人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

飯守泰次郎+新交響楽団でマーラー「交響曲第2番”復活”」を聴く

2016年04月11日 07時49分59秒 | 日記

11日(月)。わが家に来てから561日目を迎え、オヤツがもらえないので文句を言うモコタロです

 

          

               オヤツをもらえないのは 鼻歯だ遺憾に存じます

 

  閑話休題  

 

昨夕は家で、ささやかながら息子の大学院進学のお祝いをしました ビールと日本酒を飲みながら デパ地下で買ってきた「漁師弁当」をいただきました カニ、イクラ、エビ、ウニ、アサリ、玉子が入っています。味噌汁はアサリです と、ここまでは良いのですが、息子はその後 お風呂に入ってアルコールを飛ばし 深夜に大学に出掛けて行きました。たぶん今日の帰宅は深夜です

 

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

昨日、池袋の東京芸術劇場コンサートホールで新交響楽団第233回演奏会を聴きました プログラムは①別宮貞雄「管弦楽のための二つの祈り」、②マーラー「交響曲第2番ハ短調”復活”」です ②のソプラノ独奏は安井陽子、メゾ・ソプラノは池田香織、合唱は栗友会合唱団、指揮は飯守泰次郎です

新交響楽団は1956年に創立されたアマチュアオーケストラですが、音楽監督・故 芥川也寸志の指導のもと旧ソ連への演奏旅行を敢行するなど意欲的な活動を展開してきました アマ・オケの中では間違いなくトップレベルのオーケストラです 私は他にコンサートの予定が入っていない限り 聴きに行くようにしています。今回は楽団創立60周年シリーズ第2弾ということで、マーラーの交響曲第2番”復活”を取り上げる、しかも飯守泰次郎を指揮者に迎えるというので、何よりも優先して予定に組み入れていました

 

          

 

自席は2階G列9番、左ブロック右通路側席です。会場はほぼ満席状態です アマオケでこれだけの動員力は並大抵ではありません 開演前に入口で配布されたプログラムを読みましたが、新交響楽団のそれは内容がいつも充実していて感心します プログラムノートは毎回 楽団員が交代で書いていますが、今回は別宮貞雄の曲をチューバ奏者T氏が、マーラーの曲をホルン奏者Y氏がそれぞれ書いています。これがプロの音楽評論家並みの解説なのです というか、並みの音楽評論家よりも優れているかも知れません。これには毎回 ます。

オケのメンバーが入場し、配置に着きます。弦は左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成です。コンミスは青山学院高校教諭の堀内真美さん ステージ奥上方のパイプオルガンは「モダーン面」がその威容を誇っています。マーラーの第2交響曲の第5楽章で活躍します

1曲目の「管弦楽のための二つの祈り」を作曲した別宮貞雄(1922-2012)は、東京大学理学部物理学科と文学部美学科の両方を卒業したという秀才です 東大卒業後、パリ音楽院に留学しミヨーやメシアンに師事しています 「管弦楽~」は留学後に東京交響楽団の委嘱で作曲された34歳の時の作品です。新交響楽団がこの曲を演奏するのは1983年以来、今回が2回目とのことです。「悲しみをもって」と「雄々しく」の2つの楽章から成ります。

ロマンスグレイの飯守泰次郎が登場、さっそく第1楽章に入ります。「悲しみをもって」の通り、荘重で抒情的な音楽が展開します。第2楽章は一転、金管楽器によるファンファーレで勇ましく始まり、コラールを経て力強いフィナーレを迎えます

 

          

 

休憩後はマーラーの交響曲第2番ハ短調”復活”です オケとともに栗友会合唱団のメンバーが入場しステージ奥にスタンバイします。ざっと見渡したところ男声50人、女声80人といった態勢です 実はこの曲、別宮の曲と同じく、34歳の時に作曲されました

飯守のタクトで第1楽章「完全に厳粛で荘重な表情で」が開始されます。冒頭から集中力に満ちた演奏が展開します フル・オーケストラによる演奏は迫力があります 管楽器では、フルートとオーボエが目立って素晴らしいパフォーマンスを見せています

第1楽章が終わったところで、飯守は汗を拭います。そしてオケの方を向いたまま指揮台の柵に寄りかかりしばし 休みの態勢をとります しかし、これはむやみに休んでいるわけではありません。マーラーはこの曲について、第1楽章と第2楽章の間に「少なくとも5分間の休みを置くこと」という指示を書いているからです もともとこの楽章は「葬礼」という標題を持つ交響詩として1888年に完成していたものです。そういう意味では、マーラーは第1楽章と第2楽章以降を切り分けて考えていたのかも知れません。ただ 実際には、今回の飯守をはじめ、5分以上の休憩を取って第2楽章に移った演奏を聴いたことは、少なくとも私にはありません

この間に、ローズレッドの衣装を身に付けたソプラノの安井陽子、黒のシックなドレスのメゾ・ソプラノの池田香織が舞台左袖から入場し、合唱団の左サイドの定位置に着きます 2階正面のバルコニーにはオルガ二ストが登場しパイプオルガンの椅子にスタンバイします。これで2分くらいは稼げます

 

          

 

次の第2楽章「大変落ち着いて、急がずに」と第3楽章「荘重に、ただし質素に」はマーラー自身が「間奏曲」として位置付けています 第3楽章がスケルツォで終わった後、アルトのソロによって「原光」というテーマの第4楽章が始まります これは「少年の魔法の角笛」から取られた詩に基づいた曲です。慶応義塾大学卒業後、二期会オペラスタジオ修了という珍しいキャリアの池田香織の深みのあるメゾ・ソプラノが静かに会場に沁みわたります

そして第5楽章「スケルツォのテンポで、激しく飛び出して」に演奏に移ります。合唱団は最初 座ったまま歌います 合唱の間隙を縫って安井のソプラノが合唱を突き抜け、会場に響き渡ります 合唱のクライマックスでは合唱団は立ち上がり”復活”を歌い上げます

最後は管弦楽、打楽器、ハープ、オルガン総動員で、持てる力を十二分に発揮、音の大伽藍を築き上げました 会場いっぱいの拍手とブラボーがステージに押し寄せました 飯守は二人のソリストを讃え、合唱団を、そしてオケをセクションごとに立たせて称賛します 最後に飯守が聴衆の歓声に応えます

飯守とメゾの池田香織が握手をしたとき、池田が感極まって飯守をハグすると、飯守は 次に握手した合唱指揮の栗山文昭をハグしていました 会場に「週刊文春」の記者はいなかったと思います

この日の演奏は楽団創立60周年に相応しい素晴らしいパフォーマンスでした

次回の演奏会は7月10日(日)とのこと。内容は下のチラシの通りです。私は聴きに行きます

 

          

 

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