人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「上杉春雄 ピアノリサイタル with 森麻季」を聴く~浜離宮ランチタイムコンサート

2016年04月27日 07時59分07秒 | 日記

27日(水)。昨日、「郵貯銀行」から私のケータイのアドレスに「暗証番号変更再確認のお知らせ」というメールが届きました 内容を見ると、「郵貯銀行の暗証番号の変更手続きが終わったので『郵貯銀行』のアドレスにアクセスして確認してほしい。自分で暗証番号の変更手続きをした場合はこのメールを無視して結構です」というものです 私は最近、郵便局のキャッシュカードの暗証番号を変える手続きをした覚えはないし、相手が勝手に暗証番号を変えられるわけがないので、これは「フィッシング詐欺メール」に違いないと思い、削除しました さらに言えば、メールでは「郵貯銀行」を名乗っていますが、本物の名称は「ゆうちょ銀行」です。念のため、ゆうちょ銀行のキャッシュ・コーナーで残高確認をしてみましたが、当然のこととして現行の暗証番号が生きていました さっそく家族にメールして、同様のメールが来たら無視するように伝えました。しかし、不思議なのは、敵が私の名前とメルアドを知っていることです。どこから漏れているのか、まったく心当たりがありません。不愉快な話です 皆さんも同じようなメールが届いたら十分気を付けてください

ということで、わが家に来てから577日目を迎え、不審なメールを前に 斜に構えるモコタロです

 

          

                                ぼくが斜に構えてるんじゃなくて  スマホのカメラが傾いてるんだべさ

 

  閑話休題  

 

昨日、夕食に「豚肉のスペアリブ」と「生野菜のサラダ」と「卵スープ」を作りました 「スペアリブ」は分厚いので中まで火を通すのに時間がかかりました

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

東京藝大奏楽堂で開かれる「モーニング・コンサート」のチケットを3枚買いました 時間はいずれも午前11時開演で、オーケストラは藝大フィルハーモニアです。ソリストは藝大の学生ですが、指揮者は名の通った人ばかりです それでも入場料金は@1,000円と格安なのがありがたいですね

4月28日(木) ①J.ウィリアムズ「トロンボーン協奏曲」、②メンデルスゾーン「ピアノ協奏曲第1番」

         トロンボーン=鈴木崇弘、ピアノ=横江智至、指揮=高関健。

         これは、滅多に演奏されないメンデルスゾーンの曲が聴きたいために買いました

5月12日(木) ①中島夏樹「PIXEL for  orchestra」、②プロコフィエフ「ピアノ協奏曲第2番」

         ピアノ=谷口若菜、指揮=現田茂夫。

         これも滅多の演奏されないプロコフィエフのピアノ協奏曲を聴くために買いました

6月16日(木) ①大橋正人「I was  born」、②ブラームス「ピアノ協奏曲第2番」

         ピアノ=横山瑠佳、指揮=山下一史

         これはもちろんブラームスの名曲を聴くためです

 

          

 

  最後の、閑話休題  

 

昨日午前11時半から、築地の浜離宮朝日ホールで「浜離宮ランチタイムコンサート~上杉春雄ピアノ・リサイタル」を聴きました プログラムは①シューマン「子どもの情景」、②ドビュッシー「こどもの領分」より「小さな羊飼い」、③ストラヴィンスキー「ペトルーシュカからの3楽章」より「祭りの日」、④J.S.バッハ「フランス組曲第5番」、⑤ショパン「マズルカ第5番」、⑥アルベニス/ゴドフスキ-「タンゴ」、⑦グノー「歌劇”ロメオとジュリエット”より”私は夢に生きたい”」、⑧ショパン「ノクターン第8番」、⑨モートン・グールド「ブギウギエチュード」、⑩マイアベーア「歌劇”ディノーラ”より”影の歌”」です ⑦と⑩のソプラノ独唱は森麻季です

 

          

 

チケットを買うのが出遅れたので、自席は最後列の端っこです 会場はウィークデーにも関わらず満席。聴衆の年齢層はご想像の通りです コンサート前にプログラムに掲載された上杉春雄氏のプロフィールを読んで ぶったまげました。「北海道大学医学部卒、東大大学院修了。医学博士、日本神経医学会専門医。札幌山の上病院院長」とあります。何と、現役のお医者さんなのですね その彼が、国内外の音楽コンクールで入賞したり、サントリーホール(大)でリサイタルを開いたり、CDを出したりしているのです

さて、コンサートを聴くときは、そのような情報は一切頭から排除して、先入観なしで純粋に演奏に集中しなければなりません

主人公・上杉春雄氏が登場し、マイクで前半のプログラムについて解説します 第1部は「メルヘンの世界」と銘打っていますが、子どもの世界は、夢と現実の世界がごっちゃになっていることなどを解説し、シューマン、ドビュッシー、ストラヴィンスキーの演奏曲目について説明を加えます 

そしてシューマン「子どもの情景」の演奏に入ります。第1曲「見知らぬ国から」の冒頭のモティーフが全曲を支配しますが、この曲の演奏を聴いて「これは、まぎれもないプロのピアニストだ」と感じました。それは、曲想がまったく異なるドビュッシーの曲に移っても変わりません

上杉氏はドビュッシーからストラヴィンスキーにかけて間を置かず続けて演奏しましたが、その瞬間、舞台の照明がパッと点いて急に明るくなりました 周到に演出効果を狙っていることが窺がえます。謝肉祭の喧騒が演奏から浮かび上がります。間を置かないことによりドビュッシーとストラヴィンスキーの音楽の対比が鮮やかに表出します 超絶技巧のペトルーシュカを聴いていて、マウリツィオ・ポリー二がCDに入れた衝撃的な演奏を思い出しました

 

          

 

休憩後は第2部「アタマとココロの舞踏会」です。再び、上杉氏がマイクで後半の曲について解説します 後半の演奏曲目は”ダンス”の音楽ですが、「曲を聴くことによりダンスのイメージが頭に描かれ、より感動を覚えることになる」という、神経学会専門医的な解説に 思わず納得しました

後半第1曲目はJ.S.バッハの「フランス組曲第5番」です バッハ(1685-1750)が活躍していた当時はまだピアノは生まれていなかったので、チェンバロで演奏されていたことになります 上杉氏の軽快な演奏を聴きながら、もしバッハが現代に蘇ってピアノによるこの演奏を聴いたらどんな感想を持っただとうか?と思いました。きっと「おお、素晴らしい響きだ」と感嘆するのではないかと思います

次いで、ショパンの「マズルカ第5番」の演奏に入ります ショパンは祖国ポーランドの3つの地方の舞曲を取り入れてマズルカを作曲したということですが、60曲近くも作ったのですね 独特のリズム感があります。上杉氏は間を置かず次のアルベニス作曲ゴドフスキー編曲による「タンゴ」を演奏しました。これもマズルカとの対比が鮮やかです。すべてが計算し尽くされています

今まで暗譜で弾いていた上杉氏が譜面を用意しています そしてピアノを弾き始めると、ステージ左サイドから、淡いピンクのドレスに身を包まれた森麻季が颯爽と登場、グノーの歌劇「ロメオとジュリエット」からジュリエットのアリア「私は夢に生きたい」を歌い始めました 彼女の特徴はビロードのような歌声です。上杉氏の解説の通り、この曲の曲想は”ワルツ”です。森麻季はロメオに出会う前の希望に満ちたジュリエットのアリアをワルツの音楽に乗せて歌い上げました

次いで、再度、上杉氏がソロでショパン「ノクターン第8番」をロマンティックに演奏し、間を置かずにアメリカのモートン・グールドの「ブギウギエチュード」をノリノリで演奏しました この2曲も性格の違う曲の対比が鮮やかでした

最後に再び森麻季を迎え、マイアベーア(1791-1864)の歌劇「ディノーラ」から、羊飼いの少女ディノーラが誰もいない森にやってきて狂乱のうちに歌う「影の歌」を、ビロードのようなコロラトゥーラで見事に歌い上げました

鳴り止まない拍手に、森麻季はプッチーニの歌劇「ジャンニ・スキッキ」から「私のお父さん」を表情豊かに歌い 大きな拍手を受けました

 

          

 

この「ランチタイムコンサート」は前半30分、休憩15分、後半30分のコンパクトなコンサートですが、チケット代は1回2,900円、3回セット券は8,000円とかなり良心的です この公演を含めて最近、比較的低料金による平日のクラシック・コンサートがめっきり増えてきましたね。有難いことです 

なお、7月以降の「ランチタイムコンサート」は下のチラシの通りです

 

          

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