15日(金)。昨夜の熊本の地震にはビックリしました。最大震度7で死亡者が9名出ているといいます。熊本城の城壁を支える石垣が崩れ落ちている映像を見て随分大きな地震だったのだな、と思いました 3.11の東日本大震災の時のことを思い出します。世の中、何が起こるか分かりませんね。お互いに気をつけましょう ということで、わが家に来てから565日目を迎え、今日はイタリアン・ネオレアリズモで迫るモコタロです
ただのモノクロ写真だろうが なに気取ってんだい!?
閑話休題
昨日、夕食に「クリームシチュー」と「生野菜とワカメとシラスのサラダ」を作りました クリームシチューがちょっと茶色っぽいのは玉ねぎを焦がしたからですねん
も一度、閑話休題
昨夕、サントリーホールで読売日響第557回定期演奏会を聴きました 新年度第1回目のプログラムは①池辺晋一郎「多年生のプレリュード」、②ベートーヴェン「交響曲第2番ニ長調」、③フィンジ「霊魂不滅の啓示」です。③のテノール独唱はロビン・トリッチュラー、合唱は二期会合唱団、指揮は読響首席客員指揮者の下野竜也、コンマスは長原幸太です
1曲目の池辺晋一郎「多年生のプレリュード」は2011年1月に第500回定期演奏会で委嘱初演された作品です 多年生とは草木の一つの個体が複数年にわたって生存することを意味するとのこと。「地を這うような、あるいは重く沈殿していくような頑迷な『現代音楽』ではなく、明快なエネルギーが噴出し、多年生植物の上にさらに広がる未来を感じさせるような音楽にしたい」というのが作曲者・池辺氏の言葉ですが、その言葉通り、ドラマティックでエネルギーに溢れた曲想です さすがは、NHKの大河ドラマを何度か手掛けた作曲者の曲です。下野の指揮はいつものように明快です
演奏後、客席の中央(私の5つ前の席)で聴いていた池辺氏が舞台に呼ばれ、下野とハグを交わし、オケと聴衆から大きな拍手を受けました
管楽器が大幅に縮小し、2曲目のベートーヴェン「交響曲第2番ニ長調」の演奏に備えます。この曲はベートーヴェンが聴覚障害の兆候のさなかに書いた有名な「ハイリゲンシュタットの遺書」の頃に書かれた作品です
しかし、下野の指揮で聴くベートーヴェンは、そんな悲惨な状況を感じさせない力強く前向きな曲です ”元気はつらつオロナイン軟膏” じゃなくて、”元気はつらつオロナミンC”といった感じです 下野の指揮の特徴は何といっても”メリハリのある音楽作り”でしょう この人の指揮は分かり易く、演奏しやすいのではないかと想像します
休憩後は、近代英国の作曲家ジェラルド・フィンジ(1901-56)の「霊魂不滅の啓示」です この曲は「テノール独唱、混声合唱、管弦楽のための頌歌」で、詩はフィンジが愛した英国のロマン派詩人ウィリアム・ワーズワースの代表作から採られており、自然賛歌とともに幼少年時代への哀惜と関連付けられています
コーラス陣がP席に入場し配置に着きます。向かって右に男声36人、左に女声44人、合計80人の陣容です テノールのロビン・トリッチュラーが下野とともに登場します。いかにも大英帝国の紳士という感じの風情(実際はアイルランド出身)で、BBCプロムスやオールドバラ音楽祭、英国ロイヤル・オペラなどで活躍している新進気鋭のリリック・テノールです もの凄い大男で、小柄な下野と並ぶと大人と子どもの違いです 下野が指揮台に乗って初めて高さが釣り合う感じです。数式で示すと「下野+指揮台=ロビン」です
全体的には、テノールや合唱が歌う部分は比較的穏やかな曲想ですが、急に大管弦楽による激しい演奏が展開したり、変化に富んだ曲想です ”現代音楽”というと、シェーンベルクやベルクのような何だか わからんちん の曲を思い浮かべますが、フィンジのこの曲は、比較的分かり易く、何度か繰り返し聴けばその良さが理解できそうな気がします
管楽器の演奏ではフルートの倉田優、オーボエの蠣崎耕三、クラリネットの藤井洋子を中心に素晴らしいパフォーマンスを展開しました
何度かカーテンコールがあり、大きな拍手とブラボーがロビンに、健闘した読響の楽員に、そして素晴らしいコーラスを聴かせてくれた二期会合唱団に寄せられました 最後に、「定期演奏会」では今回が最後の指揮となる下野竜也に大きな拍手が送られました。彼は2016年度末で首席客員指揮者を退任し17年4月から広島交響楽団の音楽総監督に就任することが決まっています
下野竜也は日本人の中では好きな指揮者なので、広島に行ってからも頑張ってほしいと思います