人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

新日本フィル室内楽シリーズでブラームス「クラリネット三重奏曲イ短調」他を聴く

2016年04月12日 08時15分21秒 | 日記

12日(火)。コンサートのプログラムが溜まって厚さ30センチを超えたので整理しました これまで整理の上 保存しているプログラムは「新国立オペラ」「バッハ・コレギウム・ジャパン」のほか、外来オケやソリストなどに限定しています。在京オケの定期公演のプログラムが一番多いのですが、最新号を除いてほとんど捨てています。キリがないので ということで、わが家に来てから562日目を迎え、ゲージの中で日向ぼっこをするモコタロです

 

          

            いや~ このところ暑くなったり寒くなったり忙しいねぇ

 

  閑話休題  

 

昨日は、夕食にステーキを焼きました。あとはいつもの「生野菜とワカメとシラスのサラダ」です 息子の帰りが遅く、毎日 長時間大学に居るので 栄養のバランスを考えつつ体力をつけさせなければなりません

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

昨夕、すみだトリフォニーホール(小)で新日本フィル「室内楽シリーズ~楽団員プロデューサー編」コンサートを聴きました 新年度第1回公演のプロデューサーはクラリネット首席の重松希巳江です プログラムは①ブラームス「クラリネット三重奏曲イ短調」、②プロコフィエフ「ヘブライの主題による序曲」、③フランセ「クラリネットと弦楽四重奏のための五重奏曲」です 出演はクラリネット=重松希巳江、ヴァイオリン=堀内麻貴、ビルマン聰平、ヴィオラ=脇屋冴子、チェロ=矢野晶子、ピアノ=田中麻紀です

 

          

 

自席は4列1番、左端です。7時15分の開演に先立って、今回のプロデューサーであるクラリネットの重松希巳江による「プレトーク」がありました 私的な面では新日本フィルに入団して早10年を迎えたこと、今年4月からご子息が小学校に入学したため、早く寝かしつけること、お弁当を作ることなどに追われるようになったこと、などを語り、この日の出場者はどんな人か、演奏するのはどんな曲かについて説明しました 8分程度話しましたが相当アガっている様子でした 演奏するのはプロでも、話すことは素人ですから仕方ないですね

重松希巳江、チェロの矢野晶子、ピアノの田中麻紀が登場し、1曲目のブラームス「クラリネット三重奏曲イ短調」の演奏に入ります 58歳のブラームスは引退を考えていたのですが、ミュールフェルトというクラリネットの名手と出会い創作意欲が湧き、クラリネットを軸とする4曲の室内楽を作曲しました 2つのクラリネット・ソナタ、クラリネット三重奏曲、クラリネット五重奏曲です

ブラームスの室内楽、とくに晩年のそれを聴くたびに思うのは、本当は晩秋や初冬に似合う曲想だな、ということです そうは言うものの、春爛漫の今聴いてもその”渋い魅力”は伝わってきます 重松のクラリネットはやはり首席の演奏です。堂々たるものです 今回感心したのは矢野晶子のチェロです。これまで何度か室内楽シリーズで彼女の演奏に接してきましたが、それほど強い印象は持ちませんでした。しかし、この日の演奏は素晴らしいものがありました ピアノの田中麻紀はアンサンブル・ピアニストとして活躍しているようですが、落ち着きがあって好感が持てました

 

          

 

休憩後の最初はプロコフィエフの「ヘブライの主題による序曲」です この曲はユダヤ人(ヘブライ)コミュニティに伝わる旋律をベースに作曲されたとのことです

演奏者が入場し配置に着きます。ピアノをバックに左から堀内、ビルマン、脇屋、矢野、重松の並びです 曲を聴く限り、摩訶不思議な曲で、行進曲のようなリズミカルな曲です 作曲者を伏せて聴いたら、プロコフィエフとは分からないでしょう 重松のクラリネットはもちろんのこと、真ん中に位置する一番若手の脇屋が頑張ってました

最後の曲はフランセの「クラリネットと弦楽四重奏のための五重奏曲」です この曲は1977年の作曲と言いますから比較的新しい曲です。フランセは1912年に生まれ1997年に没していますから長寿を全うしました

この曲は4つの楽章から成りますが、第1楽章は穏やかに始まったと思っていると、途中から急に方針転換して軽快な曲想になります これを聴いて、リヒャルト・シュトラウスの「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」を思い起こしました この曲は「フランセの愉快ないたずら」とでも名付けたくなるような楽しくユーモア精神に溢れています プログラムに「出演者の聴きどころ」が紹介されていて、ヴァイオリンの堀内麻紀が「私の頭には、ピエロと曲芸師が浮かんでしまいます」と書いていますが、言い得て妙です

この曲でも重松の技巧的でニュアンスに富んだ演奏が冴えていました また、諸先輩の真ん中に位置するヴィオラの脇屋は、右の堀内を見たり、左の重松を見たり、周囲との間合いを取りながら真摯に演奏している姿が好ましく思われました

さて、今回は新年度第1回目の公演でしたが、入場者は会場のほぼ半分といったところだったと思います プレトークの時などは空席だらけで、いったいどうなるんだろう・・・と心配になってしまいました。幸い開演時間には何とか埋まってきましたが、それでも半数の入りです 誤解しないでいただきたいのですが、第1弾として重松さんを登場させたのは正解だったと思います 私などは新日本フィルの定期会員を継続するにあたって重要な要素の一つがクラリネットに重松希巳江がいるからです

主催者側としては集客方法を考える必要があると思います。もちろん各回の出演者とプログラミングが一番要素が大きいと思いますが、それだけではないように思います 一番大きいのはプレトークを誰が担当するのか、ということです。かつて長い間、第2ヴァイオイン奏者の篠原英和氏が担当していた頃はかなりの入場者がいたように思います 私などは篠原氏のプレトークを聴きたいためにコンサートに行っていたようなところがあります。”トークの天才”篠原氏のプレトークへの復帰を強く望みます

コメント
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