人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

Kissポートクラシックコンサートのチケットを取る~千住明:オペラ「万葉集」,ラヴェル「ピアノ協奏曲」他 / バッハ・コレギウム・ジャパン 次シーズン会員継続へ / 佐藤正午著「夏の情婦」を読む

2017年09月26日 07時51分51秒 | 日記

26日(火).昨日の日経夕刊文化面のコラム「語る」で,2014年秋から新国立劇場オペラ芸術監督を務めてきた飯守泰次郎氏がワーグナーについて語ってます   同氏はドイツのバイロイト祝祭劇場で長年助手を務めましたが,最も印象に残ったのは劇場の完成100年にあたる1976年に「ニーベルングの指環」を指揮したピエール・ブーレーズの演奏だったと言います   「ブーレーズは従来の重厚なドイツ的ワーグナー像を排し,固定観念を崩す演奏をした.批判もあったが彼は意に介さなかった.ワーグナーの世界観を維持しつつ,指揮者として個性を出すことの大切さを学んだ」と語ります.飯守氏は10月1日から「指環4部作」の最終作「神々の黄昏」を指揮しますが,来秋からオペラ芸術監督が大野和士氏に代わるため,今作が集大成と言えます  飯守氏は「聴衆が熱狂する劇場の雰囲気を作る.理性を失うくらい物語に入り込むのがオペラだ」と語ります

新国立オペラは2002年から定期会員としてほとんど全てのオペラ公演を聴いてきましたが,N響がオーケストラ・ピットに入った「トウキョウ・リング」とともに,今回の飯守氏のワーグナーの「ニーベルングの指環」シリーズは特に印象深いものがあります   若返りを図って大野和士氏でも良いですが,覆すことが出来るのであれば飯守泰次郎氏に続投して欲しいと思います

ということで,わが家に来てから今日で1091日目を迎え,上野動物園で6月に生まれたジャイアントパンダのメスの赤ちゃんの名前がシャンシャン(香香)に決まった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                 この名前だと全国の株主総会で引っ張りだこになるだろうな シャンシャン総会

 

                                           

 

昨日,夕食に「豚バラとゴボウの柚子コショウ煮」「生野菜とサーモンのサラダ」「冷奴」を作りました   「豚バラ~」は初挑戦です   ゴボウは”さきがき”にすると書いてありましたが,過去に包丁で削ったら硬くて食べられないことがあったので,ピーラーで薄くスライスしました.これが正解のようです  冷奴には桜エビをのせました

 

     

 

                                           

 

来年1月23日(水)午後7時からサントリーホールで開かれる「第26回Kissポートクラシックコンサート」のチケットを取りました   プログラムは①千住明「Our Home Port」,②ラヴェル「ピアノ協奏曲ト長調」,③千住明:オペラ「万葉集」~明日香風編です.②のピアノ独奏=開原由紀乃,③のソプラノ独唱=小林沙羅ほか,管弦楽=東響交響楽団,指揮=大友直人です

 

     

 

                                           

 

バッハ・コレギウム・ジャパン(B.C.J)から2018-2019シーズン定期演奏会への会員継続案内が届きました   ラインアップは次の通りです

①2018年3月30日(金) バッハ「マタイ受難曲」 指揮=鈴木雅明

② 同   5月11日(金)  バッハ「カンタータ第31番,第172番,第182番」他 指揮=鈴木雅明

③ 同   9月24日(月・祝)  モーツアルト「レクイエム」,「交響曲第25番ト短調」他 指揮=鈴木優人

④ 同 11月23日(金・祝) バッハ「クリスマス・オラトリオ」 指揮=鈴木雅明

⑤2019年3月3日(日)  バッハ「カンタータ第12番,第21番,第150番」他 指揮=鈴木雅明

私は2000年からずっと定期会員ですが,次シーズンもB席で継続すべく申し込みはがきを出しておきました

 

     

 

                                            

 

佐藤正午著「夏の情婦」(小学館文庫)を読み終わりました   佐藤正午氏はご存知の通り,長編小説「月の満ち欠け」で第157回直木賞を受賞した長崎県佐世保市在住の小説家です

 

     

 

この本に収録されている5つの短編小説は,1986年から88年にかけて,つまり今から30年前に書かれた佐藤正午氏31~33歳の若き日の瑞々しい作品です

「ニ十歳」はネクタイから札幌の大学生時代の年上の女性との恋愛を追想する話,「夏の情婦」は塾の講師をしている男が太った女との関係を回想する話,「片恋」は高校生の結ばれなかった甘く苦い恋を回想する話,「傘を探す」は行方不明になった借りた傘を持ち主に返すべく,夜の街を彷徨う中で主人公の人間関係が浮き彫りになる話,「恋人」は書店の配達係の青年が放蕩の中で巡り会った女性との顛末を描いた話です

佐藤正午氏は巻末の「三十年後のあとがき」の最後に次のように書いています

「明日,それは完璧ではなくなるかもしれない.でもそういう頼りなさを振り切って,今日書く文章を,いまが書くべき時なのだと信じて書く以外にない,それが若いときから僕がずっと続けているものを書く仕事,なのかもしれません   短編集『夏の情婦』を読み返して,この五編がいずれも,書くべきときに書かれた小説である,と三十年後のいま思える,それが僕の率直な感想です」(2017年7月)

ところで,「片恋」の中に「イアーゴーはハンカチを盗む」という記述が出てきます  これはヴェルディの歌劇「オテロ」の筋書き(つまりは,原作のシェークスピアの作品)を知っていないと理解できません   要約すると「旗手イアーゴは,キプロスの司令官オテロから 戦争の勝利に当たり取り立ててもらえなかったことを恨み,オテロの妻デズデーモナが落としたハンカチを,デズデーモナの侍女である妻から奪い取り,そのハンカチが若い副官カッシオの家に落ちていたとオテロに耳打ちし,オテロの嫉妬心を駆り立てる   その結果,オテロは妻の不貞を確信し,ついに刺殺してしまう」というものです

佐藤正午という小説家は,時にこういう知識を何気に作品に散りばめて話を進めるので,油断が出来ません

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