6日(水)。わが家に来てから556日目を迎え、ゲージから脱出を図る方法を考えて 首をひねっているモコタロです
首をひねっても 身体をひねっても 外には出られないなぁ
閑話休題
昨日、夕食に「メカジキのソテー」「生野菜とワカメのサラダ」「サヤエンドウのお浸し」を作りました
も一度、閑話休題
昨日、新宿ピカデリーでMETライブビューイング、プッチーニの歌劇「マノン・レスコー」を観ました これは今年3月5日にニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です キャストはヒロインのマノン・レスコーにクリスティーヌ・オポライス(ソプラノ)、デ・グリューにロベルト・アラーニャ(テノール)、ジェロントにブリンドリー・シェラット(バス)、レスコー(兄)にマッシモ・カヴァレッティ(バリトン)他です。指揮はファビオ・ルイージ、演出はリチャード・エア(新制作)です
妖艶な美女であるがゆえに男たちを惹きつけてやまないマノンですが、若く美男であるデ・グリューの愛も欲しいし、お金持ちの老人ジェロントとの贅沢な生活も欲しい 第1幕でマノンは修道院に行くはずが、デ・グリューと出逢って一緒にパリに逃げるけれど、第2幕ではもうお金持ちのジェロントの邸宅で囲われて贅沢三昧な生活を送っています 二人の男を手玉に取るマノンですが、奔放な性格が災いしてジェロントに訴えられ、最後にはアメリカの砂漠でデ・グリューの腕の中で短い生涯を終えます 演出家のリチャード・エアは 舞台を1940年代のナチス占領下のパリに設定しているので、最後のシーンは砂漠ではなく廃墟の中が舞台となっています
この公演は当初、デ・グリューをヨナス・カウフマンが歌うことになっていましたが、”健康上の理由”で出演できなくなり、急きょロベルト・アラーニャが代演することになったのです 幕間のインタビューでアラーニャは「ピーター・ゲルブMET総裁から代演の依頼があり、期待に応えたいと 引き受けることにしたが、この役は初めて歌う役柄 依頼を受けてから2週間、1日12時間の猛練習を重ねて何とか初日に間に合わせたが、デ・グリューは予想以上に高い声を出す必要があることが分かり、喉を酷使してしまった」と語っています。初めて歌う役柄を2週間で完全マスターですから、いかにアラーニャがプロ意識が高く優秀な歌手であるかが分かります
このオペラのヒロイン、マノン・レスコーはファム・ファタール(宿命の女・魔性の女)という設定なので、ただ歌が優れているだけではだめで、どんな男も惹き付けてやまない魅力に溢れたソプラノでなければなりません その点、ラトヴィア生まれのクリスティーヌ・オポライスは 美人で プロポーションも抜群、歌も優れているのでマノンにピッタリです 幕間のインタビューを聴いていて思ったのは、オポライスは やはり、初めてデ・グリューに挑戦するアラーニャよりも、かつて組んだことのある”相性抜群の”ヨナス・カウフマンと共演したかったのだろうな、ということです
なお、代演ついでに言えば、オポライスはMETライブビューイング2013-14シーズンのプッチーニ「ラ・ボエーム」で、前夜「蝶々夫人」を歌ったばかりにも関わらず、病気で降板したアニータ・ハーティッグに代わってヒロインのミミを歌い、大成功を納めたことで話題を呼びました ついでに言えば、ハーティッグは今年2月のライブビューイング、プッチーニ「トゥーランドット」でリューを歌って好評を博したソプラノ歌手です
オポライスは5月上映のMETライブビューイング、プッチーニ「蝶々夫人」でタイトルロールを歌います 何と、ピンカートンはロベルト・アラーニャです 回る 回る 時代は回る 今度は代演がないことを祈ります
さて、いつ見ても凄いと思うのは2011年からメトロポリタン歌劇場管弦楽団の首席指揮者を務めているイタリア・ジェノヴァ出身のファビオ・ルイージです この人はMET音楽監督ジェームズ・レヴァインとともにオーケストラや歌手陣から抜群の信頼を得ている指揮者です 幕間のインタビューでの受け答えを見ているだけでも、いかにこの人が作品に対する知識が豊富で理解が深いかが分かります 今回の「マノン・レスコー」では、第3幕への「間奏曲」のロマンティシズム溢れる演奏が、とりわけ際立っていました