味しいのです

 

          

 

BGMはブラームスからグリンカの「ルスランとルドミューラ序曲」へ、そしてモーツアルトの「ヴァイオリン協奏曲第3番」へと移りましたが、なぜか演奏はヴァイオリンではなくトランペットなのです こういう演奏を収録したCDが売っているのかも知れません。落ち着いた良い店でした。今度 また上野学園に来たときは寄ってみようと思います      

ということで、上野の上野学園 石橋メモリアルホールで「ブラームスの室内楽」コンサートを聴きました これは「東京・春・音楽祭」の一環として開かれた公演です。プログラムは、ブラームスの①チェロ・ソナタ第1番ホ短調(ヴィオラ版)、②チェロ・ソナタ第2番ヘ長調、③6つの小品 作品118より第2番イ長調「間奏曲」、④クラリネット三重奏曲イ短調(ヴィオラ版)です。出演は、ヴィオラ=川本嘉子、チェロ=向山佳絵子、ピアノ=ミヒャエル・ゲースです

 

          

 

自席は1階E列8番、左ブロック右通路側席です。会場は8~9割方埋まっているでしょうか

都響で長年にわたり首席ヴィオラを務めた川本嘉子とピアノのミヒャエル・ゲースが登場し、さっそく1曲目の「チェロ・ソナタ第1番ホ短調」(ヴィオラ版)の演奏に入ります 川本のヴィオラは高音が美しく低音には深い味わいがあり、演奏に温かさがあります 別の言葉で言えば「包容力がある」と言えるでしょうか。演奏中、メロディーを口ずさむ声が聴こえて来たので誰だ?と思って二人の演奏者の口元を見るとゲースでした ピアニストにはいますね、こういうタイプの人が この人は主役のヴィオラに負けない演奏力の持ち主です。単なる伴奏ではなく自己主張があります。が、主役をないがしろにするところはありません。本気と本気のぶつかり合いが心地よいくらいです とくに最後の第3楽章「アレグロ」は”ほとばしる情熱”とでも表現したくなるような競演でした。この演奏を聴いて、川本嘉子は凄いとあらためて思いました

N響の首席チェロ奏者・向山佳絵子がゲースとともに登場し、2曲目の「チェロ・ソナタ第2番ヘ長調」の演奏に入ります 21年前の第1番とは対照的な明朗な曲想です。第1楽章冒頭から向山のチェロが歌います ブラームスはこの曲をスイスの避暑地トゥーン湖畔で作曲しましたが、当地の清々しい空気が感じられるようです。この人の演奏はスケールが大きいですね

 

          

 

休憩後は、最初にゲースのピアノ独奏で「6つの小品~第2番『間奏曲』」が演奏されます。この曲は作曲者が60歳の時の作品ですが、しみじみとした良い曲です ゲースはデュオでの丁々発止の曲ばかりでなく、こういう静かでロマンティックな曲も しっかりと演奏できることを証明しました

最後の曲は「クラリネット三重奏曲(ヴィオラ版)」です。ブラームスは弦楽五重奏曲第2番を最後に引退を決めていたのですが、クラリネットの名手リヒャルト・ミュールフェルトの演奏に出逢い、創作意欲を刺激されクラリネットがらみの室内楽を立て続けに作曲しました この作品は、そのうちでも早い段階で作曲された曲で、クラリネットのパートは作曲者自身の指示でヴィオラでの演奏も出来ることになっています

演奏は川本、向山、ゲースの3人による個性と個性がぶつかり合うアンサンブルで、とても迫力に満ちた演奏でした 一人一人の実力が高いレベルにないと不可能なアンサンブルでした

 

          

 

コメント (2)
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